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冷蔵庫を替えるという省エネ・節約(?) 恐るべし、真空断熱材。24時間換気よりも電気代が安い!?

2004年07月18日

今私が使っている冷蔵庫は、大学入学時に買ったもので、今年で9年目です。
冷蔵庫は電源が入っている時には側面が熱くなるのですが、最近妙に熱い。その熱で台所も暖かいような。冬は良かったのですが、夏はちょっと・・・。パッキンの締まり具合もやや甘くなってきました。

冷蔵庫の中も、冷凍食品(アイス含む)やペットボトルで多くを占められており、ちょっと大きめのを欲しい所です。

そんな訳で、ちょっと冷蔵庫の買い替えを検討してみました。今回のポイントは2つ。

 1. 今使っている機種(122L)よりも大きいこと
 2. 購入費用を10年程度で回収出来ること(=省エネ性に優れている)

最近の冷蔵庫は、昔のものよりも省エネ性に優れているとされるので、2. は重要なポイントです。
ちょっと調べてみると、真空断熱材を使っている松下電器製の冷蔵庫が全体的に省エネ性に優れていましたので、いくつか選んで比較してみました

項目 現行機種 検討機種 (いずれも松下製)
三菱 MR-12D NR-B162R NR-C372M NR-C373M NR-E402U
定格内容積(L) 122 162 365 365 402
年間消費電力量(kWh/年) 516 360 220 210 180
年間電気代(円) 11,868 8,280 5,060 4,830 4,140
単位年間電気代(円/L) 97.3 51.1 13.9 13.2 10.3
ネット上最安値(税込) 40,200 73,290 85,300 107,500
購入費回収年数(年) 11.2年 10.8年 12.1年 13.9年
1kWh = 23円として計算。最安値は、価格.comより。送料・処理費等は含まず。

経過年数と総費用の関係
以上の事から分かる事を簡単に書き出すと以下の通り。

買い換えた場合、11年前後で元がとれる
容量が大きい方が、運転費用が安い
容量が大きい方が、単位年間電気代 (勝手に計算・命名しました。1L当たりの年間電気代のこと。住まいで言うと、坪単価) が安い。
NR-B162Rを4万円で買うよりも、あと3万円弱出してNR-C372Mを買った方が、容量が2倍以上になり、運転費用も 11年後の総費用も安い。

ちなみに、容量 162LのNR-B162Rが、容量 365LのNR-C372Mに比べて運転費用が高いのは、前者が真空断熱材を使っていないからだと思われます。

今回の私の算定では、現在使っている機種が 122Lと小さいため、費用を回収するのに11年近い期間を要しています。
しかし、現在使っている冷蔵庫が10年を超える古い機種かつ、300Lを超える家庭では、10年も経たないうちに新規購入費用を回収出来るのではないでしょうか。

ちなみに、内閣府 2004年 3月消費動向調査、 主要耐久消費財の買替え状況によると、冷蔵庫の平均使用年数は、10.1年です。ちなみに、3年前の調査では、この平均使用年数は 12.4年でした。

今、冷蔵庫買い替えで電気代節約を狙うなら、見る所は販売価格でなく、年間消費電力量(kWh/年)です。
日本の電気代は、大体 1kWh = 23円なので、年間消費電力量(kWh/年)×23円で、冷蔵庫が1年間に使う電気代が分かります。

今回の計算で、買い替えも十分視野に入りましたが、1つ難点と言えば、300Lを超える冷蔵庫は 70kg近くあること。
今の冷蔵庫が 30kg程度なので、重さは2倍以上。階段から上げたり降ろしたりする時に転んで上から倒れてきたら、大ケガをしてしまいます。引越しなどで冷蔵庫を移動させる時には大変そうです。

それにしても、400Lを超えるサイズの冷蔵庫で、年間の電気代が 4,000円台というのは凄い省エネです。最近の冷蔵庫、恐るべし!といった感じです。

モーターが1つ回っているだけの、24時間換気の一般的な装置(150m3用交流型・三種換気)でさえ、年間の電気代は 6,000円前後かかってしまうのですから。

地場工務店が高性能住宅を進める、北海道。建物調査を終えて。

2004年07月27日

北海道での建物調査(インスペクション)より帰ってきました。涼しいと思っていた北海道でしたが、初日は 34℃を越えていました。でも、2日目以降は涼しかったです。

今回の依頼者は、本当によく勉強されていた方でした。あれだけ勉強されていれば、不動産での失敗はまず無いでしょう。
北海道という土地柄なのか、依頼者の方は断熱・気密にも詳しく、不勉強な業者さんだと、その分野に関しては会話が成立しないのでは無いでしょうか。

依頼者のお話で印象に残ったのが、北海道では、設計者ではなく地場の工務店の方々が積極的に高性能な住宅を進めているということ。お話を聞いていると、フムフムと納得出来ることがいくつもありました。

購入者が住まいについて勉強されると、必然的にそれに対応できる業者さんも勉強し、良い物を作ろうとします。やはり、日本の住まいの性能を上げるには、購入者に正しい知識を広める事が重要であると感じた、北海道での調査でした。

祖母からの手紙

2004年09月25日

今日は事務所で報告書作成。
家に帰ると1通の手紙が届いていました。敬老の日に送ったプレゼントに対する、祖母からのお礼の手紙でした。電子メールが一般的になった今日、手紙というのは何だかとても味わいがあります。

中身は、祖母らしい内容でした。プレゼントは喜んでもらえたようです。
手紙の中で、最後の一文が目にとまりました。

「きれいな文字で書こうと思うのですが、やっぱり年には勝てませんね。ご判読下さい。」

祖母は達筆で、習字の師範の資格を持っています。私が小さい頃は、冬休みの習字の宿題などの時に教えてもらいました。


今年で祖母は79歳。このように、"年に勝てない"と感じている事を考えていると、お互いに年を重ねたんだなと思ってしまいました。

「高齢者が住みやすいような住まい作りを」という時に言われるのが、バリアフリーや、ユニバーサルデザインという言葉。一般的には、段差を無くしたり、手すりをつけたり、廊下などの幅を広くすることを指します。

最近のマンションでは、玄関以外の段差はほとんど無いのが普通です。また、手すりや手すりの下地が入っている物件も多くなっています。設計上のバリアフリーは昔より進んできたと言えるでしょう。

私が今、気にしているのは、寸法的なバリアフリーでなく、「温度のバリアフリー」。家の中の温度差を無くすという意味です。

入浴中の急病・事故は冬の一戸建てで多く起きているのはご存知でしょうか?
急激な温度差は、脳卒中などを引き起こす原因とされます。

首都圏でも、次世代省エネにも満たない、断熱性能が低い戸建て住宅では、真冬の浴室の温度は10℃以下になるといわれます。居室の温度は20℃以上にしているでしょうから、ここに大きな温度差が生じます。


寸法中の段差を無くすのは、それほど難しくありません。しかし、温度のバリアフリーを行うのは、なかなか簡単ではありません。
単に断熱材を厚くするだけでなく、換気性能や気密性能、暖房機の能力や取り付け位置など、トータルな検討が必要です。

これまで、どちらかというとマイナーで日陰的な存在だった温熱環境の設計が、省エネルギーや温度のバリアフリーの観点から、今後重要視されていくことでしょう。

マンションは暖かいか、寒いか?

2004年09月28日

以前、建物調査(インスペクション)をご利用された依頼者から、「マンションに住むのは初めてですが、冬は戸建てよりも暖かいのですか?寒いのですか?」とご質問を頂きました。

そんな訳で、簡単なシュミレーション。

マンションの場合、中住戸と角住戸(妻側住戸)で外気の負荷が大きく変わりますので、それぞれで計算します。
シュミレーションモデル

オマケとして、現在一般的な断熱仕様のマンションと、外断熱を「本気で」やっているマンションの仕様でも比較してみます。

住戸のモデルとして、スパン 6.5m、階高 3.0m、奥行き 13.0m(面積84.5m2、気積 253.5m3)で計算します。 住戸モデル

計算の結果はこちら

各部の熱損失

グラフが、右に長いほど暖房費がかかります。角住戸は、中住戸と比べるとかなり暖房費用がかかることが分かります。

現在販売されているマンションで、熱交換式の換気装置が使われている場合がありますが、熱交換機で削減出来る部分は、水色の範囲の一部です。
角住戸の場合、窓や玄関から逃げる熱は換気損失の2倍以上ありますから、熱交換装置を入れるよりも、窓をペアガラスにした方がずっと効果的であることがわかります。

角住戸は中住戸に比べて倍近くの暖房費がかかりますので、同じ暖房費用であれば、角住戸の方が寒いと言えます。実は、現在の性能のマンションでも中住戸であれば、現在一般的な戸建て住宅よりは性能は良いのです。(建物全体であれば、次世代省エネにも達することが出来ませんが。。。)

ただし今回のシュミレーションは全ての住戸が埋まっている場合です。中住戸であっても、隣や上下階が空いていると、角住戸に近い条件になります。

現在、戸境壁や床スラブの厚みは、コンクリートで200mm程度ありますが、断熱材(硬質ウレタンフォーム)に換算すると、3mmの厚みしかありません。
これでは、かなり暖房費がかかります。

ちなみに、ヨーロッパの集合住宅は全館暖房が基本で、調整が出来ても、止めることは出来ないことが多くなっています。(暖房費は家賃や管理費に含まれる)

環境性能のCASBEEとは? 建物が、環境性能で格付けされる時代。

2004年11月05日

最近、産官学共同プロジェクトで、建物の環境性能の評価を行う、CASBEE(キャスビー)というシステムが開発されました。

これは、

・エネルギー消費
・資源循環
・地球環境
・室内環境

の4つの観点から、建物を評価する方法です。(次世代省エネ基準とは異なります。)

