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建物調査(インスペクション)で入った高温の小屋裏

2004年06月17日

昨日は、土屋さんに同行して、建物調査(インスペクション)に。
物件に足を踏み入れると、「おやっ?」と感じる床の傾き。体感で分かる程、床が傾いていました。

床下にもぐってみると、断熱材の施工は無し。床下に加え、2階の天井裏、屋根ともに断熱材は入っていませんでした。昭和初期の物件ならまだしも、今回調査の物件は、平成初期のものです。

屋根裏部屋(小屋裏部分)に入ってみると、中はまるでサウナ。
外気温は25℃でしたが、屋根裏部屋の温度は36.2℃、湿度は60.7%。天気予報で聞く、不快指数で示すと、不快指数は89。「暑くてたまらない」という判定になります。

パッとこの数値を見た場合、「湿度 60.7%なら大した事は無いんじゃないの?」と思う方もみえるかも知れません。
しかし、この温度 36.2℃、湿度60.7%の空気が 28℃まで下がった場合、湿度は94.4%にもなります。湿度は、温度によって大きく違ってくるのです。
いずれにせよ、この環境では小屋裏部屋に置く事が出来る物はかなり限られてしまいます。

様々な問題が見られた建物チェックは終了。
いろいろ考えさせられる物件でした。当初から、建物を長持ちさせようとは考えていない設計、数々の問題があるにも関わらず問題が無いとして売ろうとする仲介業者。このような状況では、ユーザーや業界のみならず、日本そのものにとっても不利益です。

学生時代に恩師が、

「生きるために必要なのは、衣食住と言われるが、衣と食に関しては学校では教えても、住に関してはほとんど教えない。日本の住宅を変える為には、まず住に関する消費者への教育・情報発信が必要だ」

と言っていたのを思い出しました。さくら事務所の理念とも似ています。私も、この場で住まいに関する様々な情報を提供出来るよう、頑張りたいと思います。

給気口のスリーブが無いのが標準仕様?フィンランド・ヘルシンキの日の出、日の入り

2004年07月03日

あれれ?今日は、午前、午後それぞれ1件ずつ三上さんと内覧会へ。
右の写真は、2件目の内覧会で、24時間換気の給気口を外したところの写真です。
スリーブが壁の中に入っておらず、壁が見えています。



上の写真を、横から見たイメージ図です。
スリーブ忘れコンクリートと仕上げ壁の間にスリーブが入っていないので、このままでは新鮮空気がスムーズに室内に入ってきません。冬季には、仕上げ壁の裏側で結露が生じる可能性もあります。

内覧会のチェックに同行されていた施工業者さんに確認を求めると、

「うちの標準仕様です。」


なんて言われちゃいました。いやいや、それはないでしょ。
結局、施工業者さんの勘違いだったのですが、給気口のカバーを外さないと分からない部分だけに、注意が必要ですね。エアコン用の穴も同様です

ヘルシンキ大聖堂今日の1枚(もう上に写真載せてますが・・・)は、フィンランド の首都ヘルシンキにある、ヘルシンキ大聖堂。今から150年以上前の1852年に完成しました。少し高い位置にあるので、海からでもよく見えます。
隣にはヘルシンキ大学があります。ヘルシンキ大学は、1640年に創立された、非常に歴史のある大学で、Linuxを作ったLinus B. Torvalds氏がいた事でも知られています。

ちなみに、ヘルシンキ大聖堂の写真を撮ったのは、午後10時頃。私が行ったのは4月下旬ですが、日没が夜の9時頃なので、10時頃にならないと夜景が撮れないのです。

ヘルシンキの観光案内局にあったパンフレットに、日の出、日の入りの一覧が載っていたので、見やすいようにグラフにしてみました。

東京とヘルシンキの日の出、日の入り時刻の比較


7月だと、日の出が4時で、日没が夜の11時頃。1日が長いですね。でも逆に1月は、9時過ぎにようやく日が昇って、4時前には沈んでしまいます。通勤・通学の時は行きも帰りも外は暗いのでしょうね。
フィンランドだけではありませんが、北欧の人が長くて暗い冬を過ごすため、光にこだわり、デザイン性に優れた家具や商品を作り続ける理由が分かるような気がします。

やってはいけない、ありえない ~給気口を空けるために鉄筋切断~

2004年07月17日

問題のある給気口最近、換気がらみのネタが続いたので、今日も換気がらみのネタで。

右は、ある現場(鉄筋コンクリート造)で見かけた給気口部分です。
給気口の室内側のカバー(レジスター)を外して撮影したものです。右の写真には、大きな問題点があります。それは何でしょう?


外側から写した写真すぐに分かったアナタはスルドイ。

分からなかった方のために、外側のカバーを外し、外側から部屋側に向かって、同じ部分を写した写真を示します。

何となく分かってきたでしょうか?


鉄筋が切り取られています答えはこれ。
赤い部分にあったものが切り取られています。そう、鉄筋が切り取られているのです。
これは、やってはいけません!

建物にとって壁は、地震に耐える役割を果たします。鉄筋が切られていると、力を上手く伝える事が出来ず、地震の時に建物の被害が大きくなります。

コンクリートの壁などに給気口やエアコン用の穴を空ける時には普通、コンクリートを打つ前に、紙製のスリーブ(パイプ状のもの)を設置します。そして、コンクリートが固まった後に、そのスリーブを外し、目的の用途に使います。

今回のものは、コンクリートを打つ前に、スリーブを入れておらず、コンクリートが固まった後から専用の機械を使って穴を空けています。

止むを得ず、コンクリートを打った後に大きな穴を空ける時には、まず最初にレントゲンを行います。その後、レントゲンの結果を元にして、鉄筋を切断しない位置に穴を空けます。

今回の施工は、業者側の問題意識が低いとしか言えません。

北海道での建物調査のため、スーツケースがいっぱい

2004年07月24日

今日は、品質チェックの打ち合わせで埼玉に行った後、事務所に戻って建物調査(インスペクション)の報告。
報告が終わった頃には、11時を回っていました。遅くまでお疲れ様でした。

明日からは、北海道に建物調査(インスペクション)
スーツケースには、各種の計測機器に、ノートパソコン、図面に各種書類、デジタルカメラ、着替えなどが入っていて、既にいっぱい。

さっき重さを計ってみたら、スーツケースが20kg・・・。うーん、重い。
運動不足の身には、少々移動が厳しそうです。帰ってきたらやせてるかも?

地場工務店が高性能住宅を進める、北海道。建物調査を終えて。

2004年07月27日

北海道での建物調査(インスペクション)より帰ってきました。涼しいと思っていた北海道でしたが、初日は 34℃を越えていました。でも、2日目以降は涼しかったです。

今回の依頼者は、本当によく勉強されていた方でした。あれだけ勉強されていれば、不動産での失敗はまず無いでしょう。
北海道という土地柄なのか、依頼者の方は断熱・気密にも詳しく、不勉強な業者さんだと、その分野に関しては会話が成立しないのでは無いでしょうか。

依頼者のお話で印象に残ったのが、北海道では、設計者ではなく地場の工務店の方々が積極的に高性能な住宅を進めているということ。お話を聞いていると、フムフムと納得出来ることがいくつもありました。

購入者が住まいについて勉強されると、必然的にそれに対応できる業者さんも勉強し、良い物を作ろうとします。やはり、日本の住まいの性能を上げるには、購入者に正しい知識を広める事が重要であると感じた、北海道での調査でした。

図面の向こうに見えるもの。建物調査(インスペクション)にて

2004年08月16日

今日は、大久保さんと、建物調査(インスペクション)の報告が2件。

建物チェックでは、設計図あるいは竣工図がある時は、それらをじっくり見ます。この、図面を見る仕事、なかなか面白いんです。

設計者の顔は直接図面からは見えませんが、じっくりと図面を見ていると、設計者の意図しようとしている事が見えてくる時があります。

「お!細かい事に気がきいてるねぇ~。」とか、
「この形状になっているのは法規が引っかかっているからか」とか、
「う~ん、これはどうだろう。設計者、本当はこのように配置したく無かったんだろうけど、仕方なくこの配置になっているな」とか、いろいろです。

このように、設計者の意図が図面から感じられた時には、近くに設計者がいるような感じがします。

ハウス(ホーム)インスペクター。

2004年08月21日

インスペクターとは、直訳すると検査者、監視員のこと。
ハウス(ホーム)インスペクターは、建物を建てている現場に行き、不具合がないかを確認する仕事で、一般的には第三者機関によるチェックを示す事が多いようです。インスペクション(建物調査)とも言います。

私が高校生の頃、この仕事をしている人をテレビで放送していました。なぜか顔にはモザイク入り。当時はまだそのような仕事は認知されておらず、施工側からのプレッシャーも強かったとの事。
「この仕事は、家族がいる人には薦められない」と言っていたのを覚えています。

欧米ではこのように、第三者がチェックする仕事が一般的です。アメリカでは(州によるとも思いますが)、不具合があった時に工事を止める法的な権限を持っている為、システム的に欠陥住宅が作られにくくなっているそうです。

さくら事務所では、戸建ての場合、品質チェックが、この仕事に該当します(広い意味では、全てのサービスが該当しますが)
ちなみに品質チェックでは、物件によっては現場監督より多い回数、現場に行っています。

私たちは、現場であら探しをするつもりはありませんし、設計図書以上の仕様や性能を求める事もありません。ただ、設計図通りに施工されているかをチェックしているだけです。

施工に自信がある業者さんは、我々を快く受け入れて下さいます。
「うちの基礎の施工は完璧ですからどうぞ見て下さい!」と言った業者さんの作った基礎は、確かに凄かった!精度もコンクリートの仕上がりもバッチリでした。

しかし問題は、間違った施工・知識が普通になっている業者さんが施工する現場。
このような現場で、業者さんを説得させて、施工を修正するのは大変骨が折れます。何も指摘事項がない現場と比べると、数倍疲れます。

工事中のミスや手抜きを未然に防止するには、第三者によるチェックは、欠かせないでしょう。住宅の場合、金額が大きいのでなおさらです。

トラブルの際には大変疲れますが、私はこの仕事が好きです。また、やりがいもあります。自分で言うのも何ですが、この仕事いいですよ。
次回の訪問時も、しっかりとチェックしてきます!

先日の建物調査(インスペクション)にて。見えないインターフォン

2004年10月01日

ピンポーン 先日の建物調査(インスペクション)で伺った物件にあった簡単なミス。

ピンポ~ン♪
「すいませーん、さくら事務所です」

と、ここまではよくある風景

 

顔が見えない!? はいはい、誰かな。
インターフォンで確認してみよう。

あ、あれ!?顔が見えない!

カメラの位置調整が上手くいっていない例ですね。でも、たまにあります。
カメラの位置を調整するだけで簡単に直りますが、チェックしなくてはいけないポイントですね。

再来週の日曜日に行われる一戸建てセミナーでは、一戸建ての様々なチェックポイントを、具体的な例を示してご説明する予定です。

内容も前回より大きく変更してありますので、これまで一戸建てセミナーに出席された方でも、参考になると思います。

まだ席に若干の余裕がありますので、お時間がある方はぜひどうぞ!

北海道へ日帰り建物調査(インスペクション)

2004年11月16日

朝4時起床。札幌日帰り調査の始まりです。

眠い目をこすりつつ羽田空港へ行き、朝一番の千歳行き飛行機に乗り込みます。
離陸後5分くらいで夢の中へ。機体がグラグラッ!と揺れて、「何だ!?」と思ったら、もう千歳空港でした。

JRに乗り換え、札幌市内へ。2駅くらい乗っていると、雪がちらつきはじめました。「ちらついている程度か」と安心していたら、電車が進むにつれて雪の量が増え地面は真っ白。
こりゃ寒そう!ということで、ダウンジャケットを着込みます。

窓の外に見える北海道の住宅を、一人フムフムと眺めている間に、札幌駅に到着。雪は降っていましたが、幸いにも地面に積もっていませんでした。

ファイバースコープカメラ 不動産屋さんの案内で現地へ。
調査のために持ち込んだ数々の機材の総額は、私のデジカメ一眼レフが100台くらい買えてしまうような額です。(出発の前日、神尾さんに「体は茅場町に戻ってこなくてもいいから、機材だけは返してね♪」という、優しい言葉をいただきました。)
サーモグラフィカメラ
午前中は、外の天気は雪が降ったり晴れたり。外壁部分は、晴れている間を狙っての調査です。暖房の入っていない室内の気温は6℃でしたが、外が寒かったため、それでも暖かく感じました。

調査をしているとあっという間に昼になり、おなかも減ってきました。
「昼食は札幌らしいものを・・・」と考えていましたが、歩いていける距離には、コンビニ2店とファミレスが1店。いずれも全国展開の店・・・。
高価な機材を置いて長時間離れる訳にもいかず、雪の中をコンビニまでダッシュ!

冷えた体を温めるため、温かい飲み物や肉まん、使い捨てカイロなどを買い込みます。楽しみにしていた昼食の時間は10分程度で終わり、午後の調査にかかります。

午後は、床下にもぐったり室内の精度を測ったり。見れるところを全て見終わった後、調査は終了。ちょうど調査が終わる頃に不動産屋さんがみえたので、調査終了後に他の物件も見せていただきました。

北海道の窓は、最近は樹脂サッシ+ペアガラスが普通。また、マンションは多くが内廊下になっているそうです。建物自体の性能は、勉強されている業者さんとそうでない業者さんで、かなり違うようです。
新築物件の中には、札幌において外壁がコンクリート打ちっぱなしというチャレンジャー的な物件もありました。外壁の凍害が気になります。内側に拭き付け程度の断熱だとしたら寒いでしょうね。

旧北海道道庁本館(赤レンガ) 不動産屋さんで、温かいお茶をいただき、体がかなり温まりました。ありがとうございました!

その後は、札幌で行ってみたかった旧北海道道庁本館へ。

以前の仕事で、特殊な形状のレンガを設計したのですが、その頃足繁く通ったレンガ屋の社長さんに、「札幌に行く時があったら必ず見て来い!」と言われた建物です。

建物を見に行くというより、レンガを見に行くという方が近いかも知れません。昔のレンガは、今よりも手間がかかっているので、密度が高くなっています。
先のレンガ屋さんは、東京駅の復元の調査にも参加されていましたが、今のレンガの作り方と当時のものは違うので、色を合わせるのが大変だとおっしゃっていたのを思い出しました。

札幌駅の近くで夕食を食べたあとは、大久保さんにお願いされた、じゃがポックルというものを探すも、どこに行っても売り切れ。かなり人気がある商品のようです。

調査は寒かったですが、個人的に色々と勉強になった、札幌日帰り旅行(?)でした。

常に進化。建物調査(インスペクション)でのチェック項目

2005年01月06日

夕方から、建物調査(インスペクション)で調べる項目について話し合い。

建物調査(インスペクション)に限らず、各種の調査報告は、常に進化し続けています。半年単位でなく、もっと細かいスパンで項目が追加されたり、細かくなっています。

今回の話し合いでは、建物の表面的な仕様については、バッサリと単純化。


その分、建物の本質的な部分のチェック項目を重点化。建物を数十年に渡って使うときに重要視される項目についてのウェイトを意図的に高くしました。

キッチンの仕様やメーカー、床面の仕上げのような表面的なものは、ローンが支払い終わる頃には寿命が来ていたり、交換の時期を迎えています。これら表面的なものは、比較的簡単に変えられます

しかし、建物の階高や、間口の大きさ、可変性の高さや窓、断熱の仕様は簡単には変えられません。現在のマンションは表面的な仕様は高くなっているものの、本質的な部分の仕様はまだまだ低いと言えます。

購入者の視点が変わり、建物の本質的な部分を重要視するようになれば、必ずこの部分の仕様は良くなります。


そのために購入者はマンションの選び方を勉強して、建物の本質的な部分にお金をかけている物件を見抜く目を養わなければなりません。


今月に開催されるマンションセミナーでは、本質を見抜く目を養う良い機会だと思います。ご都合のつく方は、ぜひご参加ください。

札幌日帰り、建物調査(インスペクション)の予定が猛吹雪で飛行機飛ばず

2005年02月23日

早朝の羽田空港 今日は建物調査(インスペクション)のため、早起きして北海道は札幌へ。

眠い目をこすりながらたどりついた、早朝の羽田空港はなかなかキレイです。
飛行機と電車の移動中に読むために本を1冊購入。

離陸後、本を数ページ読んだところで夢の中へ。寝ている途中にウーロン茶を頂いたことしか覚えていないまま、千歳空港に到着。

外の様子 現場に案内していただき、早速調査へ。

建物には囲いがしてあり、中で暖房を焚いていますが、室温はマイナス 1.8℃。吐く息は真っ白。
それでも、風が無いため、外より温かく感じます。

お昼には、寒さのために遠くへ出かけることもなく、目の前の喫茶店で野菜炒めランチを。北海道でなくても食べられるような・・・。

昼食後、調査再開。午後からは外回りのチェックです。
チェックを再開してすぐに、大きな問題を発見。
う~ん、これは。。。雪が降り込む足場の上で、一人、絶句。欠陥住宅になりかけ。

予定より時間がかかりましたが、調査は終了。外の雪はどんどん強くなっているようです。
「早めの飛行機で帰ろう」と思い、札幌駅に着くと、空港に向かう電車が30分以上の遅れ。嫌な予感がします。

空港に着くと、カウンターは長い行列。 電車に揺られること約30分。
予想は的中で、飛行機は大幅な遅延。欠航便も出ています。
それでも、早いのに乗ろうと、空席待ちをしていましたが、途中で東京行きは全便欠航が決定。

宿の情報を検索しようとバックからノートパソコンを開くも、PHSのカードが入っていません。携帯電話もバッテリー切れになっていまいました。

こうして、日帰りのはずが泊まりになったのでした。

翌朝の空港は見事な快晴!
昨日の雪がウソのよう。

滑走路もキレイに除雪され、飛行機は問題なく離陸していきます。
朝の千歳空港1 朝の千歳空港2

予定以上に長くなってしまった今回の調査。お疲れ様でした。

柱を取る無理なリフォームで床が傾く。構造を知らないリフォーム業者には要注意

2005年03月10日

以前、建物調査(インスペクション)でお伺いした、既存木造一戸建てでのお話。
築20年弱の建物でしたが、外観に大きな問題はなく、どちらかというと奇麗な物件でした。

既存一戸建ては図面が無いことも多々ある中、建築時の図面もしっかり残っています。これ、とても重要なポイント。

まず最初に間取りなどをつかむため、建物の中をぐるりと回ります。
「リビングとキッチンが広い空間だな~」などと思いながら1階を見て回り、2階へ。すると、歩いて分かる、床の傾き。