国土交通省はCASBEEの開発・普及に努めることを宣言しており、名古屋市や大阪市では、一定条件を超える建物において、CASBEEによる環境評価を義務づけています。
全国に広がっていくのも、時間の問題でしょう。

日本では、2002年に出来たCASBEEですが、調べてみるとこのような環境評価ツールは各国に数年前(イギリスでは、14年前)からあるようです。
日本は、建築分野において断熱や省エネ、環境負荷に対する研究が、各国と比較して遅れているのを感じてしまいます。

名称
イギリス BREEAM
カナダ BEPAC
アメリカ合衆国 LEED
フランス LEED
 
名称
スウェーデン LEED
ノルウェー Eko Profile
フィンランド Promis E
オランダ Eco Quantum
 
名称
オーストラリア NABERS
韓国 GBCC
中国 GOBAS
HK-BEAM
台湾 ESGB

住宅の性能評価制度には、温熱環境の項目があります。しかし、CASBEEでの評価は性能評価制度よりもさらに細かい内容になっています。

これまで、建物が環境性能で評価されることはほとんどありませんでした。
このような評価方法が出来たことは、環境の面からも、建物そのものに対しても、とても良いことだと思います。
どんどん利用されるといいですね。

冷蔵庫を替えるという省エネ・節約 実践編

2004年11月06日

先日、実家から電話がありました。
聞けば、

・先日、電気工事のために、家に業者さんが来た。
・その業者さんが工事を間違えて、家の中の家電製品の多くが壊れた
・(当然ながら)家電製品の修理代は出してもらえる
・しかし、修理ではなく、以前の日記にあった冷蔵庫の買い替えを検討して欲しい(この場合は自費)

と、いうことでした。
業者さんには、「おいおい!」という感じもしないではないですが・・・。(200V流しちゃったかな~)

そんな訳で調べてみると、

・これまで使っていた冷蔵庫の1年間の電気代は、26,200円(!)
・最新型にすると、年間たったの 3,300円
・18万円(ネット上での平均値+α)で買ったとしても、8年以内に元が取れる

という事が分かりました。
これまで使っている冷蔵庫を、あと8年使うのはやや難しいと思うので、購入の方向となりました。

それにしても、400リットルを超える冷蔵庫の1年間の電気代が、3千円台とは!携帯の月額費用の半額より安いです。

今回検討した機種は、前回7月に書いた日記の後に出た最新型ですが、その頃の商品より、2割近く省エネになっているのは、驚く限りです。技術の進歩って凄いですね。

省エネ住宅 待ったなし

2004年11月12日

今日の読売新聞より

京都議定書の温室効果ガス削減目標を達成するための具体策となる政府の地球温暖化対策推進大綱の見直し案の概要が11日、明らかになった。
―― 途中略 ――
一般家庭などの民生部門では、省エネ法の改正などにより住宅・建築物の断熱材などについて省エネ性能の向上を義務づけるほか、家電製品の消費電力などをわかりやすく表示することなどで、温室効果ガスを1・5%程度削減させる。

これは、以前から十分予想出来たことです。
今回の見直し案が、このまま通るのかは分かりませんが、住宅部門でも一層の省エネルギーが求められるのは間違いないようです。

ガラスの複層化や、建物の高断熱化は今後急激に進んでいくことでしょう。次世代省エネ基準が義務化されれば、その動きも早いのでしょうが・・・。

北海道の住宅事情。北海道住宅新聞による住まいの快適ランク

2004年11月14日

建築や不動産に限らず、各業界には業界紙と呼ばれる新聞があります。
建築関係の業界紙を発行している会社で、私が良く見ているサイトは、北海道住宅新聞のサイト

日本において北海道は、高性能な住宅が作られている割合が最も高い地域だと思います。その北海道で発行されている新聞だけあって、住宅性能に関する記事が専門的。

この新聞社が以前に提案した、「住まいの快適ランク」は、とても具体的な等級分けで、その中身も高度。住宅性能評価の温熱環境の項目で、最高等級を取れる住宅でも、この等級分けによると、まだまだ性能不足(実際、私もそう思いますが)。
この新聞社が見ている住宅性能は、次世代省エネ基準の1歩先です。

そんな北海道に、今度建物チェックで行くことになりました。空き時間を使って、いろいろと学んで来たいと思っています。ちなみに、当日の天気予報は雪。寒そう!


メールマガジン、はじめます

2004年12月07日

メールマガジンをはじめることになりました。
メールマガジンの名称は、

「どうなる?!ニッポン建物事情」

外断熱はもちろん、建物を長持ちさせる方法、夏涼しく、冬あたたかい住まいを造る方法などを書いていきたいと思っています。

登録は以下のフォームからできます↓ (メルマガはまぐまぐより送信されます)

  

「コンセントから、隙間風が入ってきて寒い。」気密に関する意識の違いとは

2004年12月08日

このような事を、住んでいる方から言われ、困っているという現場監督の方から、対処方法を求められました。
このような場合、そのすき間を埋めて対処したとしても、全体として良くなりません。建物全体の気密性が低いため、部分修繕にしかならないからです。

今、日本の工務店や設計者・施工者を「気密性への考え」という面で分類すると、大きく2つに分かれます。

A:新しい家づくり型B:これまでの家づくり型
自分達の作る「家全体の余分な隙間の大きさ」が分かる。
余分な隙間は、徹底的に無くすよう、努力している。気密試験は必ず行う。
(性能の最低ラインを決めて、それ以下の性能では引き渡さない所もある。)
自分達の作っている家に、どれだけのすき間があるかなんて、分からない。

知ろうとも思わない。

割合で言うと、は、10%90%という所ではないでしょうか。Bの考え方の工務店の方がずっと多いのが現実です。

一般的に、Aの工務店は『技術肌』、『性能重視』、『建築が好き』な所が多くなっています。
逆にBの工務店は、『売り上げ重視』、『営業力重視』、『デザイン重視』という感じではないでしょうか。

この2つの工務店で建ててもらい、入居後すぐに、壁や窓に結露が出たとします。このような場合、考えられる返事はそれぞれ次のような感じだと思います。

えっ!?本当ですか!
どこかに施工のミスがあるかも知れないので、出来るだけ早く確認しにお伺いします。
お宅の「住まい方」が悪いんですよ。結露が出るなんて普通ですよ。
お宅の、「住まい方」を変えて下さい。

この、の住まいに対する意識の差、知識の差は歴然としている事が多いです。
同様に、それぞれの工務店を選ばれる方の、住まいに対する意識の差も大きいのが現実です。

勉強して、の工務店と同じレベルで話が出来るようになった方は、の工務店の家作りには、全く興味が無くなります。(例えば、見るべき所が本質的な所に変わってきます。
住まいの寿命に関しても、の工務店が造る住まいの方が長寿命な仕様になっていることがほとんどです。

この2つの工務店の違いを見分けるためには、住まいに関する勉強をすることが欠かせません。
購入者が勉強して、求めるものが高くなれば、必然的に住まいの性能は上がります。

勉強のために、まずは、書籍や、メルマガをどうぞ

ペアガラスの空気層は12mmがベター ~アルミサッシから樹脂サッシへ~

2005年01月08日

戸建てでは、最近かなり増えたペアガラス。大手ハウスメーカーなら、ほぼ100%ペアガラスです。マンションでも増えつつあります。

ペアガラスは、2枚のガラスの空間に一般的に空気が入っています(空気層といいます。高級な物にはアルゴンガスが入っています)
実は、一般的に使われるペアガラスでには空気層の厚みが2種類あります。それは、6mmと12mmです。

同じペアガラスでも、空気層の厚みが12mmだと、6mmのものより断熱性能が高くなります。(高断熱を売り物にする樹脂サッシでは、12mmが標準です。)

シングルガラス(アルミ枠)のサッシからの熱の逃げやすさを100とすると、それぞれのサッシの性能は以下のようになります。
赤いバーが短いほど、高性能です。

断面ガラス空気層特殊膜熱の逃げやすさ
単板 アルミ 1枚 bar 100%
ペア6mmアルミ アルミ 2枚 6mm bar 71%
ペア12mmアルミ アルミ 2枚 12mm bar 62%
ペア複合 アルミ+樹脂 2枚 12mm bar 54%
ペア12mm樹脂 樹脂 2枚 12mm bar 44%
ペア12mm樹脂Low-E 樹脂 2枚 12mm Low-E bar 35%
次世代省エネルギー基準の解説より作成

アルミ枠のペアガラス 空気層6mmでは、シングルガラスに比べて3割程度の省エネにしかなりません。
しかし、樹脂サッシだと55%、Low-Eガラスという特殊なコーティングを施したものだと65%と大幅な省エネになります。

日本ではサッシと言えばアルミサッシですが、海外ではアルミサッシの需要は樹脂サッシよりも少ないのが一般的です。

各国のサッシ需要
プラスチックサッシ工業会資料より

今後は日本でも、シングルガラスからペアガラスへ、アルミサッシから樹脂サッシへと徐々に変わっていくでしょう。

熱交換式の24時間換気装置と、樹脂サッシLow-E ペアガラス、どっちがお得?