日常的に床の傾きや垂直を見ているため、(私でなくとも)さくら事務所の所員は、床の傾きに敏感です。これはかなり傾いています。

2階は廊下だけでなく、他の部屋も傾いていました。そのため、サッシなども上手く締まらなくなっています。

建物のチェック後、図面をよ~く見ていると、図面にかかれている1階リビングの柱と壁がありません!しかも、その壁は、本来筋交い(筋かい)が入っていた壁です。

どうやら調べてみると、リフォームの時に取ってしまったようです。
そのため、リビングとキッチンが広く感じたのですね。

しかし、1階と2階の間取りから考えると、構造的に取り払うのが厳しい箇所。構造に詳しくないリフォーム屋さんが工事したのでしょうね。

結局、その問題のあるリフォームのため、2階の床を正常にするためには多額の費用がかかることが分かりました。

テレビなどの影響で、最近リフォームが人気のようですが、構造的に無理の無いことを十分ご確認ください。


北海道での建物調査(インスペクション)。建物の内容に絶句

2005年03月18日

羽田空港 今日は北海道で建物の調査。
朝日が昇るのが以前よりも早くなっていて、5時前でも外は明るい。
たくさんの機材が入ったスーツケースをガラガラと引きながら、始発の電車に乗って羽田空港へ。
空港到着後、あまり時間がないので、早々に手荷物検査を受けて軽く朝食を。

本屋で本を選んでいたらあっという間に搭乗時刻に。
昨日もいつものように2時頃寝たので、とても眠い。毎度のごとく、離陸後すぐに熟睡。

札幌駅 新千歳空港に到着後、すぐに荷物を受け取り、足早にJRへ。
預けた荷物が出てくる時間にもよりますが、少し急ぐと急行電車に乗ることができます。
今回も前回と同じく、予定通りの電車に乗車。40分ほど乗ると札幌駅です。電車を降りると、約1ヵ月前に来たときよりも、寒くありません。(それでも、東京よりは当然寒いです)

ここからはタクシーに乗るつもりでいましたが、調査物件が地下鉄の駅から近かったので、スーツケースを引いて地下鉄に乗り込みます。

現地に到着。
早速建物の中に入ります。
物件に入ると・・・、しばし絶句。調査に時間がかかることがすぐに分かりました。まだ建築中ですが、既に欠陥住宅の兆しが。長い1日になりそうです。

不適切な土台の高さ調整 アンカーボルトのずれ 完全にずれたアンカーボルト
不適切な土台の高さ調整(軒天用の材料を使用) アンカーボルトのずれ 完全にずれたアンカーボルトは折り曲げて終わり
5cmも欠き込まれた土台 5cmも欠き込まれた土台 梁を貫通した配管
5cmも欠き込まれた土台 土台を欠き込んで配管 梁を貫通した配管
相欠きした両筋かい 許容範囲を超えた柱の傾き(1000分の5mm) 梁を貫通した配管
相欠きした両筋かい(強度が出ない) 許容範囲を超えた柱の傾き(1000分の5mm) コンクリートの施工不良

問題のある所は、100箇所以上。ここまで多いと、修繕はとても困難。
施工業者さんにいろいろと聞いてみると、罪の意識どころか、どこが悪いのかも分かっていない様子。

いちいち反論していても、自分が疲れるだけなので、情報収集を目的に聞き込み。

しかし、施工業者さんよりも困ったことが。
実はこの日に、役所の金物検査があり、OKが出ているのです。

上の写真のような問題のある箇所があるにも関わらず、なぜ通ってしまうのでしょう。はっきり言って、見ていないも同然です。役所が問題のある物件を認めているようなもの。呆れました。そんな検査なら、しない方がいい。

4時過ぎになり、調査は終了。
肉体的というより、精神的にかなり疲れました。

駅に戻って早めの夕食を取り、空港へ。

img20050318-13.jpg(3830 byte) 定刻通りに離陸した機内では、朝に買った本を読みました。
機長からアナウンス飛行機の中では飛行機に関する本を。
パイロットの方が書かれたエッセイ。中学の頃、飛行機の整備士(パイロットでない所が私らしい)になりたいと一時期本気に思っていた私は飛行機好き。といっても、飛行機の雑誌を読んでいたりする訳ではないのですが。

本の中にあった、「羽田と同じほぼ同じ規模のロンドン ヒースロー空港の年間発着回数は、羽田の約4倍」というのを見て、「日本の空港は効率悪いな~」と思ってしまった。

本が読み終わるころ、羽田に無事着陸。
その後、荷物を置くために事務所にもどり、終電で帰宅。

問題が多い物件の調査は、そうでないのと比べて本当に疲れます。何だか、エネルギーを吸い取られているような感じ。
お疲れさまでした。

北海道で建物調査(インスペクション)。帰りの駅のロッカーでトラブル

2005年04月14日

羽田空港。第2ターミナルにはまだ行った事がありません。 約1ヶ月ぶりの北海道です。
北海道は、今年3回目の出張。
今の北海道なら、花粉が少ないというのがうれしいところ。今回は前回より2本遅い便で出発です。
天気は快晴でとってもいい気持ち。
空港に着くと、前々回来たときに悩まされた雪は、雪はほとんどありませんでした。札幌駅に着いた後は、早めの昼食です。

その後は、すべり止めの砂利がたくさん残っている歩道を、重いスーツケースを引きながら現場に移動し、建物調査(インスペクション)

建物調査(インスペクション)は、2~3時間ほどで無事に終わり。氷点下でない調査は助かります。

札幌駅に戻り、重たいスーツケースを置くためにコインロッカーへ。
コインロッカーに着き、財布を見ると小銭がありません。このようなとき、コインロッカーに限らず、100円パーキングでも、近くにあるのが自動販売機。「ここで小銭を作ってください」と言わんばかりです。

しかし、バックの中にはお茶が2本もあるし・・・と思って周りを見渡すと、近くに1000円札が使える集中式のコインロッカーが!ナイス!

早速、400円を入れると、自動でロッカーが開きました。
「さーて、これで身軽になるぞ」 と思いながら、スーツケースを入れようとすると、ロッカーが小さくて入らない。
頑張ってみますが、どうやっても入りません。ノコギリでスーツケースを半分に切らないと無理です。

仕方なくそのままロッカーを閉め、お釣りの600円で別のロッカーへ。
えらく高いロッカー代になってしまいました。

赤レンガ庁舎 とぼとぼ ロッカーでのショックを背負いつつ、トボトボと赤レンガ庁舎へ。
去年行ったときには真っ暗でしたが、今回はまだ陽が沈んでいないので、じっくり見れます。
5時前だったので、中も見学できました。
赤レンガ庁舎の中 玄関を入ると、正面のアーチが綺麗。正面と両側にある階段のうち、長い右側の階段を使って上に上ると、何ともいえないキシミ音が。こんなところで歴史を感じてしまいます。
中にはいろいろな資料や展示物があり、いろいろ見ていたらすぐに時間が過ぎました。

離陸 その後は、近くをぶらぶらした後、空港へ。
予定より早い便に変更して飛行機に乗り込みます。
速度を増して飛行機の中で、流れていく光の束を見ていると、すぐに離陸。角度を増した飛行機は、どんどん高度を増していきます。

 

建築断熱の考え方という本や、パソコン雑誌、新聞を読んでいるとあっという間に東京上空。

お疲れ様でした。
お台場上空
お台場上空
フォントが気になる
妙に明朝なフォントが気になる

在来工法の金物の規定 建設省 告示1460号(N値計算)

2005年05月07日

2000年(平成10年)の建築基準法改正で、木造(在来工法・軸組工法)の金物は大幅に増えました。

これは、建設省(当時)告示1460号によるもので、金物の数の計算、または、建物の構造計算をしない場合、柱には何らかの金物が必ず付くほど増えました。また、この告示では、筋かいなどの配置についても定められています。

これは、阪神淡路大震災での教訓を元にしたもので、この改正前の建物と改正後の建物を比べると、改正後の建物の方が、地震のときに「ねばり」があります。

金物が現場に入るとき、2通りのケースがあります。
1つは、プレカット業者さんが木材と金物を一緒に送ってくるケース
もう1つは、プレカット材と金物が別々に搬入されるケースです。

プレカット材と金物が一緒に入ってくる場合には、プレカット業者さんが金物の数の計算(具体的には、N値計算といいます)をしているため、金物の数に問題は無いはずです。

木材と金物が別々に入ってくるケースで、施工者が基準法の改正を知らない場合には、金物の数と位置が法律を満たしていないケースが"まれ"にあります。建築確認における、金物のチェックも自治体によってその程度にばらつきがあり、金物を具体的に指示しなくても問題無いケースがあるためです。

このような場合、新築で建てるにもかかわらず、法律を満たしていない可能性もあります。
在来工法で建てる方は、金物について告示1460号を満たしているか、事前にご確認ください。


建物調査(インスペクション)で床下に入るための寝板

2005年06月05日

建物調査(インスペクション)では、入れる箇所には全て入っています。
点検口があれば、当然小屋裏も、床下も入ります。

最近の一戸建ての基礎は、べた基礎あるいは、布基礎でも底面がコンクリートで覆われていることが多いので入りやすいのですが、古い建物では土がそのまま出ているので、土埃だらけになります。

床下にコンクリートが敷いてあり、床下の高さがある程度ある時は、寝板に乗って進みます。
ちなみに、さくら事務所で使っている寝板は、私と大久保さんがホームセンターで作った、手作り品。

床下に入るときは、何か小動物でも出てこないかと、ちょっと緊張します。
別に小動物に襲われるわけではありませんが、暗くて狭くて逃げ場のないところですから、気分のいいものではないでしょう。

これまでに、白骨化したネズミやシロアリに食い荒らされた土台は見ましたが、それ以上のものはありません。

今後の調査でも、あまり変なものは出てきませんように・・・。

建物調査(インスペクション)の耐震診断

2005年07月04日

建物調査(インスペクション)のサービスの1つとして、耐震診断があります。

揺れる前 揺れた後
揺れる前 揺れた後

耐震診断の結果、大きな地震で壊れると診断された場合には、その建物の壊れ方も分かります。
このような場合でも、補強工事が適切に行われれば、耐震性能を上げることができます。

耐震診断を行うためには、
 ・筋かいの位置や太さ
 ・室内の壁や金物の仕様
 ・1階から2階までの高さ
など細かい情報が必要です。そのため、詳しい図面がないとできません。
室内の壁を剥がしても良いのであれば、図面が無くても良いのですが、さくら事務所では非破壊での調査を前提としているため、詳しい図面が必要なのです。

既存物件(中古物件)の場合には、図面がないことがよくあります。図面は、将来のリフォームにもとても重要なものですから、新築をご検討の方は、出来るだけ多くの図面をもらうのが良いでしょう。

建物調査の耐震診断

2005年07月08日

耐震診断のご依頼が増えています。

耐震診断のためには、詳細な建物の情報が必要だと、前回ここに書きました。
それらの情報が違うと、診断の結果も違ってきます。

そのため、建物のデータを入力する際は、十分に注意しながら入力しています。
さくら事務所では、リフォームの工事を行いませんし、業者さんの紹介や斡旋も致しません。そのため、データの入力の際も公平な立場で見られます。

意図的に診断結果が甘くすることや、逆に厳しい結果にすることもありません。
耐震診断はパソコンで行うので、計算は瞬時ですが、データ入力者の判断で結果を簡単に変えられます。
自分でデータを入力しながら、やはり第三者としての立場というのは必要だと思います。

軸組工法(在来工法)に関しては、2000年に法律が厳しくなっています。そのため、今から 6年前の1999年に建てられた物件であっても、現在の基準と照らし合わせると耐震性能が足りないこともあります。

中古物件を探されている方は、耐震のリフォームもセットで考えられた方が良いでしょう。

この辺りのお話は、7月23日(土)開催のセミナーでお伝えする予定です。
残りの座席も少なくなっているようです。お時間がある方はぜひどうぞ。

大丈夫? 基礎工事における目印のビニールテープ

2005年07月20日

先日、品質チェックの、コンクリート打設立会いに行ったときのこと。

基礎のコンクリートは、底面の平らな部分と、立ち上がり部分の2回に分けて流されることが一般的です。その日は、底面の平らな部分の工事でした。

高さ基準のビニールテープ 基礎の底面の打設において、コンクリートを流し込む高さの目安のため、右の写真のように鉄筋にビニールテープを巻くことがよくあります。

これは、あくまでも底面のコンクリートを流し込むときの目安ですから、底面のコンクリートを流し込んだ後は、全く必要ありません。
そこで、コンクリートを流し終わった後、基礎屋さんにビニールテープを剥がすようにお願いしました。この基礎屋さんは、50過ぎの方です。
すると・・・

ビニール、もういらないから取っちゃいましょうか
基礎屋 大丈夫だよ、別に。
大丈夫じゃないですよ。
コンクリートと鉄筋が密着しなくなりますから。
基礎屋 大丈夫だって。
今まで、検査でもそんなこと言う人は居なかったよ。

結局、聞き入れてもらえなかったので、私が全部取り外しました。

コンクリートと鉄筋は、密着している状態で、お互いの効果が高まります。一般的に基礎に使う鉄筋には、デコボコがありますが、これは表面積を増やして接着面積を増やすと同時に、鉄筋がコンクリートから抜けにくくするためです。

鉄筋にビニールが付いた状態では、コンクリートと鉄筋が密着しませんから、デメリットはありますが、メリットは何もありません。強いて言えば、基礎屋さんの仕事が省けるということです。でも、住まれる方には何も得なことはないですね。

一体、この基礎屋さんが何の根拠をもって「大丈夫」と言っているのか、さっぱり分かりません。

現場を見ていると、基礎工事において、鉄筋は何故入れるのか、また、なぜこの位置に入れるのか、理由と目的がしっかりと分かっていない業者さんがいるのは事実です。今回のことも、鉄筋を入れる目的が分かっていれば、放置していないでしょう。

最近、このように、不勉強な業者さんの施工を見ると、その職人さんの下で作業をされている、若い職人さんを可愛そうに思うようになりました。
間違った施工方法を目上の方から教わり、正しいと思って施工するようになるからです。
あまりにひどい施工の場合には、若い職人さんに「よそに行って修行した方がいいよ」と言いたくなってしまいます。(言えませんけど)
このような場合、誰かに指摘されるか、自分で勉強するまで、若い職人さんは間違いだと気がつきません。

「大手の基礎工事もやっている」と言っていた基礎屋さんでしたが、これまで作ってきた基礎コンクリートの中には、鉄筋がビニールテープが巻かれているままになっているんでしょうね・・・。
配筋作業には特に問題なかっただけに残念です。

修繕のタイミングを過ぎたままにすると、寿命が短く

2005年08月18日

今日は既存建物の、建物調査(インスペクション)へ。

ひび割れたコーキング 調査の対象物件の屋上に上がり、いろいろ調べてみると、隣に建っている建物に気になった部分が。

右の写真がその部分です。タイル張りの建物ですが、コーキング部分がひび割れて固くなっています。

最初はやわらかくて弾力性のあるコーキング(シーリング)も、紫外線などを受けると経年的に劣化してしまいます。

写真のような状態になったら、既に修繕が必要なタイミング。放置しておくと、建物内に雨水が入りやすくなり、建物の寿命を短くしてしまいます。

あなたのお住まいは大丈夫ですか?

より良い建物のために。北海道での建物調査。アンカーボルトの臨時講義も。

2005年08月23日

久しぶりに北海道は札幌へ、建物調査(インスペクション)。いつもとは違うターミナルから出発


札幌に着くと、涼しい!
寒い冬の時期の調査は大変でしたが、この季節はとっても快適です。


現場に行くと見覚えのある監督さんが。棟梁さんも見たことがある。
これなら、調査に入る前の説明も要らず、話もスムーズです。

早速調査開始!午前中は指摘事項もほとんど無く、順調順調。
これまで、北海道の調査では、昼食は時間がなくてはコンビニばかりでしたが、今回は定食屋さんで昼食を食べることができました。

午後に入っても大きな指摘事項はなし。
以前の他の現場での内覧会のときに、修繕を依頼した箇所があったのですが、本物件でどうするかを棟梁さんに聞いてみると・・・

大丈夫だよ!
それについては、前にみんなで話し合って、良い方法に統一したからよ!

とのこと。いいじゃないですか!Good!Good!

棟梁とお話していると、なぜか話はアンカーボルトの取り付け位置について。

現場にあったダンボールと、ペンを使ってプチセミナー(?)の始まり始まり。
内容は、アンカーボルトを取り付ける「意味と目的」について。
ちょうど近くに居た若い職人さんは、身を乗り出して話を聞いてくれました。

建築に限らず、何かの作業のとき、その「意味と目的」を知ることは大切だと思います。ここを押えておけば、応用が必要になったときも対処できます。


しかし、作業の手順だけを覚えている場合だと、そうはいきません。
「前はこうだったから」「いつもこうやっているから」で終わってしまいます。
「目的」と「手段」が逆になってもいけません。

調査の結果、大きな修繕が必要となる箇所はありませんでした。指摘事項はいずれも軽微なものばかり。
過去にあった指摘事項の内容を現場で共有し、良い方向に改善していこうという意識は、とても良いことだと思います。

また調査が入った場合には、現場監督さん、棟梁さん、今回のようによろしくお願い致します。

メンテナンスによる建物の寿命の違い

2005年09月07日

築20年ほどの既存物件(中古物件)の建物調査(インスペクション)

調査は、外壁部分、床下、1階、2階と続き、屋上に上がります。

調査物件の屋上は防水がしっかりしていました。メンテナンスのため、数年前に防水工事をやり直しているようです。

しかし、同年代に建てられた隣の物件は、家を建ててから、屋上のメンテナンスをほとんど行っていない様子でした。

メンテナンス済 屋上の防水が・・・。
調査物件:メンテナンス済 お隣:新築後、手入れ無し?