2005年01月11日

窓がシングルガラス・アルミサッシのマンションに、熱交換式の換気装置がついていて、「省エネ」とうたっている時があります。

熱交換式の換気装置とは、24時間換気の排気から熱(又は熱と水蒸気(潜熱))を奪い、給気される空気を温める装置です。

熱交換は、建物全体の断熱性能が高い物件では有効ですが、断熱性能が低い建物では費用対効果が薄いとされています。

ここで、一般的な断熱厚みをもつ内断熱のマンションにおいて、
熱交換装置を取り付けた場合
換気装置は変えず、サッシだけをLow-E樹脂ペアガラスに変更した場合
について概算してみます。
(計算条件は、2004年9月28日の日記に準じます。熱交換機は全熱式ではなく、安全な顕熱式、効率は70%と仮定。)


熱交換機の取り付けと、樹脂サッシLow-Eペアガラスの変更、どっちがトクか

上のグラフで、バーが短いほど、省エネです。

今回の仮定条件では、熱交換装置を入れるよりも、サッシを全て樹脂サッシのLow-Eペアガラスに変えた方が省エネになることがわかります。

ちなみに、
 ・窓の数が多い場合
 ・ハイサッシが使われている場合
には、この差はもっと顕著になります。

熱交換機を使う場合のデメリットは以下のようなものがあります。

フィルタ交換費用がかかる
定期的な清掃を行わないと、効率が低下する
 ちなみに、効率の良い物ほど目詰まりしやすい
運転費用がかかる
汚染空気の5%程度は新鮮空気と混じってしまう
 (その為、換気量を多めにする必要がある。[参考サイト])

熱交換機は、15年前後で寿命が来て交換費用が必要ですが、樹脂サッシのLow-Eペアガラスはもっと長寿命です。運転費用はゼロですし、メンテナンス費用もほとんどかかりません。
また、樹脂サッシ+Low-Eペアガラスなら窓面に結露はまず生じないでしょうが、サッシの性能が低いまま熱交換機を導入しても窓の結露は防げません。

順番を重要度から考えると、熱交換装置を入れる前に、壁や窓の高性能化のほうがずっと先だと思いますが、いかがでしょうか?

北海道・札幌。大規模修繕で外断熱リフォームしたマンション。樹脂サイディング採用も。

2005年05月23日

今日は札幌で内覧会。これで、4ヶ月連続の北海道です。

始発の地下鉄に乗って、羽田空港へ。
いつもの朝は座れない電車も、始発ならラクラク座れます。

飛行機は予定通りに新千歳空港に到着。空港から現地まではあまり時間的に余裕がありませんでしたが、時間前に現地到着。
雨が降る中、早速チェックです。

お昼には、北海道らしいものを・・・と考えていましたが、時間があまりないことと、近くのお店がどこにあるか分からなかったことから、結局はコンビニ弁当。食べたらすぐに再開です。

小さな問題はいくつかありましたが、大きな問題はなく、5時頃にチェックは終了。地下鉄に乗って、札幌駅に向かいます。

電車に乗っている途中、ある物件のことを思い出して、札幌駅の1つ前で下車。(行こうと思っていたのですが、この時はすっかり忘れていました)

携帯で場所を調べ、警察署に寄って道を聞き、調査機材の入った重たいスーツケースを引きずりながら歩くこと、約30分。思ったより距離があり、途中で通り過ぎたのかと思っていたころ、ようやく現地に到着です。

外断熱改修マンション 到着したのが、右の建物。
明るい色と窓の感じから、一見ホテルのようにも見えます。
しかし、この建物は築31年、11階建て、約120戸の既存マンションです。
外壁に古さを感じないのは、昨年の末に大規模修繕が終わっているからです。
しかもその大規模改修は普通の外壁改修ではなく、「外断熱への改修」です。

開口部も断熱改修 開口部も断熱改修。既存サッシの外側にできる"新しい"外壁に、サッシを取り付けて二重サッシ化 この規模の大きさのマンションにおける外断熱改修は日本でも例がないため、建築や不動産の業界紙では幾度か取り上げられているマンションです。

外壁の仕上げは、塗り壁、樹脂サイディング、ガルバニウム鋼板の3パターン。
道路から塗り壁部分を軽く叩いてみると、コンコンと断熱材が入っている軽い音がしました。

樹脂サイディングは聞いたことがない方も多いでしょう。樹脂サイディングは、コーキング部分がないことからメンテナンスが少なくて済み、凍害に強く、軽く、施工しやすいというメリットがあります。
その利点から改修工事に向いており、個人的には、興味の高い外壁材です。

両側にあるのが樹脂サッシ 業界紙の記事によると、この大規模修繕は、外断熱改修をしない場合と比べて、3割弱のコストアップになったそうです。
しかし、外断熱にすることによって、建物の劣化そのものが遅くなるでしょうから、将来のメンテナンスや冷暖房費用の削減、快適性の向上など、長期的にみるとメリットは大きいでしょう。

大きなスーツケースを持って、建物の周りをいろいろ見ていた私の姿は、他からみるとちょっと怪しかったかも知れません。
すぐ近くに交番がありますが、職務質問はされませんでした。

建物を見て、フムフムと一人で納得したあと空港に向かいます。
帰りはいつも最終便でチケットを押さえていますが、できるだけ早い便に変更します。
しかし、8時30分発は満員。
平日なのになぜ?と思っていると、その次の便が機材の関係で欠航したからでした。仕方なく最終便の1本前の便に乗りこみます

雨の影響で東京の近くで多少揺れましたが何事もなく無事到着。
おつかれさまでした。

外断熱のマンションと内断熱のマンションを外からサーモグラフィカメラで見る

2005年06月13日

建物調査(インスペクション)で使う機材の中に、サーモグラフィカメラがあります。サーモグラフィカメラは、熱を可視化する装置です。

私がサーモグラフィカメラを初めて使ったのは、中学生の頃。
父親が仕事で使うために家にあったので、いろいろ遊んでいました。
しかし、装置は重たく、部品が外国製のために、操作画面は全て英語。起動するまでに時間がかかり、反応速度がとても遅くて残像がずっと残っていました。

さくら事務所にあるサーモグラフィは、導入時に最も新しいものでしたが、昔のものと比べるととてもコンパクト。反応速度がとても速くて、最初はビックリしました。
部品も国産のため、操作画面が日本語で分かりやすいのもいいですね。

内断熱マンションと外断熱マンション 事務所内では、
「イソップのおもちゃ」
と呼ばれるこのサーモグラフィカメラ。
おもちゃぶりを発揮すべく、冬の寒い季節にいろいろ撮っていました。

これは、いくつか撮った熱画像のうちの1枚。
ほぼ同時期に建てられた、普通の(内断熱)マンションと、外断熱マンションの外観です。撮ったのは、太陽の影響がない深夜です。

写真左側が、普通の内断熱マンション。右側が外断熱のマンションです。
右側の方が全体的に温度が低く、熱があまり逃げていないことがわかります。

今度は、真夏の暑~い時期に、いろいろ撮ってみようと思っています。

新しい時代の家づくり。海外と大きく遅れた日本の省エネ対策

2005年08月08日

日本の住まいの性能を、現在の2倍以上に上げること。
それが私の願いです。

性能を上げる部分は、耐震性能や内部の仕上げではなく、建物の省エネルギー性能。

日本で建てられている建物の多くを、省エネルギー性能で比べてみると、欧米の先進国と比べて20年程度は遅れているのではないかと思います。
自動車や精密機械の分野では、世界をリードする日本も、住まいの省エネルギー性能は、世界より大きく遅れているのです。

日本の建物の省エネ性能を上げることで、暖房や冷房にかかる費用を、現在の半分以下にすることは難しいことではありません。決して夢物語ではないのです。

しかし、その性能を得るためには、これまでの住まいに関する「常識」を超える必要があります。

これは例えば、
 ・結露するのは当たり前。結露するのは住まい方が悪い。
 ・吹き抜けを作ると寒い
 ・家は30年で建て直すもの
 ・開放型のストーブを室内で使う
などです。

これらは、日本の住まいの常識であったとしても、世界的には非常識です。

常識を超えるためには、断熱の知識は当然ながら、気密や換気などを新たな視点で考え、学ばなければなりません。

それらを学ぶことは、住まいの性能を上げるときに、誰もが通る道です。

このブログでは、住まいの性能を上げるときに必要な知識を、できるだけ分かりやすく、論理的に、裏づけをもって説明していきたいと思います。

将来的には、「このブログを見れば、疑問が解決する」というようなページにしたいと思っています。

後世に残す価値のある、世界的に誇れる家作りをするため、一緒に勉強していきましょう!