隣の物件における屋上の劣化具合は、かなり進んでいる様子。防水工事を行うとしても、多くの費用がかかることでしょう。

同時期に建てられた2つの建物。
メンテナンスによって建物の寿命が大きく変わることが実感できた調査でした。

秋でも、小屋裏の調査は暑い

2005年09月18日

既存一戸建ての、建物調査(インスペクション)へ。

今日の調査では、私は小屋裏(天井裏)+ 床下を担当。外は随分涼しくなってきて、秋を感じ始めていますが、小屋裏はこの時期でもかなり暑いです。

調査が終わるころには汗だく。この時期に小屋裏に入るとわかっているときには、水分+着替えが必須です。

調査の結果、小屋裏、床下ともに大きな問題はなし。メンテナンスがしっかり行われていたようで、築年数より傷みは少なく感じました。やはり、日頃のメンテナンスは大切です。


屋久島での建物調査(インスペクション)

2005年09月28日

今日は、南の島での建物調査。さっそく羽田から出発です。
滑走路に出ようとするも、「ただいま、滑走路が混んでおりまして、当機の前に10機が離陸待ちとなっており、離陸が30分遅れる見込みです」という旨のアナウンス。

乗り換えに間に合うのか?とヒヤヒヤしたものの、乗換えが出来る時間内で鹿児島空港に到着。
離陸すぐの場所で左を見ると、ノエビアの収納庫が見えました。
ノエビア アビエーションのものだと思いますが、この航空会社の株主はノエビア化粧品。ここの社長さんは飛行機好きで有名。(だからCMも空撮や飛行機が出てくるものが多いとか)

畳敷き 鹿児島空港で飛行機の乗り換え待ちをしていると、待合所には写真のような場所が。畳敷きの席です。

なんだかほのぼのとしてしまいます。写真を撮ったとき、この左側の場所では畳の上でおばあちゃんが横になっていました。

ボンバルディアQ400 乗り換えの時間となり、地上を歩いて飛行機に乗り換えます。飛行機はボンバルディア Q400カナダの会社が作った飛行機です。

小型機なので滑走距離も短く、すぐに離陸。上昇後、しばらくすると、機首がやや下を向いています。もう下降しているようで、あっという間に到着。

屋久島空港 着陸の際、かなり揺れたのでびっくりしてしまいましたが、トラブルではなかったようです。

到着したのは屋久島。天候はくもり。暑いという感じはなく、あたたかい気温です。
空港の出口ですぐにご依頼者と合流し、車で移動。

現場でのチェックまで、少し時間があるということで、松峰大橋と千尋の滝に連れて行ってもらいました。

松峰大橋の上より カヌーの練習中 千尋の滝
松峰大橋の上より。高さは75m。山は少し、もやがかかっていました。 橋の下ではカヌーの練習中。 千尋(せんぴろ)の滝。以前にファイト! 一発!のCMが撮影された場所とか。この日は水量がかなり多かったというお話でした。

松峰大橋の上で昼食を。見晴らしがいいから、気持ちいい!
空港では繋がっていた携帯電話は、空港から少し離れるとすぐに圏外になっていました。(FOMAは覚悟していましたが、MOVAでも同様でした。)

昼食の後、現場へ。
現場では、大工さん2人と、コーディネーターの方が1名みえました。
外に置かれた冷蔵庫 現場に入ると、外に置かれた冷蔵庫があるのが気になります。(濡れても大丈夫なのかな)

建物に入り、早速チェック開始です。
こちらには、こちらの家の作りかたがありますので、その部分については尊重しなくてはなりません。
ちなみに、軸組部分に使用されている木材は、全て防蟻材を加圧注入しているものです。シロアリにやられないようにするための対策ということでした。床下の高さも、1m以上あります。

チェックの結果、筋かい金物の取り付け方法に不備が。

正しい取付け方 正しい取り付け方。土台に金物が留まっています。
ほとんどは正しく取り付けられていました。
誤った取付け方 誤った取付け方。土台ではなく、床の下地となる根太にビスが留まっています。ビスも1本入っていません。

加圧注入材の入手の関係と、ビス穴が増えることの懸念から、問題の箇所の金物は無いものとし、外側から取り付ける筋かい金物を追加するようお願いしました。
その金物の型番を知るために、事務所に電話しようと考えますが、圏外なので繋がりません。
しかし、こちらではそのような金物入手には時間がかかるということで、東京で購入後、送ることに。

外の様子 その他にも細かい部分がありましたが、全て修正することで解決です。
チェックが終わったころには、周りも暗くなってきました。

大工道具を片付け始めた大工さんと話していると、この建築中の建物に、一回泊まったそうです。

コーディネーターの方によると、
「屋久島では、獣の魂が上棟後の建物に入らないように、上棟日には誰かがそこで泊って守る」
ということでした。

調査の前、「上棟式で地元の魂を入れました」ということを聞いていましたが、そういうことだったのですね。

チェック後は、物件近くの宿に移動。
夕食ではビールを1杯。省エネの私には、これで十分。

夕食後は、干潮の時間が近づくのを待って、平内海中温泉へ。

なぜ、干潮の時刻を待つのか?
なぜなら、その温泉は海岸近くにあり、満潮のときは海の中に入ってしまうからです。干潮の前後2時間しか入れない温泉なのです。

タオルなどを持ってその温泉に行くと、地元の人らしい人たちが何人かいました。真っ暗の中温泉に入ると、ときどき波しぶきが飛んできます。
最初は海水が混じって冷えていた温泉も、徐々にあたたかくなってきて、湯船でウトウト。

平内海中温泉から宿に戻ると、星空がよく見えます。

星空

こんなにたくさんの星空を見たのは久しぶり。
照明がなく、周りが真っ暗なのでとてもよく見えます。
星をゆっくり堪能した後は、いつもより早く就寝。おつかれさまでした。

屋久島での建物調査(インスペクション)2日目。弥生杉、紀元杉、白谷雲水峡

2005年09月29日

朝 いつもより早く起床。よく眠れました。
天候はくもりですが、宿のバルコニーから見る海の様子はとても気持ちいい。
朝はそんなに冷えることなく、夜と同様にあたたかなままでした。
朝食を終え、ご依頼者に白谷雲水峡をご案内していただくことに。「もののけ姫」の舞台になったとされる場所です。

この建物調査の直前に買い込んだ登山靴を履き、登山靴と同様、調査直前に買い込んだカメラ専用のリュックにカメラや三脚を入れて出発です。

車で登山口までたどり着くと、天候は雨。一ヶ月に35日雨が降ると言われる屋久島だから、雨が降っている方が自然なのかも知れません。
しかし、川の増水でルートが遮られ、目的地まで行くことができないことが分かりました。

そのため、川を渡らずに行ける、樹齢3000年の弥生杉を見にいくことに。
意外と登りがきつく、最初は大丈夫かな?と思いましたが、すぐに到着。うーん、確かに大きい(雨が多くてカメラを出せず)
高さが26mということは、9階建てくらいの建物の高さです。

弥生杉を後にし、川がどれほど増水しているのか、ルートを行けるだけ行ってみることに。
たどり着いた場所が下の写真。この場所に着いたとき、ちょうど雨がやんだので、すかさず撮影しました。

増水

滝 水は茶色く濁っており、水の勢いはかなりあります。
上の写真で右側にある白い看板が、正しいルートですが、ひざ上まで水があるので渡ることができません。
川下には、右のような滝があり、そこに落ちたら「痛い」程度では済みそうにありません。

雨で濡れた服を着替え、屋久島環境文化村センターへ。大きな映像での屋久島の説明や、各種展示物はとても分かりやすかった。

屋久島環境文化村センターの後は、同じく樹齢 3000年とされる紀元杉に。
標高は、弥生杉の倍近い、1,230m

紀元杉 ヤクサル ヤクサル
紀元杉。弥生杉より元気がいい 帰り道にいた、ヤクサル。体が小柄です。

紀元杉の後は空港へ。

空港に到着すると、飛行機の到着が遅れており、それに伴い出発が遅れるということ。 YS-11
飛行機遅延のためにミールクーポンをもらい、夕食をとっていると、ややうるさいプロペラ機が入ってきました。
「来る時に乗ってきた飛行機よりうるさいな」と思って見てみると、到着していたのは、YS-11
飛行機に詳しい人なら必ず知っている機種で、日本で最後の国産飛行機。国内では、来年を目処に全てが引退してしまうかも知れない機種です。

この日来ていたYS-11は、JA8717という登録番号で、製造されたのは 1969年。今年で36年目のヴィンテージ飛行機。

飛行機に詳しい人には人気のYS-11も、パイロットから見ると、あまり良い機種ではないようです。

機長になってからYS-11を何年か操縦することになったが、最初はあまりのパワーのなさに驚いた
そのうえコクピットの居住環境も寒すぎたり暑すぎたりとほんとうに最悪だった。飛行機マニアにいまでも人気が高いようだが、これはまったく理解できない。SLと同じような感覚なのだろうか。
機体自体はボーイング737とほとんど同じ大きさだ。ボーイング737は乗客を120人以上運べるのに、YS-11は60人ほどしか乗る事ができない。そういう意味でもいい飛行機とは思えず、かえってボーイングの設計のうまさが際立つほどだった。

それに日本製ということになっているが、部品はほとんどすべてが外国製だった。窓についているワイパーすらもアメリカ製だった。国産の部品というと、水平器とインターホンの受話器が東芝製というのを覚えているくらいだ。

YS-11はもう少し別なやりかたがあったんじゃないのかなと思う。もちろん製作にたずさわった人の苦労はわかるが、でき上がってみたら当時の水準からいってもホントにこれでいいの、という感じだった。クラウンに軽自動車のエンジンを乗せたような飛行機といったところだろうか。
パイロット仲間でも、YS-11に愛着のある人をほとんど知らないし、できれば避けたいと思っているのではないだろうか。
新潮社機長からアナウンス内田幹樹著より

YS-11に乗ると、アナウンスに使っているマイク代わりの受話器は黒電話の受話器そのもの。

屋久島に来る時に乗った Q400とYS-11を比べると、YS-11の方が乗っている時間が10分長くなっており、飛行速度が遅いことが分かります。

機内では、窓際からときどき聞こえる、ピシッ!ミシッ!という音がとても気になりました。頑丈とされる機体ですが、やはり少し怖い。

鹿児島では、乗り換え時間が短かったものの、問題なし。

島にいたのは30時間ほどでしたが、いろいろな経験ができて、とても密度の濃い時間でした。おつかれさまでした。

日本とフランスの中間?

2005年10月13日

神尾さん、水永さんと、最近お問い合わせがかなり増えている、建物調査(インスペクション)へ。

 

規模の大きな物件だったため、建物の外で休憩をしていると、1人の外国人の方が近づいてきました。どうやら、調査の専用機材に興味があるようです。


「何をしているの?」と聞かれたので、「建物のインスペクションです」と答えると、すぐに分かっていただけました。フランスの方でしたが、あちらでは建物の調査が一般的のようです。

 

技術系の翻訳をしているということで、日本語はペラペラ。大学では電子工学を専攻していたそうで、専門機材の中でもサーモグラフィカメラに興味津々。
神尾さんが実際にサーモグラフィの操作をすると、
「別に用は無いけど、これ欲しいです。」と一言。(その気持ち、よく分かります。)


その後、話はフランスの建物事情へ。
建物完成後に、面積を増やしたりなどの違反が見つかると建物を取り壊されるとか、レストランのような建物は、年に2回のインスペクションが行われるとか。

外壁についても聞いてみました。



「フランスでは、外壁の規制も厳しそうですね」

「厳しいですよ。色も素材も決まっていて、自由には決められません。」

「日本は緩いですよ。ほとんど決まりがありません」

「そうですね。外壁もバラバラだもんね。日本とフランスの中間くらいのルールだったらいいかもね」

と苦笑い。

これまで、ご依頼者の中にも外国の方はたくさんみえますが、海外の家づくりや街づくり、それに関するルールというものには興味があります。
身近に、海外の住まいについて詳しい方がいたら、日本との違いを聞いてみるのも面白いのではないでしょうか。

北海道・札幌での建物調査(インスペクション)

2005年10月19日

天候・曇り 建物調査(インスペクション)のため、今年6回目の北海道へ。先月は屋久島で今月は北海道。全国での建物調査です。

眠い目をこすりつつ空港に行き、離陸から着陸までは睡眠時間。飛行機は、定時より10分早く到着。


10月の北海道は既に寒く、到着時の外気温は3℃でした。防寒着を持ってきて本当に良かった。

 

荷物を受け取ったら、早速現場へ移動。
現場に着くと大工さん達と現場監督さんが休憩中。
現場監督さんは以前、内覧会の時に見たことあるぞ。
大工さん達や棟梁も見たことある。

 

しばらくすると、ご依頼者が現地に到着。
今日は一緒に構造部分の骨組みチェックです。

 

チェックを始めようとすると監督さんいわく、
「昨日、大工さん達と3人で、1時間かけてチェックしたから大丈夫だと思います」
とのこと。


構造部分はとても大切だから、複数の方でチェックされるというのはいいですね!

チェックをすると、確かにしっかりしている。現場だけでなく、設計上の配慮も。
配管を通すスペースについては、

「工事を始める前に設備屋さんと打ち合せして、図面には書かれていない箇所であっても、構造部分を傷めない箇所にパイプスペースを確保しました。」

ということだ。現場を見るとクローゼットの中など、目立たない位置にパイプスペースが。

 

「将来、配管を交換するときにも、パイプスペースはあった方がいいですよ。余分なところを壊さなくても済みますしね。」
と、監督さんがご依頼者に説明を。うんうん、確かにそうです!


アンカーボルトもしっかりと土台の真上に乗っているし、ちょっとアンカーボルトが短い箇所は、埋め込み式のものを使って適切に対処してあります。

チェックの結果、金物の取りつけ忘れや、少し位置がずれたホールダウン金物、筋かい金物のビスの締め忘れが見つかりました。
いずれも簡単なもので、棟梁は早速金物屋さんに電話。
2時頃には届くということですが、それまで時間があるので近所の蕎麦屋さんへ昼食に。

 

昼食を食べて戻ると、棟梁が近づいてきて一言。
「この近くに美味しいラーメン屋があるんだよ。知ってる?」
って、私、ここ初めてですから!


それに追い討ち(?)をかけるように、現場監督さんが、

「ラーメン屋からもう少し先に行くと、美味しいお寿司屋さんがありますよ。平日でも並んでるくらいの人気です。」

あいたたた。そういうのは、食べる前に教えていただかないと!次回来る時には覚えておこう。

撮影する姿が入っていますが・・・ しばらくすると金物が届き、修繕作業に立会いました。完成後に金物を追加するのは大変ですが、骨組みの段階なら修繕は簡単です。作業はすぐに終わり。


その後は、外壁の下地の確認や、屋根に上って屋根材の確認です。
北海道の屋根は平らになっていて、屋根の真ん中に雪解け水が流れるようになっていることが多いです。融けた水は、配管を通って外に流れていきます。

 

今回は骨組みの確認で、床を組み上げる前でした。
床の精度については、

「うちでも、レーザー買ったので、1000分の 3ミリ以下になるように仕上げます。これまでの物件では、3mの距離で 3mmくらいの精度に納めています」
ということ。


何だか対応が早い。来るたびに良くなってる。
(調査のためにこの会社の物件に一番最初に来て、大きな問題がいろいろ見つかった時には、正直どうしようかと思いましたが・・・。)


チェックの後半に、「現場で何回も会うね」と、棟梁。

「そうですね。たまには顔出さないと、棟梁、寂しがるかと思って」
と私。

「はっはっは」と笑う棟梁。

大工さんや現場監督さんも、やっぱり良い物作りたいですよね。今となっては、一番最初にあった厳しい指摘も良い物を作るために必要だったのかも(?)。
また、現場でお会いしたときは、よろしくお願いしますよ、棟梁!

修理中
笑顔で現場を後にして、駅でお寿司を食べた後に、空港へ。
お土産に、ジンギスカンキャラメルなどを買い、手荷物検査を受けて待合室へ。すると、帰りの飛行機の便が着陸時、エンジンに鳥を巻き込んだために出発が遅れるというアナウンス。

結局30分遅れで機内に乗り込むと次は、地震のために羽田空港が閉鎖していて、離陸が遅れるとの機内放送が。

昼間のチェックは良かったけど、帰りはトラブル続きで、結局1時間遅れて羽田に到着です。
おつかれさまでした。

欠陥住宅は、世代をまたげない

2005年10月20日

神奈川県で、既存一戸建ての建物調査(インスペクション)へ。
見た目は奇麗な物件。外壁が塗りなおしてある様子です。
家には、現在お住まいになられている老夫婦がみえます。

 

土台の高さ調整用の木端 間取りを確認した後、早速床下のチェックへ。
すると、早速おかしなものを・・・。

土台の高さ調整をするために、土台の下に木っ端が敷いてあります。
これでは、建物の重みがかかると、床が沈み込みやすくなります。年数が経つとなおさらです。

この段階で、床の精度が悪いことが予想されたので、ポケットに入れていたトランシーバーで、上にいる神尾さんにその旨を連絡。

 

不適切な施工 床下の全てを見るために、移動を続けると、他にもいろいろな問題が見つかりました。

床下全部を見て、最後にたどりついたのが右の写真の部分。

不具合が多くて、何から指摘していいのか分からないほどです。
コンクリートが壊されている箇所には、切られた鉄筋も見えました。これだけ大きくコンクリートを削っていたら、鉄筋が出てくるのは当然です。



排水の水勾配の取り方も、普通ではあり得ない方法です。勾配を取るために余ったパイプを敷いてあるのは見たことがありません。

 

壁の傾き 床下から上がって、神尾さんに精度を聞いてみると、1階も2階も良くない様子。
レーザーを当てると、レーザーの垂直の線と、壁の立ち上がり部分が大きくずれていることが分かります。



やはり予想通りでした。年数が経つと、さらに悪くなることは考えられますが、良い方向になることは、まず、ないでしょう。

 

当時、設計を行った会社も、施工を行った会社も今はありません。
ご依頼者はまだ引き返すことができるかも知れませんが、現在お住まいの老夫婦のことを考えるとやるせない気持ちになりました。

 

現在は一個人の持ち物であるこの建物も、広い意味では社会全体の資産。
今回の物件も、大きな問題が無ければご依頼者が新たに住み、老夫婦は希望しているシルバー施設に転居するという、社会の流れができたはず。
しかし、建築時のいい加減な工事のために、その流れが切れてしまいました。

 

当時工事をした人たちは、軽い気持ちだったのかも知れません。しかし今、この物件をしっかりと直そうと思ったら、多額の費用がかかります。
それは、工事のときに節約できたお金の、何倍、何十倍もの金額です。

 

家づくりは、手間もお金もかかるもの。
将来同じことが繰り返されないよう、少なくとも現在作っている建物においては、問題のないようにして欲しいと強く思いました。

赤外線サーモグラフィカメラで、筋かいを確認

2005年10月28日

朝一番で昨日行った品質チェックの現場に向かい、配筋修繕を確認した後、既存一戸建ての建物調査(インスペクション)へ。

建物に入ると早速小屋裏に入ります。天気が良かったために、この時期でも小屋裏は暑く、ずっと入っていると汗だくになります。

下の画像は、赤外線サーモグラフィカメラで撮影した画像。
見た目には何も分からない壁でも、赤外線サーモグラフィカメラで見ると、筋かいが入っているのが分かります。

実際の画像 サーモグラフィ画像
実際の画像 熱画像

赤外線サーモグラフィカメラは、室内外の温度差が大きいほどよく写ります。この日は天気が良かったので、しっかりと見えました。

 

ちなみに、さくら事務所が建物調査(インスペクション)で使う機材は、他にもたくさんあります。



コンセントボックスなどを開けるための工具や、トランシーバーなどの小物も合わせると、車の中が荷物でいっぱいになってしまうのが悩みでしょうか。
(特にファイバースコープカメラは、もう少し小さく・軽いといいのですが・・・)

目の錯覚!? 羽子板ボルトの緩み

2008年02月25日

神尾さんと、新築一戸建ての建物調査(インスペクション)へ。

床下を確認しようとしましたが、残念ながら点検口がありませんでした。
小屋裏点検口は・・・と、見てみましたが、こちらも無し。なかなか点検やメンテナンスが難しい物件のようです。
そのため、ユニットバスの点検口から小屋裏を見ることに。

小屋裏では、断熱材仕様が図面と違ったり、屋根の下地を留める釘の種類が細かったり、ユニットバスの形に合わせて垂木を削っていたりといろいろ問題が。
羽子板ボルトの緩みもありました。

神尾さんを通して、調査に立ち会って下さった売主さんに羽子板ボルトの緩みを伝えると、

「スプリングが入っているから、緩んでいるように見えるんでしょう」

と言われたとのこと。

そのとき、撮影した写真はこちら

羽子板ボルトの緩み。目の錯覚?