建物の性能を上げるときに必要なもの

2005年08月12日

建物の性能を上げたときに、
 ・いらなくなるもの、現れなくなるもの
 ・可能になるもの
 ・必要になるもの
を、思いつくままに書いてみます。

○いらなくなるもの、現れなくなるもの
 ・サッシや壁の結露
 ・結露によるカビ
 ・石油ファンヒーターのような、開放型暖房機
 ・水道管凍結防止ヒーター

○可能になるもの
 ・大きな吹き抜け
 ・開放的な間取り
 ・ヒートショックの低減
 ・エアコン1台で、家の中を冷暖房
  (冷暖房装置の小型化)
 ・建物の長寿命化
 ・小屋裏の有効利用

○必要になるもの
 ・温熱環境に関わる知識
 ・高い施工技術、設計力
 ・建築費用の、重点的配分
 ・建築主の理解

日本の住まいの性能を上げるときに、まず問題となるのが、建築主(購入者)の理解だと思います。
残念ながら、京都議定書が批准された今でも、日本の省エネルギー基準は義務化されておらず、建築主(購入者)の判断に任されています。

ですから、まずは建築主(購入者)が性能の高い住まいとはどのようなものかを学ぶ必要があります。

たくさん学べば学ぶほど、建築業者さんの選択肢はとても少なくなっていきます。
なぜなら、そのような住宅を本当に理解して、作ることができる人はまだまだ日本では少数派だからです。

逆にいうと、そのような業者さんを見極めることが出来たなら、必ず良い住まいを得られるでしょう。

将来先取りの省エネ住宅

2005年09月10日

品質チェックの、地縄張り確認のため、加藤さん、安彦さんと現地へ。

初めての業者さんでしたが、対応がとても良い感じ。
かなりの省エネ住宅でしたが、設計の方もとても詳しい様子でした。

建物は、ツーバイフォー工法ですが、断熱材を厚く入れるため、外周部は全て2×6。
壁には断熱材が140mm。天井と床は200mmです。サッシの仕様も高く、家全体の省エネルギー性は、次世代省エネルギー基準の約2倍の性能。将来、省エネ基準が変わったとしても、当分は大丈夫でしょう。

関東周辺で作られている建売物件や、建築条件付きの一般的な仕様と比べると、省エネルギー性能は約3倍くらいでしょうか。(つまり、暖房費は、3分の1位になります。)

「建物の性能が高いから、床暖房入れなくても床が冷たくなることはないです。床暖房を入れられる方は、うちでは少数派です」
とは、設計者の方の声。

建物の性能が高くすると、これまでの家づくりで常識だったことが常識ではなくなることがよくあります。これもその一例かも知れません。

まだ基礎コンクリートも完成していませんが、完成が楽しみです。

快適でエコロジーな一戸建てのつくりかた

2005年09月16日

今日は私のさくら事務所カフェがありました。
テーマは「快適でエコロジーな一戸建てのつくりかた」

最近、少しずつではありますが、省エネルギーという観点から建物の断熱などに興味を持たれる方が増えているのではないかと思っています。
それらの質問を受けることも多くなってきました。

今月14日の日記にもあるように、現場での断熱の施工において、知識のない業者さんが少なくありません。
ある程度施主の方が断熱などを学び、施工業者さんの力量を見抜く力を身に付けないと、ばらつきの大きい一戸建てにおいては、完成時の性能差が大きくなってしまうのではないでしょうか。

専門性が高く、なかなか学びにくい分野であると思いますが、勉強すればするほど住まいの省エネ性、快適性は上がるでしょう。

フランスの省エネ基準 その3

2007年02月16日

Flag_french換気、給湯、暖房設備、照明の効率に基準がある
日本の省エネ基準では、建物そのものの省エネ基準はありますが、建物の中にある、設備の効率までは基準がありません。

これに対して、フランスでは、換気や給湯などにも効率に基準があります。
ドイツでも、ボイラーの効率や、給湯配管の断熱基準があります。
イギリスでも、ボイラーの効率の基準がありました。

ドイツ、イギリス、フランスでは、住宅における設備も含めたエネルギー消費をとらえているという意味から、日本より一歩進んでいるといえます。

しかし、住宅の省エネというのは、最終的にはエネルギーそのものの消費を抑える事が目的ですので、設備の省エネが厳密でない日本の次世代省エネルギー省エネ基準は片手落ちであるとも言えます。

エアコンのガス ~古いエアコンの交換時の注意~

2007年06月28日

エアコンの室内機と室外機を結ぶパイプの中には、ガス(冷媒)が入っています。
古いエアコンを交換する際に気をつけなければいけないのが、このガスの種類です。

写真は、10年くらい前のエアコン室外機に書かれているラベルを撮影したもの。
冷媒名は、R22となっています。 古いガス R22
実はこれ、古いタイプのガス。環境負荷が大きいフロンガスのひとつだったため、現在は使われていません。

現在販売されているエアコンの冷媒は、家庭用ではR410Aというタイプ。R22を旧冷媒、R410Aを新冷媒とも呼びます。

エアコン交換の際に問題となるのは、ガスの種類が異なるだけでなく、原則として配管が交換になるということ。
既設配管に凹みが無く、その肉厚が厚い場合には、配管内を洗浄するなどの対策をすることで対応可能ですが、やはり交換しておくのが無難。

配管の経路が短く露出している場合には交換がラクです。しかし、隠蔽配管になっており、その経路も長い場合には、天井や壁面を壊したり、古い配管を壁内に残して新しい配管を引き込むなどの工事が必要となります。

製造から10年前後経っているエアコンの交換を検討されている方は、ガス(冷媒)の種類をあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
また、取り付けの際は業者さんに、「真空抜き」でお願いすることも忘れずに!

温暖化防止省エネ住宅セミナー + パッシブハウス東京第1号住宅

2007年08月01日

林さんと、ロックウール工業会主催の、『温暖化防止省エネ住宅セミナー』及び、『パッシブハウス東京第1号住宅の現場見学会』に行って来ました。

最初の1時間半は、東京駅近くで講師によるセミナー。
現場見学会の様子 その後はバスで移動して、パッシブハウス東京第1号の見学会。 東京という建築地では、無暖房住宅に相当します。インターネットでその工事の経過を見ていたものの、やはり現場は勉強になります。

その施工状態だけでなく、細かな納まりも勉強になりました。噂には聞いていた施工業者さんですが、やはり良かったです。

工法の基本はツーバイフォー。
ただし、断熱性能を上げるために、外周部はツーバイシックスです。

外側の付加断熱(ロックウールボード) 外壁の断熱材は、ツーバイシックスの140mm+外壁 外張り断熱 60mmのトータル 200mm厚断熱。
屋根部分は当初、ロックウールの200mmの予定でしたが、高さ制限により施工が困難なため、フェノールフォーム66mm+ウレタン120mmに。
これは、分譲物件で採用されているグラスウール10kに換算すると、280mm以上の厚みに相当します。

下部の断熱は、床断熱ではなく、基礎断熱。外側と内側併用で、厚みは150mm。

サッシは、真空ガラスを使った樹脂サッシ。
サッシ内部には断熱材も入っています。(普通は中空)
使われているサッシの性能は、1.24W/(m2・K)という性能で、これは、
Low-E樹脂ペアガラスの約2倍の性能。

最終的なQ値は、0.904W/m2・K
これは、東京の次世代省エネ基準 2.7W/m2・Kの、約3倍の省エネ性であることを示しています。
凄い省エネ性です。大手ハウスメーカーの、かなり良い仕様の2倍以上の省エネ性です。
30年後の省エネ基準でも、十分クリアするでしょう。

気密性能を示すC値は未計測の状態ですが、この施工業者さんの過去の実測値は、去年のデータで 0.16cm2/m2ということでしたので、これに近い値になり、十分な性能です。
これも、大手ハウスメーカーの仕様の、10倍以上の高性能。
ここまでの性能を得られれば、大手ハウスメーカーでも追従出来ません。

現場の施工は丁寧で、参考になる納まり方がいくつもありました。

一般の方はこのような物件を見ても、「単に断熱材を厚くしただけ」と思われるかも知れませんが、そうではありません。
そこにたどり着く為には、しっかりとしたバックデータを持ち、難しい納まりをいくつもクリアする必要があります。

今日の前半のセミナーで、東京大学の坂本先生のスライドに、納得できるものがありました。それは、以下のようなものです。


住宅・建築の省エネ対策の基本

1. 建物の断熱化・日射遮蔽(暖冷房負荷の削減)
2. 設備機器の効率向上と、そのためのメンテナンス
3. 自然エネルギーの活用
 アクティブ:太陽熱利用と太陽光発電の推奨
 パッシブ:自然通風と自然採光の活用・推奨

このうち、重要なものは、だということです。


私もこれが、住宅・建築の省エネの王道だと思います。

建築のエンジニア が省エネに大きく影響できるのは、と、のパッシブの項目。
その他は一見、建築であっても、頑張っているのは他業種のエンジニアです。

例えば、太陽光発電。
大手ハウスメーカーでも積極的に売り出しており、省エネになるとしていますが、太陽光発電の効率を上げるのを頑張っているのは、電機メーカーのエンジニア。
建築側としては、簡単に言えば、それを設置するだけ。
大した努力はありません。エアコンの効率向上も同じ。
だから、これらの設置は建築関係者が威張れるものではないと思っています。

それに対し、1. 建物の断熱化・日射遮蔽は、建築のエンジニアの頑張りそのもの。太陽光発電は、新築の住宅に取り付けても、築30年の住宅に取り付けても、築1000年以上の建物に取り付けたとしても、効率は同じ。しかし、建物そのものの省エネ性は、建物の作り方で全く違ってきます。
まさにノウハウの部分で、今回のように次世代省エネの3倍の性能を得られたのは、電機メーカーのエンジニアではなく、建築のエンジニアの頑張りです。

建物の省エネの王道は、上記のの順番だと思いますが、その1番目の理解が浅い、あるいは分からずに、中途半端な建物性能しか出せない建築関係者ほど、壁の中の通気とか、なんとかソーラーとか、地熱やなどに走っている印象があります