ちょっと離れた位置なので、確かに良く見えません。目の錯覚かも知れません(?)
しかし!、調査で使っているデジカメは、高画質で撮影していますので、拡大すると・・・

羽子板ボルトの緩み。緩んでます

やっぱり、緩んでます。どう見てもアウト!

ユニットバスの点検口から遠い場所ではなく、すぐ近くにも羽子板ボルトの緩みはありました。

羽子板ボルトの緩み。どう見ても・・・。

こちらもアウト!
この他にも、耐力壁の仕様の間違いが。構造用合板を張るべき箇所に、軒天用のボードが張ってありました。

いろいろと問題がありそうです。工事中のチェックがしっかり行なわれていたのか、不安になりました。

詳細な図面になるに伴い、減っていく耐力壁!?

2008年03月14日

先日お伺いした、ホームインスペクション(住宅診断・住宅検査・建物調査・建物診断)での出来事。

当日の現場チェックに先立ち、図面を確認していると、図面の段階でいろいろな間違いが。

構造の確認は、まず構造計算書から。
この物件は2階建ての木造住宅ですが、構造計算書がありました。そういえば最近、木造2階建てでも構造計算しているケースが増えています。

その構造計算書に書かれている、耐力壁の配置はこちら

構造計算書

この時点では、特に問題ありません。

図面中の数字の意味は、以下の通りです。
 2.0:シングルの筋かい(片筋かい)
 2.5:構造用合板 片面張り
 4.0:ダブルの筋かい(たすき掛けの筋かい)
 5.0:構造用合板両面張り

この構造計算書は、現場で見るということはほとんどありません。大工さんも見ません。現場では、これを平面図に転記して記載していきます。

平面図に転記された後の様子は次の画像。

平面図

この平面図では、耐力壁となっている箇所は青く塗られていましたが、上部にあるはずの 2.5倍の耐力壁(構造用合板 片面張り)が無くなっています。

実際の施工では、外側の構造用合板を張らないと、壁面に段差が出来てしまいますので、張ってあると思います。
しかし、耐力壁かそうでないかは、同じ材料であれば釘の間隔などで決まります。大工さんがこの平面図通り施工していれば、釘の間隔などが規定を満たしていない可能性もゼロではありません。

実際の工事では、平面図だけでは家は建ちません。
部材の位置や太さを示した図面が必要です。

今回のケースは、1階での内容ですので、1階の床面の部材が分かる土台伏図という図面を見てみると、以下のようになっていました。 

土台伏図

構造計算書・平面図ではダブルの筋かい(たすき掛けの筋かい)となっていた箇所が、土台伏図ではシングルの筋かい(片筋かい)に減ってしまっています。

最近は、筋かいを工場であらかじめ加工してくる(プレカット)ことが多くなっています。今回も土台伏図に筋かいが書いてあるということは、プレカットになっているのでしょう。 

ちなみに、調査(インスペクション)の結果は、土台伏図に書かれている筋かいの施工になっていました。
建築基準法に対する耐力の余裕度が、1.02と2%の誤差しか許されない物件でしたので、今回の施工では即アウト。
修繕工事になりますが、かなりの手間がかかりそう。

構造計算~平面図~伏図の一貫プログラムで図面を作成していれば、このようなミスは起きません。
しかし現状では、構造計算、平面図、伏図を書いているプログラムは別々のことがほとんど。
もう少し詳しく言うと、それぞれの図面・書類を作っている人が別々です。
伏図を含めた、プレカットの加工図は、海外で書いていることもあります。(平面図のデータを日本から海外に送り、人件費の安い国でプレカットの図面化して送り返してもらう)

転記ミスの無いよう、十分なチェックが必要ですね。

サーモグラフィカメラで断熱材の確認

2008年06月10日

千葉県市川市で、一戸建てのホームインスペクション
天気は快晴。物件前では、外構の工事が行なわれていました。

1階のお部屋を、普通に撮影するとこんな感じ。

住宅診断で、実際に見た様子

同じ場所を、サーモグラフィカメラで撮影すると・・・。
ん?床面に温度の違うところが。(画像の撮影日時が違うのは、設定をしていないからです)

建物調査でのサーモグラフィの結果

床下からこの場所を見てみると、断熱材が落下していました。
設備の工事の際に落ちてしまったのでしょうか?

建物診断で実際に床下を見た様子

寒い時期ではないのではありませんが、サーモグラフィカメラでもしっかりと分かりました。

物件の調査後、外構業者さんにいろいろ聞き込み。
私が売主側の関係者でないことが分かると、いろいろと教えてくれました。この辺りの聞き込みのノウハウ、昔よりずっと上手くなってるかも。

そんなに緊張しなくても・・・。

2008年06月17日

午前中に打ち合わせを1件終えた後、品質チェックの物件に、外壁の防水のチェックへ。

午前中の打ち合わせは予想よりも早く終わりました。そのため、現場にも予定より早めに到着。ちょうど、職人さんたちの食事が終わった頃でした。
現場では、足場の上で現場監督さんが2名作業中。

現場監督さんに挨拶し、「食事は済んだのですか?」とお聞きすると、「いや、まだです」との答え。

私が予定よりも早く到着してしまったのですから、

「食事を済ませてからのチェックにしましょう。食事が終わるまで待ってます」

と伝えました。しかし、「食事は後でいい」と言います。なぜなら、

「検査が終わるまで、食事がノドを通りません」

という理由だからだそうです。

そんなに緊張しなくても・・・。

こちらの現場、基礎工事の最初から見ています。
確かにそれぞれのチェックで指摘事項はあったものの、いずれも大きなものではなく、すぐに是正して頂いています。
施工も、現場の管理状況も、特に問題ないと思うのですが。

しかしながら、現場に一定の緊張感があるのは、良い建物を建てる上で必要なこともかも知れません。

防水のチェックも、大きな指摘はなし。
引き続きよろしくお願いします!

ホームインスペクション(建物調査)で見た、小屋裏でのトラブル

2008年06月26日

下の写真は、昨日行った、一戸建てのホームインスペクション(住宅診断)において、小屋裏で撮影したもの。物件は築20年の木造在来工法。

梁が回転してる

こういうパターンを見たのは初めて。
屋根を支える梁が、右側に回転しています。

 

本来はかからない、横方向の力が梁にかかっているのでしょう。
点検口の位置から、写真の場所まではたどり着けなかったので、残念ながら原因の完全特定は出来ませんでした。

 

地震などでさらに横方向の力が加わると、小屋束が外れてしまい、屋根が突然、ベコッ!と沈んでしまう可能性もあるでしょう。

 

購入希望者はリフォーム費用を見積もっているものの、この他に見つかった多くの指摘事項を直すためには、想定以上の費用がかかりそうです。

あおり止め金物(ハリケンタイ)の取り付けミス

下の写真は、「ホームインスペクション(住宅診断)で見た、小屋裏でのトラブル」で書いたものと同じ物件。
小屋裏から、屋根の軒先を見た様子です。

あおり止め金物(ハリケンタイ)の取り付けミス

中央に見える金物は、あおり止め金物や、ハリケンタイと呼ばれるもので、強風時に屋根が飛ばされないようにするためのものです。

 

良く見ると、金物にある下側の穴に、釘が1本しか入っていません。
写真では見えませんが、屋根垂木に留まっている、金物の上部も同じく1本のみの固定となっています。

 

なぜ、釘が1本しか入っていないのでしょうか。
これには、金物の取りつけ位置があります。

本来、この金物は次の図のように、屋外側に取り付けます。

あおり止め金物の正しい取り付け方
 

しかし、この物件では室内側になっていました。当然ながら、屋根の勾配だけ距離が長くなりますので、同じ金物では釘が打てないのです。

あおり止め金物の誤った使い方
 

 室内側から出来る、長さの長いあおり止め金物もありますが、今回のこの現場のものは、短いタイプですので、室内側からは留められません。

 

ちなみに、釘の種類も間違っており、本来使うものよりもずっと細いものが使われています。
この建物を建てた大工さん、今でも間違って施工していませんように・・・。

 

工事の施工を考えると、屋外側から取り付けた方が、ラクだと思うのですが!?

物件から分かる、工事当時の現場管理状況。住宅診断の現場から

2008年07月02日

先月のホームインスペクション(住宅診断)に関するエントリーの、
ホームインスペクション(住宅診断)で見た、小屋裏でのトラブル
あおり止め金物(ハリケンタイ)の取り付けミス
と同じ物件における、床下の写真です。

土台の継手が、床下換気穴の上部に来ている
 

これを見たとき、
「あぁ、工事が行なわれた20年前、現場の管理がしっかりと行き届いていなかったのだな」
と思いました。しかも、工事着工前の図面段階において。

 

それはナゼか?