太陽光発電や、エアコンの寿命は建物の寿命よりも短いもの。
それで省エネを図るより、未来永劫続く、建物そのものの省エネ性を上げる方が、ずっと価値があると思います。

全ての住宅が今回の性能まで到達することはまず考えられませんが、このような物件が存在するということは、覚えておいて損は無いと思います。


パッシブハウス東京第1号の施工を示したブログはこちら

パッシブハウスS邸の挑戦
 http://x-unoblog.seesaa.net/

夏型結露(逆転結露)対策の調湿気密シート、可変透湿シート

2007年08月10日

品質チェックの現場に移動するまでの社内、エアコンで夏型結露(逆転結露)の実験

冬は、外気が寒く、室内が暖かいので、サッシやガラスの性能が悪いと、そこで結露が起きます。

これが、夏に起きるのが、夏型結露逆転結露
室内が冷たく、屋外が暖かいときに起きる結露です。夏型結露や、逆転結露と呼ばれます。

夏型結露(逆転結露)の実験 自動車では、冷房を強めにして、フロントウィンドウ吹き出しにすると、この現象が起きます。特に、湿度の高い日。日中よりも夕方の方が出やすいです。
ちなみに、結露が出るのは冬とは違って屋外側ですので、ワイパーを動かせば簡単にふき取れます。
建物でも、壁の構成によっては夏型結露逆転結露)の恐れがあります。しかし、冬の結露によって建物が大きな被害を受けたという話や、その物件は目にしますが、夏型結露でそのようなことはあまり聞きません。発生したとしても短時間で、結露量も少ないためでしょう。

壁面よりも結露が生じやすいガラス面で、エアコンを強めにした車内でも、結露が生じるのは写真のようにわずかですので、普通の居室ではあまり深刻に考えるようなものではないのかも?(地下室は別)

同様の条件に近いコンビニのガラスでも、全面びっしりの結露もあまり見ないですしね。エアコンの設定温度が27℃前後であれば、まず大丈夫だと思います。

ちなみに、夏型結露逆転結露)を防止するための材料としては、調湿気密シート(可変透湿シート)という材料を使います。
商品名では、デュポン社のザバーンがよく使われます。覚えておくと何かの役に立つかも知れません。

引渡し済み物件の現場監督さんからの電話。「この家、凄いです!」

2007年08月27日

午前中に私用を終えた後、午後から千葉の現場へ。
予定より早めに指摘箇所の是正が終わったという連絡を元に、現場の確認です。

現場はしっかりと是正が終わっていました。
帰りはいつもと違うルートで事務所に。JR八丁堀駅って、ちょっとさくら事務所からは距離ありますね。でも、運動不足の私にはちょうどいいかも。

夕方からは、さくら事務所のメンバーで、一戸建て関係の会議。

会議の途中、既に引渡しが終わった品質チェック物件の現場監督さんから電話がかかってきました。
さくら事務所の設計コンペ第一号の物件です。

「もう終わった現場なのに何だろう?」と思い電話に出ると、いつも元気な現場監督さんが、いつも以上に元気な様子。

あの現場で、24時間換気の配置や基礎断熱を提案されたのは、大下さんだそうですね。あの物件、凄いです!

「え?どういうことですか?」と聞き返すと、要点は以下のようなものでした。

  • 工事前、いつもやっていない設備等が入っていたので、その効果は疑問視していた。
  • 今日、定期メンテナンスの為に建物の中に入った。
  • 室内の温度差が、これまで引き渡した物件のどれよりも小さい。
  • 玄関から入って涼しいが、リビングが寒すぎることも無い。
  • これまで引き渡した物件のどれよりも、空気がサラッとしている。
  • これまでの建物とは、別のよう。
  • なのに、エアコンはドライの微弱設定で運転

この物件には、全館空調は入れていません。
ちなみにエアコンの設定については、私が先週ご依頼者宅にお伺いしたとき、エアコンの設定温度や、風向きについてアドバイスをしています。

夏は、暑いといっても室内外の温度差は10℃未満。冬のように20℃近くの温度差はありません。
この物件の断熱性は高いので、冷房で重要なのは温度(顕熱)を冷やすエネルギーではなく、除湿となる潜熱。
この物件では基礎断熱を採用したことや、面材を張っていることで気密性能が高くなっているため、防湿性能も上がっていると思います。
結果として、冷房運転ではなくドライ運転でも建物は快適に。
ちなみに2階はリビングの2.2kWのエアコン(6~9畳用)で、その3倍以上の面積を冷やしています。
省エネ住宅に詳しくない設計者であれば、200V仕様の、4.0kW以上のものを入れていたことでしょう。建物にお金がかかっている分、設備でその費用を回収しようという狙いです。
 

さくら事務所の設計コンペでは、ご依頼者からコンペの料金をもらっているので、施工業者さんなどから、バックマージンなどは一切受け取っていません。(多くの設計コンペでは、ご依頼者が無料に近く、業者さんからバックマージンを受けることが多い)

そのため、設計コンペでは、「ダメなものはダメ!」などということを、本音トークで話しています。
また、設計段階からチェックを行なうことができるため、着工前に「こうした方が良い」という点は、実際の設計に生かして頂いています。

この物件でも、この施工業者さんが普段は行なっていない設備を、私の意見でいくつか採用して頂いています。
一見、無茶にみえたかも知れませんが、私にはバックデータと理論的な裏づけあったので、心配していませんでした。
その結果、出来上がった物件が、現場監督さんが体感されたように、いつもの建物とは違っていたのでしょう。

現場監督さんであれば、いつもその会社の建物をよく分かっていますので、建物に入ってその違いがすぐに分かったのでしょう。
次からの物件でも、この経験を生かして欲しいです。

しかし、監督さん!
私はこの物件、夏よりも冬に自信があります。

なぜなら、この物件には、床下暖房があるから。

床下放熱器

床下放熱器。室内に出ないのでスッキリ!
しかも、室内に出るタイプの放熱器よりもずっと安価です。
ちなみに、風は出ません。自然対流です。

熱源は温水。
なので、ガスでも電気でもヒートポンプでも、エコキュートでも、ガスコージェネでも、太陽熱でも何の熱源でもOKです。
熱源の交換時期には、その時に最も安い熱源を選べます。

上から見るとこんな感じ

上から見るとこんな感じ。
冬には暖かい空気がここから上がってきます。
夏季には、ここから室内の空気が床下に流れます。なぜなら床下には、空気を引っ張るための24時間換気ダクトが3本入っているから。
ちなみにこの物件の場合、1日に10回程度、床下の空気が入れ替わります。

結果として、床下のジメジメ感はなく、カラッと乾燥。床下も室内と同じ環境になります。

年間を通じて、温度・湿度共に安定。

タオル掛け兼放熱器

洗面室には、タオル掛けを兼ねた放熱器を配置。

洗面室が寒くなることはなく、タオルもすぐに乾きます。ヨーロッパでは一般的。
浴室に暖房機が無くても、問題なし。

放熱量の設定は、廊下に設けられた集中コントローラーでもできますし、写真の放熱器右下にあるバルブでもできます。

床暖房と違い、床下全面をあたためることが出来る床下暖房は、床暖房のようにリビングと廊下の温度差がありません。
また、面積が広いこと(1階全面を暖める)ことで、温水の設定温度を低くすることが出来ます。
また、輻射暖房なので、エアコン暖房よりも快適性が上です。


ご依頼者のT様。
寒い時期、現場監督さんや大工さんを交えて、体感会みたいなものを開いて頂けると嬉しいです。

白熱電球が製造中止へ。温暖化対策政府が方針『3年内』案も

2007年12月23日

品質チェックの物件は、新年を新居で過ごすため、年末の引渡しラッシュ。

外構が終わっていない物件もチラホラ・・・。どの現場でも、職人さんの手配が難しいようです。

2件目にお伺いした物件は、引渡し+内覧会時の是正確認。
そのとき、現場の担当者がバックからある装置を取り出しました。

何かと思うと、それはルクス計(照度計)
明るさを調べる機械で、リビングやダイニングの明るさを計測されています。

照明が好きだということで、ご自身で購入されたということです。価格は5万円ほど。

こちらの物件、リビング・ダイニングにはシーリングは無く、全てダウンライト。トイレが間接照明になっていたり、その他の部屋でも、いろいろと照明に気をつけている印象が工事中からありました。

さて、その照明ですが、4日前に白熱電球が製造中止になるかも知れないというニュースが報じられました。

東京新聞
 白熱電球 製造中止へ 温暖化対策政府が方針『3年内』案も

省エネの観点から、効率の悪い白熱電球をやめて、電球型蛍光灯へ切り替えようというものです。
「蛍光灯」というと、真っ白いイメージがあるかと思いますが、色温度の低い、電球色のタイプも販売されています。

また、最近の電球型蛍光灯は、昔の蛍光灯と比べて、点灯するまでの時間が速くなっており、調光機能を使えるものもあります。


 ・調光器に対応している電球型蛍光灯
 ・点灯直後の明るさの立ち上がりが早い

頻繁にスイッチをオン・オフする場所に蛍光灯は向かないとされていましたが、最近の電球型蛍光灯では、点滅性能が2万回を超えるものが一般的です。1日に20回、オン・オフしても、1年間で7,300回ですから、2万回というのはかなり多い回数です。

家電量販店にいくと、電球型蛍光灯は、ナショナルのパルックボールシリーズと、東芝ライテックのネオボールシリーズの2つがほとんど。

既存の白熱電球の照明を電球型蛍光灯に替える場合、照明器具と電球型蛍光灯の種類によっては中に入らないことがあります。
この場合、東芝ライテックのネオボールZリアルという商品は、既存の電球とほぼ同じサイズので、入る可能性が高いです。
(現時点では、ナショナルの電球型蛍光灯は全長が長い)
覚えておくと良いかも知れません。

話は戻ってルクス計(照度計)。
5万円のものは必要ないですが、安くていいのでコンパクトなものが欲しくなりました。

CASBEE すまい[戸建]

2008年05月27日

CASBEE すまい[戸建て]の講習会に行ってきました。
CASBEEの概要については、オフィシャルサイトを。

CASBEEの概要 - (財)建築環境・省エネルギー機構
 http://www.ibec.or.jp/CASBEE/about_cas.htm

CASBEE すまい[戸建] CASBEEの評価に関する項目について、次世代省エネ基準の評点が高かったり、照明の省エネ基準の項目が無かったり、立地の項目が無かったりという、疑問点などはあります。
しかし、この評価法を作るのは大変だったと思います。

複数の専門家が入っていることもあり、項目の検討や評価の方法、点数の割合など、かなり話し合われたのではないでしょうか。

以前、雑誌の取材協力で、大手ハウスメーカー向けのアンケートの内容を作成したことがありますが、その時も大変でした。
ある項目を入れるべきか入れないべきか、その際の点数の重み付けをどこにするかなど。どれだけ十分に考えたとしても、一定の性能分けをするためには、どこかで区切る必要がありますが、その区切りに関する考え方は人によって違いますので、意見が出て当然だと思います。

さて、このCASBEE すまい[戸建]の評価項目ですが、住宅性能表示制度の区分けや、自立循環型住宅への設計ガイドラインの区分けが使われている箇所があります。
ちなみに、この2つ制度の区分けの中には、次世代省エネ基準の項目があります。

つまり、CASBEE すまい[戸建]の省エネ関係の評価項目を実際に入力するための参考資料には、以下の3冊が必要になると思います。

住宅の省エネルギー基準の解説 木造住宅のための住宅性能表示制度 自立循環型住宅への設計ガイドライン
住宅の省エネルギー基準の解説 木造住宅のための住宅性能表示制度 自立循環型住宅への設計ガイドライン

講師の話では、CASBEEのテキスト内にこれら参考資料のページを入れなかったのは、本が厚くなってしまうからと話されていました。
確かに納得です。この4冊のページ数を合わせたら、1,500ページくらいになってしまいますので・・・。

講習ですが、個人的には面白かったので、眠らずに全部聞いてました。(当たり前?)

しかし、省エネ住宅の設計の実務を学ぶ目的であれば、CASBEEよりも自立循環型住宅への設計ガイドラインの方が面白いと思います。

省エネ住宅の王道とは? 桜ハウス玉川

2008年05月31日

今日は午後から設計コンペ
参加のハウスメーカーによる、1回目のご提案です。

その後、既に施工業者決定済みの、設計コンペ打ち合せ。
決定したプランは、そのコンセプトがしっかりとしていました。
また、そのプランは、建築工事が敷地環境に与える影響が最も小さなものだと思います。

打ち合せの内容は、設備に関してです。
冬季には、最低気温がマイナス10℃前後となり、年間の暖房負荷が東京の 3倍以上となる場所に建てられるこの物件。
冬季の配管類の凍結対策だけでなく、暖房方式やランニングコストも重要な課題。

熱源の候補は、プロパンガス、灯油、電気の3つ。
建物規模が大きいため、建物の断熱性能を一般的なものと仮定し、熱源にプロパンガスを選択すると、年間の暖房費が100万円を超えてしまいます。最近価格が上がっている灯油でも、同じ程度かかってしまいます。

暖房のランニングコストを減らす方法は以下の 2つ

 1. 建物の省エネルギー性を高める
 2. 燃料単価の安いエネルギーを使う

当初の設計案では、建物の省エネルギー性が弱かったので、もう少し断熱性を上げる必要があります。

燃料単価の安いエネルギー源としては、ヒートポンプを使った方法があります。(参考:熱源の単価

しかし、東京近郊で使われている一般的なエアコンは、外気が氷点下になるような地域では、効率がかなり悪くなってしまいます。そのため、今回の建築場所で、これをメイン暖房とする訳にはいきません。

寒い地域で、ヒートポンプ式の熱源を使うためには、厳寒地対応のヒートポンプを使うか、地中熱のように冬季でも氷点下にならないものを熱源とする方法があると思います。

北海道には、氷点下マイナス 18℃まで対応の外気熱利用のヒートポンプ熱源+深夜電力という、分かる人が見ればかなり魅力的な商品がありますが、本州には出回っていないようです。(参考:北海道のヒートポンプ暖房スティーベル。西方設計さん

この商品が広く普及すると、深夜電力利用の蓄熱式暖房機の魅力はさっぱり無くなってしまうかも知れません。ランニング費用が蓄熱式暖房機の3分の1から4分の1になりますから。

他の熱源の場合には年額100万以上の暖房費がかかる可能性があるのであれば、この商品の初期投資額にもよりますが、すぐに回収出来る可能性があります。

本州で手に入る同様の商品としては、ダイキンのホッとエコフロアや、三菱電気のエコヌクールでしょうか。
これなら氷点下20℃~25℃まで使えますが、深夜電力前提ではありませんので、温水のタンクがありません。6.7kWという能力は、今回の場合やや力不足。建物性能を上げるか、装置を複数台取り付けるか。


地中熱とは、その名の通り地面の中にある熱です。
建築地の凍結深度は、60cmということですので、それより深い地面であれば、冬季にも地面の温度が氷点下になることはないでしょう。ここに、配管を通して地面と熱交換するのです。
海外で採用のケースが多く、Googleで 「geo heat pump」と検索すればイメージがたくさん出てきます。

ちなみに、地中熱を利用するためにはヒートポンプは不可欠です。「地熱があったかい」といっても、せいぜい15℃程度です。
「ベタ基礎+基礎断熱にしただけで、地熱利用であったかい」などといっている業者もいますが、熱量的にそれは無理。
地下数メートル下にある15℃の熱源では、室内が20℃以上になることはありません。

地中熱を利用するためには、穴を数十メートル掘ってその中に配管を通すか、地面を水平に掘って配管を通すかの2種類があります。
地面を掘るとお金がかかるので、敷地条件や工事による掘削を利用して水平に掘りたいのですが、何メートル通せば何度の熱が得られるかなどのデータが手元に無く、検討が付きません。


長野県茅野市に、「桜ハウス玉川」という介護施設があります。
省エネに詳しい方の中では、現在とても有名な建物です。

それはなぜか?
現在、日本で最も断熱性に優れた建物だからです。

壁の断熱材は300mm、屋根は400mmで、建物のQ値は 0.6W/m2k程度だとされています。関東の次世代省エネ基準の、4倍以上の省エネ性。
この高い断熱性により、寒い茅野市においても冷暖房費が激減。
空調の費用は同規模の建物の10分の1程度である約38万円。

建物の断熱性を高めるためにかかった費用は約2700万円。
しかし、暖房設備が不要なため、実質的には 1500万円のコストアップ。

これに対して、年間の冷暖房費が300万円ほど削減出来ているそうですから、たったの5年でコストが回収出来てしまいます。
それ以後は、年間300万円ほど、見えないコストとしてプラスになります。灯油やガスなどのコストが上がれば上がるほど、プラスの金額は多くなります。この建物の建築を実行した方はエライ!

この超省エネ住宅を提案されたのは、設計者ではなく介護施設を運営する会社。
設計側からの提案だとした場合、かなりやり手だと思いました。この業界、省エネに関して頭の固い人が多いですから。

介護会社の専務さんは、建築の出身ではなく、半導体関係の出身。とても柔軟な発想ですね。

桜ハウス玉川については、鵜野さんのブログが詳しいです。興味のある方はぜひ。

  1. 日本のパッシブハウスの嚆矢「桜ハウス玉川」訪問記(上)
  2. パッシブハウスの嚆矢「桜ハウス玉川」訪問記(中)
  3. パッシブハウスの嚆矢「桜ハウス玉川」訪問記 (下)
  4. 「エコタウン信州茅野」を全部木構造でやったら?


桜ハウス玉川の例を見ると、省エネ住宅の王道は、やはり建物そのものの断熱だということがよく分かります。
快適性向上のための設備といっても、建物そのものの性能が良ければ、その設備そのものが要らないのですから。省エネのためにといって、建物性能を上げないまま、太陽光発電を載せてみたり、コストの合わないガスコージェネを入れてみたりというのは、邪道に感じてしまいます。

設計コンペの物件も、さらに断熱性を強化できれば、暖房計画もラクになるのですが、どの性能までを目指すか。
初期費用とランニングコストと回収期間の兼ね合いでしょうね。

熱損失係数(Q値)・暖房エネルギー計算プログラムの、QPEX Ver2.0が届きました。

2008年08月25日

少し前にバージョンアップしたのは知っていたのですが、熱損失係数(Q値)・暖房エネルギー計算プログラムの、QPEX Ver2.0をようやく買いました。


新住協 熱損失係数・暖房エネルギー計算プログラム QPEX これは、室蘭工業大学 建築システム工学科 鎌田研究室が開発したプログラムで、新住協というNPO法人が売っています。
省エネ住宅の技術開発で有名な団体です。

ただし、首都圏周辺の工務店や設計事務所は全くといっていいほど加入していません。それほど断熱に興味が無い、わかっていないことの裏づけでしょう。
(数多い断熱系のフランチャイズに加盟するより、新住協の方がずっと安価で、高い技術が得られるように思いますが)

NPO法人 新木造住宅技術研究協議会
QPEX Ver2.0ができました
 http://www.shinjukyo.gr.jp/qpex3.html

ちなみに、QPEXの開発を行った鎌田紀彦教授のことを、「断熱の神様」と呼ぶ人もいます。
私も以前、鎌田教授による講習を受けにつくばまで行ったことがありますが、 実務にあれだけ詳しい先生も珍しいと思います。


QPEXですが、これまで私はVer1.0を使っていました。
Ver2.0になって基礎断熱のバリエーションが増えたり、暖房費を求める気象地点が増えたり、外貼り断熱、付加断熱に対応したりしています。

 

熱損失係数(Q値)や暖房負荷を求めるプログラムは他に、(財)建築環境・省エネルギー機構 IBECのSMASHや、気密測定装置で知られているコーナー札幌の、省エネ判断というソフトがあります。


プログラムの価格ですが、SMASHは30万円ほど。
省エネ判断は10万円程度ではなかったかと思います。

これに対して、QPEX Ver2.0はわずか 5,000円。
QPEX Ver1.0の時は2,000円でしたが、それでもかなり安い!
専門家でなく、一般の方が自分の家の性能を知るためにも、十分に手が届く価格です。
5,000円というお金は、断熱や暖房計画を煮詰めることで、すぐに回収できてしまうでしょうからね。 

 

本日、設計コンペで決まった軽井沢の物件の打ち合わせに行きましたが、暖房計画が多めに入っていたり、断熱厚を増すことでランニングコストを下げられる箇所がたくさん見つかりました。
私の立場としては、暖房設備の計画でコストダウンして、その分だけ建物の省エネ性を高めるよう、進めなければなりません。

 

早速、QPEXで建物の断熱性能を把握し、暖房費と建築費との兼ね合いを調整することになりそうです。

(結論を言ってしまえば、軽井沢のようなとても寒い地域では、建物の省エネ性を高めるのが、暖房設備的にも、建築費+ランニングコストのトータルでも、最も安価になると思います。)

QPEXを使って、建物の省エネと、暖房費の最適解を考えてみる

2008年08月27日

設計コンペの物件で、建物の省エネと暖房費の最適解を探すための1つの方法として、QPEXを使って建物性能と暖房費を計算してみました。

QPEXの入力画面はこんな感じ。

QPEX2.0入力画面

 

ざっくりとした建物の概要。業者からの提案レベル
延べ床面積:約150m2、平屋
天井断熱材:グラスウール16k 100mm厚
基礎断熱材:ポリスチレン 1種B 30mm厚
床断熱材 :ポリスチレン 1種B 30mm厚
壁面断熱材:グラスウール16k 100mm厚
換気方式 :第三種換気
サッシ  :全て木製。南面はアルゴンガス入りペア。他はLow-E高断熱ペア
暖房熱源 :三菱電機 ヒートポンプ式温水器 エコヌクールレオ
設定COP:2.0(もっと高いと思いますが、安全を見て)
暖房方式 :床下暖房+床暖房+一部パネルヒーター(予定)
電気代単価:24円/kWhとする
建築地  :軽井沢。次世代省エネ地域区分 I地域
暖房設定温度:22℃(アメダス計測地より標高が高いため、+2℃)

暖房は当初、LPガスという案もありましたが、ランニングコストが高すぎるために却下。氷点下25℃まで使える三菱電機 ヒートポンプ式温水器 エコヌクールレオを採用。

QPEXによる結果は以下の通り。(費用関係は独自)

Q値 総熱損失係数 年間暖房エネルギ 暖房用電気使用量 年間電気代 30年間の電気代
2.42 356.18[W/K] 16,335[kWh] 8,210[kWh] ¥197,040 ¥5,911,200

Q値2.42という性能は、東京であれば次世代省エネ基準達成ですが、軽井沢では無理です。軽井沢は札幌よりも寒いのですから。

 

建物の省エネや、どこに費用を投じるべきかを考えるためには、Q値だけでは不十分で、部位別の熱損失を知る必要があります。

中学校などの中間テストで5科目あった場合、どの教科を重点的に勉強すれば、トータルの点数が良くなるかを考えるのと似ています。 


今回の場合、部位別の熱損失は以下のようになりました。

建物の、熱の逃げる割合(部位別)

今回の物件、開口率が約40%と広め。(一般住宅は20~30%程度)
そのため窓から逃げる熱の量が多いかと思いましたが、高性能な木製サッシのため、思ったほどではありませんでした。
足を引っ張っているのは、30mmと薄い床下や、天井の断熱材などです。

 

これを元に、建物の断熱・省エネの強化と、それによって削減できる費用を計算してみます。
以下はその結果ですが、いずれも削減されたエネルギー量や費用を示しています。

削減されるエネルギー量と、電気代

ちなみに、これを全て実行すると、Q値は 1.58程度になり、年間126,000円、30年間では、約400万円のランニングコスト削減になります。20年間だとしても、約250万円の暖房コスト削減です。

今回、ランニングコストの安い、ヒートポンプ式温水器の採用としていますが、リッター90円を超えた灯油や、もともと単価が高いLPガスを使っていたら、さらにコスト削減額は大きくなります。

 

上記項目の中で、最もコストパフォーマンスが高いのは、床の断熱材変更でしょう。もともとの厚みが薄かったため、暖房費削減効果が高いです。
また、断熱材の価格も高価なものではないので、採用しやすいと言えます。

採用に設計上の配慮が必要なのは、熱交換付きの換気装置でしょう。
システムの価格としては、ランニングコストを考えれば元が取れます。
東京のような温暖地では、熱交換装置を入れてもコスト回収は難しいですが、寒冷地ならではです。

 

壁の断熱材にウレタンを提案しているのは、気密性を高めるためです。気密性が低いと暖房費が余計にかかってしまいます。
別にウレタンでなくても、施工が良くて、気密性能さえ出れば、セルロースでも、グラスウールでも、ロックウールでも全くかまいません。

 

今回の場合、サッシ周りに当初から良いものが使われているため、サッシやガラスの仕様ではあまり性能を上げられません。
性能を上げられるとしたら、ハニカムサーモスクリーンが良く知られている、断熱スクリーンの採用です。これは、ロールスクリーンに、断熱性を持たせた商品です。

今回の試算でも効果は高いですが、意匠性との兼ね合いになります。

 

今回、30年でのコスト削減額が400万円となりましたが、上記項目を全て実行したとしても、そんなにかからないでしょう。お金がかかるサッシ周りには、良いものが入っていますし、建物の省エネ性が進むことで、暖房装置そのものを減らすこともできるからです。

 

長くなりましたが、建物の省エネを考えるとき、やみくもにお金を投じても、それが良い結果になるかは分かりません。
まずは現状を把握し、どこを強化すべきか、お金を投じるべきか考えることが必要でしょう。

それにしても、こういう計算をしていると、建築や省エネって面白いなぁ と思います。寒い地域だと、効果が大きいためなおさら。

2009年は、省エネ住宅の大きな普及の始まりになるか

2008年12月26日

事務所の机の上に、年内最後となる、北海道住宅新聞が届いていました。

 

北海道住宅新聞 2008年12月25日号 その1面に書かれている、編集長のコラムに納得。
全文は、北海道住宅新聞のサイトに掲載されています。

今年、北海道では、木の城たいせつと、松本建工の破綻がありました。
このコラムでは、時代が求める高断熱・高気密の性能が、この2社を追い抜いたのかも知れないと書かれていますが、同感です。


木の城たいせつの断熱仕様は、専門的な目で見ると明らかに遅れていました。少し省エネ住宅を勉強した人であれば、選択肢には入らなかったでしょう。
木の城たいせつは、1階がRC、2~3階が木造の仕様を主力にしており、建築基準法の改正により、構造計算書の添付が痛手となったとも言われています。しかし、法改正関係なく、私から見ると、どう見ても混構造であり、設計者・施工者の判断として、構造計算はしておくべきだったと思います。

 

松本建工のFPパネルは、高断熱のウレタンパネルが主力でしたが、厚みは100mm程度。
しかし、最近の北海道では、200mm断熱の時代となっており、300mmを超える断熱厚の記事も、北海道住宅新聞ではよく目にします。

 

日経ホームビルダー 右の画像は、最も新しい号の、日経ホームビルダー。住宅・建築系の専門誌です。

 

2009年 4月に改正される、次世代省エネルギー基準が載っています。その前のページでは、無暖房住宅と、Q1.0住宅の比較も。


これまでこの専門誌では、あまり省エネに関する記事は取り上げられていなかったように思いますが、最近は断熱に関する記事が増えてきているように思います。時代の流れでしょうか。


改正次世代省エネでは、建物の断熱性だけでなく、冷暖房設備、給湯、照明、太陽光発電、太陽熱温水器などが総合的に評価される見込みです。

私は、4年間の12月に、「バターを斧で切ってはいけない。太陽熱温水器は使える商品。太陽光発電より高効率」という記事を書いていますが、太陽熱温水器はその費用対効果、CO2削減効果の高さから、再評価される時代になると思います。

 

北海道シェアNo.1サッシ、いよいよ本州上陸 日経ホームビルダーの中で気になったのが、右の広告。
北海道で販売されてきた、トステムのオール樹脂サッシが、本州に上陸するというもの。


トステムは、これまでよりも枠が細い樹脂サッシを北海道で今月から発売しています。トステムは、オール樹脂サッシの時代へ、着々と準備しているようです。

 

これまでのご依頼の物件で、私はオール樹脂サッシをお勧めしたり、採用したりすることが多々ありましたが、その度に設計・建設業者からは「オーバースペック」というような目で見られてきました。

 

しかし、樹脂サッシ普及促進委員会のページにあるように、世界の流れはずっと前から樹脂サッシや、木製サッシ。
アルミサッシが主流となっている日本だけが特殊なのです。

 

この海外のサッシの状況や、日本と海外との省エネ基準との比較を理解していれば、今後の日本の建物の省エネ化、それに伴うサッシの樹脂化への流れは、当然でしょう。

 

今年の春にお引渡しが終わった、RC外断熱の物件では、オール樹脂サッシが採用され、断熱材の厚みも十分。
設計の段階から、私は現行の次世代省エネ基準を大きく上回る性能でアドバイスしていましたので、来年 4月に省エネ基準の改正があったとしても十分クリアできます。


現在、外断熱賃貸マンションのご相談を頂いていますが、こちらも将来の基準改正に耐えられるよう、省エネ性を高める予定です。
(既に、ご相談前よりも性能が上がっています。なぜかコストはダウン)

 

長くなりましたが、来年から、建物の省エネがこれまで以上に重視される時代になるのではないかと思っています。
省エネに関する新商品、新工法の情報は、しっかりとチェックしていかなくてはいけませんね。

建物の省エネは、ハイテクではなくローテクで。鎌倉市における日本初のパッシブハウス

2009年07月20日

北海道住宅新聞 2009年7月15日号 パッシブハウス 7月15日号の北海道住宅新聞で、神奈川県鎌倉市で建設されている、日本初のパッシブハウスが取り上げられています。

 

この物件は、日本国内で初めてドイツ基準をクリアした、本物のパッシブハウスとなる予定です。

 

壁の断熱材の厚みは、240mm。
充填断熱+外張り断熱(付加断熱)の併用。
サッシは木製サッシで、内部には断熱材入り。建物がこの位の性能になると、オール樹脂サッシでも性能が足りません。

 


建物の熱損失係数Q値は0.7W/m2
隙間相当面積C値は、0.02cm2/m2と、「1桁間違っているんじゃないのか?」というほどの高い性能です。

 

設計は、女性の建築家・森みわさん。
ドイツとアイルランドに10年間滞在し、現地の設計にも詳しいようです。突如として現れた、世界標準を知った、省エネ住宅の新星という印象です。
書籍『世界基準の「いい家」を建てる』も最近出されたので、すぐに買って読んでみましたが面白かったです。
(書籍の感想の詳細についていつか)

 

前置きが長くなりましたが、私が全くその通りだと思ったのが、北海道住宅新聞の「編集長の目」というコーナー。
今回のこのパッシブハウスに関して、以下のように書かれています。

北海道住宅新聞 2009年07月15日号からhttp://www.iesu.co.jp/article/2009/07/20090715-1.html


  日本の次世代省エネ基準を筆頭とする省エネ住宅は、Q値などを規定していてもその結果暖冷房消費がどうなるかを明示しない。また温暖地域では、住宅の省エネを高効率給湯設備と太陽光発電などのアクティブ技術(ハイテク)だけで達成しようという考え方に流れつつある


 森さんはそれは違うと考えている。
EUでは暖房燃費を表示しなければ家の貸し借りすらできなくなっている。そして住宅省エネの基本は、断熱構造化(ローテク)であることを忘れてはいけないという主張だ。


全くその通り、と思いました。

 

日本のハウスメーカーの「エコ」住宅を見ると、太陽光発電や高効率給湯器、燃料電池などの採用ばかりが目立ち、建物そのものの高性能化が進んでいません。

 

ローテクにより、建物そのものの性能が上がってしまえば、関東では暖房装置そのものが要らなくなってしまいます。

 

以前、メルマガでも書きましたが、太陽光発電や高効率給湯器、エネファームなど燃料電池の採用は、建築の技術者は何も頑張っていないと思っています。

頑張ったのは、太陽光発電で言えばシャープ、サンヨー、京セラ、三菱電機など、電気業界の技術者。
建築の関係者は、「取り付けただけ」で、技術的なものは荷重の検討くらいでしょう。

 

断熱材を厚くするというのはローテクではありますが、細かく計算するのは大変です。
今回のこのパッシブハウスでも、ドイツの基準をクリアするため、また、建設費用を抑えるため、様々なシュミレーションをしたと書籍に書かれています。

 

冷暖房負荷の計算は当然ながら、近隣の住宅の条件による日射のシュミレーションも行なわれたようです。

 

これに対して現在、関東で一般的な住宅メーカーでは、エアコンの算定は単純に広さだけ。
あるいは「引渡し後にご自由に」という感じで、エアコンの機種選定を含めて居住者任せとなっており、冷暖房負荷の計算のかけらもありません。分譲住宅はほとんどこのケース。

 

今回のこのようなパッシブハウスの建築が行なわれることで、「ローテクによる」建物の省エネが進むことを期待します。

これからの一戸建て、耐震等級2以上、次世代省エネ基準適合は最低ライン

2009年09月21日

先々週から、雑誌の取材協力のため、ローコスト系の住宅メーカーについて、いろいろ調べていました。

 

そこで強く思ったことが1つ。

 

それは、これからの一戸建て住宅は、
「耐震等級2以上、次世代省エネ基準適合が最低ライン」
ということ。

 

今年 6月から、長期優良住宅の制度が始まりました。
長期優良住宅に適合するためには技術基準があり、その中に耐震等級 2以上、次世代省エネ基準適合というルールがあります。

 

長期優良住宅に適合するため、ローコストと呼ばれる住宅メーカーでも、これらの仕様を満たしています。

 

建物本体価格が、600万円に満たない超ローコスト住宅でも、耐震等級は3でした。(残念ながら次世代省エネ基準は満たしていませんが・・・。) 

無垢材や強い耐力壁、特殊な金物を使って部分的な耐力を上げたとしても、結果として耐震等級が低ければ、建物全体の耐震性も低いのです。
耐震等級は、施工業者の設計力や、建物全体の耐震性を比べるための良い目安です。

 

「長期優良住宅にするとコストアップになる」とも言われることがありますが、ローコスト系住宅では、実際の見積りでも 坪 40万円前半で長期優良住宅に適合した建物が完成します。
この単価で出来るのであれは、コストアップについて言い訳になりません。

 

  

一戸建て 工事現場 施工品質チェックの初回面談や打ち合わせでは、数年前から耐震等級と、次世代省エネ基準について満たすよう、ご依頼者にお願いしてきました。
大手ハウスメーカーの一戸建てであれば、耐震等級 3、次世代省エネ基準適合は普通ですので、特に高いハードルだとは思いません。

 

長期優良住宅は、建物性能の底上げのため、良い制度だと思います。

大きすぎるエアコンは非効率

2009年12月04日

建物の省エネルギーを進めていくと、個別エアコンを各部屋に配置した場合、「エアコンの能力が大きすぎる」という問題に、必ずぶつかります。

 

建物の保温性を高めていくと、エアコンのカタログ値に書かれている面積の、2~3倍程度は、簡単に冷暖房できてしまうからです。

 

例えば一般市販のエアコンで最も小さな能力のものは、2.2kWという能力のものです。ちなみにこのエアコンの定格は通常、冷房能力で決まることが多く、暖房能力はこれを超えます。
そのため、2.2kWのエアコンでも、暖房能力は2.5kW程度出ます。

 

省エネに詳しい建築関係者が、できる限り建物や部屋の負荷に応じた小さなエアコンを選びたいのに対し、家電量販店などの販売員は、できる限り能力の大きなものを売りたがります。

建物そのものの省エネに詳しくないこともありますが、大きなものを売った方がクレームは少なく、利益も上がるからです。

 

しかし、冷暖房負荷に対して大きすぎるエアコンは、稼働率が下がり、効率の面で不利になります。

 

独立行政法人 建築研究所
住宅にかかわる省エネルギー手法の可能性
環境研究グループ  上席研究員  桑沢  保夫
http://www.kenken.go.jp/japanese/research/lecture/h19/panel/1.pdf


一部抜粋します。
同じ能力のエアコンを、居間と寝室に設置して、効率を比較した実験に関するものです。

 

居間で測定した結果は、カタログ性能程度と見ることが出来るが、寝室で測定した結果は、平均的にはカタログ性能の半分も出ていないと言うことがわかった。
これは、エアコンの性能が、外気温だけではなくて、そのときの負荷にも影響されているためである。
寝室は居間に比べて面積も小さく、また使用時間帯は外気温の低い夜間が多いため、冷房負荷が小さかったのに対して、設置されたエアコンの能力が大き過ぎたために、その能力を十分に発揮できるような領域ではなくて、より小さい負荷で動く時間が長くなり、結果的に低い効率しか出せなかったのである。

上記PDFファイル 9ページ目

 

この資料には、この他にも技術者としての本音がズバズバ書いてあり、個人的に読んでいても面白いです。

 

従来の(ヒートポンプ式でない)電気温水器について

ちなみに、ノルウェーなどのように水力発電等の比率が高くこの係数が非常に小さい国であればともかく、我が国において電気温水器を使用してしまうと、それだけで通常の家庭で消費する一次エネルギーすべて、もしくはそれ以上に相当する量を使ってしまうことになるため、省エネルギーおよび二酸化炭素排出量削減の面からは、最悪の選択肢である。

上記PDFファイル 5ページ目


電気式の床暖房について

なお、電気ヒータで水を直接加熱して床暖パネルに流すタイプもあるが、これも電気温水器と同様、二酸化炭素排出量削減および省エネルギーの面からは論外である。

上記PDFファイル 10ページ目

 

全く同感です。


「一次エネルギー」という評価で考えると、深夜電力を使った従来型の電気温水器、電気直焚きの蓄熱暖房、電気をそのまま熱に変える床暖房や、電気ヒーター(ハロゲンヒーター)というのは、絶対的に不利です。

 

私はこれからの時代、

「熱は作るものではなく、移動させるもの」

だと考えています。

従来型の電気温水器、電気直焚きの蓄熱暖房、電気ヒーターはいずれも熱を作るもの。
省エネルギー性に優れたものは、エコキュート、エアコンのように熱を移動させる装置です。

 

話がずれましたが、エアコンの選定は適切に。

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