 

土台の継手が、床下換気口の真上に来ているからです。
これでは、弱い継手部分を、アンカーボルトで補強することができません。

 

土台の図面(土台伏図)と、基礎の図面(基礎伏図)をしっかりと照合していれば、このようなミスは起きません。
このような施工になるのは、図面の段階でしっかりとチェックしていないからです。

 

前回のエントリーにおける指摘は工事途中のミスですが、このミスは設計段階によるもの。

工事の着工前に、基本的な整合性の確認を行って欲しいものです。

中古住宅。こんな基礎はおかしい。

2008年07月07日

先月のホームインスペクション(住宅診断)に関するエントリーの、
ホームインスペクション(住宅診断)で見た、小屋裏でのトラブル
あおり止め金物(ハリケンタイ)の取り付けミス
物件から分かる、工事当時の現場管理状況。住宅診断の現場から
と同じ物件における、床下の写真です。

壊された基礎コンクリート

施工がマズい物件というのは、ミスが各所で見つかるものです。

これは、一般の方が見ても、「おかしい!」と思うでしょう。
人が通る、人通口を作り忘れたのか、基礎が壊されています。

リフォーム工事の時に壊されたのか、新築工事中に壊されたのかは分かりませんが、現場がしっかりと管理されていなかったことは確かでしょう。

欠陥住宅を防ぐためには、工事中だけでなく、図面段階でのチェックが重要

2008年07月19日

今日は午後から、千葉県で品質チェックサービスにおける、工事着工前の打ち合わせ。
場所は、施工業者さんのモデルルーム。

打ち合わせの中で、完成していた図面をいろいろチェック。

 

筋かいや合板など、耐震上有効な耐力壁の量は 法規を十分満たしていました。しかし、より余裕度を増して安心感を高めるため、筋かいを4本追加することに。
ちなみに、筋かいを4本追加しても、材料費は実費で1本2,000円程度です。

その後、基礎伏図と1階床伏図を照合。
照合の結果、アンカーボルトの不足が5箇所あり、追加することに。

 

本物件では、お風呂を暖かくするため、浴室と洗面室を基礎断熱にしますが、基礎の形状が基礎断熱向きではなかったため、基礎の形状を変更。
それに合わせて、給水・給湯配管ルートを確保するためにスリーブを2箇所追加。 

 

いろいろ図面を見てみると、2階のトイレへの給水経路において、スリーブが必要だと分かったため、こちらも追加。スリーブを追加しておかないと、配管を通すために土台などを欠き込むことになっていたでしょう。

いろいろな指摘や修正、是正箇所はありましたが、今の段階であれば図面の修正で済みます。


問題のある施工を未然に防ぐため、最近ではこのような着工前の打ち合わせを重要視しています。


「確認申請が通った」としても、確認審査機関では、アンカーボルトの位置や本数などは見ませんし、配管の経路が適切かどうかも見ていません。同様に、その建物が「快適か」とか、「省エネか」などというのは、確認審査機関のチェックの対象外です。

 

品質チェックというサービスは、工事中の現場チェックだけではありません。工事が始まる前からのチェックも含んでいます。

サービスのご依頼を検討されている方はお早めに。

風で倒れてしまう建物? 壁量計算書のミス

2008年07月25日

ホームインスペクション (住宅診断・住宅検査・建物調査・建物診断)に関するエントリーです。

以前のエントリーで書いた、壁量に余裕の無い建売の木造住宅において、新たな問題が見つかってしまいました。

 

まずは物件についての簡単な説明ですが、上から見た形は、このような長細いものでした。

建物の形

今回の場合、X方向が長くなっています。


余談ですが、木造で方向を表記するとき、桁行・梁間と言う場合があります。昔の建物は、桁行・梁間が明確ですが、最近の木造住宅では梁の天端がフラットであり、上下を昔ほど考えないことや、正方形に近い建物の場合、桁行と梁間がよくわかりません。
「現場での混乱を防ぐため、XとYで表記すべきだ」というのは、私の知っている木造に詳しい構造設計者の言葉ですが、その通りだと思います。

 

話がずれました。

建物の構造を考えるとき、風と地震に対して、耐力壁を入れるということを以前のエントリーで書きました。
この物件の壁量計算書では、風に対して必要な耐力壁の量の根拠となる、見付面積(簡単に言うと、外壁の面積)は以下のようになっていました。

壁圧力に対する所要壁長

この計算自体は特に問題ありません。
建物が長いX方向の見付面積が大きくなっており、短辺のY方向の面積が小さくなっています。

問題はここから。
前回のエントリーにも貼った、壁量の算定画像です。

所要壁量に対する有効壁長の比率

これで分かった方は、建築の設計関係の方でしょうか。

数字が並んでいて分かりにくいかも知れませんが、中身を見てみます。
表の、1F(Y)のLdは、22.34。これは、建物に入っているY方向の耐力壁の長さが22.34mということです。
これに対し、1F(Y)のLnは、15.84。これは、Y方向において、風に耐えるために必要な壁の長さを示しています。

上の方に貼っている、「風圧力に対する所要壁量(Ln)」のうち、Y方向の1F部分を見てみると、同じ15.84という数字があります。
Y方向の耐力壁の量を検討するために、Y方向の見付面積・・・、ではマズいのです!

なぜなら、風に対しては、見付面積と直交する方向が、必要な耐力壁の量になるためです。図で示します。

風圧力の見付面積と、耐力壁の方向

このように、建物の長い方の面(X方向の見付面積)に、風が当たる場合、それに対抗するのは、Y方向の耐力壁となります。イラストでは、赤い筋かいで示しているのが、Y方向の耐力壁です。

 

外壁の見付面積を正しい方向に直して、壁量を計算しなおすと、このようになります。

壁量計算

赤字は、建築基準法を満たしていないことを示しています。
1階、2階ともに建築基準法を満たせなくなってしまいました。
このままでは、台風のような強風の際に、建物が倒れてしまうかもしれません。

 

物件は完成済み・・・。
建築基準法を満たすためには、耐力壁の量を1.5倍程度にしなければなりません。
室内の壁を剥がすなど、大規模な修繕が必要になると思います。耐力壁を強くすることにより、基礎コンクリートがらみの金物の追加が必要になるとやっかいです。

 

今回のケースは建売物件(分譲物件)ですが、ご依頼者が「壁量計算書」を入手したことで分かりました。
壁量計算書は、2階建て木造住宅で作成する必要があるものですが、現在のところ、「提出の義務がありません」
これは、4号特例と呼ばれる、特例のためです。

 

新築の建売物件を検討されている方は、契約・購入前に、最低限プレカット図や、壁量計算書をもらっておきましょう。ひょっとしたら、今回のように間違っていることがあるかも知れません。

構造計算書は良かったものの・・・。シンガポールの電子確認申請、自動法規チェックシステム CORNET

2008年10月05日

横浜へ、一戸建ての、ホームインスペクション(住宅診断・住宅検査・建物調査・建物診断)に。
現場の近くで、2年前に引渡しが終わっている、一戸建て品質チェックの物件があり、懐かしく思いました。

今回は、私を指名して頂きました。最近、指名の業務が多いような気がします。ありがとうございます。日程が合えば喜んで伺います。
(基本的に私の日程は、一戸建て品質チェックのサービスご依頼者優先なのです。)


物件は、混構造の3階建て。
確認申請書に添付されている構造計算書を軽くチェック。フムフム。
品確法で言うと、耐震等級2相当かな。


続いて基礎伏図と土台伏図を確認。


すると、アレッ?と思う箇所が。

それが次の写真。
構造計算書の、柱脚の引張り力のページはこのようになっていました。

構造計算書


これだけでは間違いが分かりません。
次に、基礎伏図。
基礎伏図
 
私はこれで、アララ・・・。と気が付きました。
次に、基礎の上に載る、土台伏図。
土台伏図
 

図面の不整合に気が付きましたでしょうか?

答えはこちら

構造計算書と、基礎伏図、土台伏図の不整合

構造計算書で、「15kN(約1.5トン)に耐える金物が必要ですよ」となっていますが、基礎伏図には、15kNに耐えるための、太さ16mmのアンカーボルトが指示されていません。

それに伴い、土台伏図でも、15kNの金物の代わりに、10kNの金物が指示されています。
これでは、構造計算書に沿っていませんので、計算通りの耐力は出ません。

 

ちなみに、この物件は、完了検査を受け、検査済証も取っています。
しかし、基礎伏図と土台伏図と、現場のチェックでは、気が付かないミスでしょう。
私も、その書類だけでの現場チェックだったら気が付いていないかもしれません。
構造計算書と、実際の施工図面を確認しないとわからない問題です。

是正の方法はいくつかありますが、今回のチェックで最も大きな指摘でした。

 

さて、このミスはなぜ起きたのでしょうか?
実はこのミス、パソコンのアプリケーションソフトの構成上、起きやすいものです。


構造計算は、専用のプログラムにて行います。
今回の場合、構造計算を行ったのは、KIZUKURIというソフトです。
非常にメジャーなソフトですが、筋かいの左右(地震力・風圧力の左右)を考えなかったりするところは、少し遅れているソフトです。


そして基礎伏図や土台伏図は、構造計算とは別のソフト(CAD)で行うのが普通です。
大抵は、フリーの、Jw_cadという2次元のソフトです。

現在、金型や自動車など、機械に関する業界では、有料の3次元 CADが多くなっていますが、建築業界では未だに2次元かつフリーのソフトが主流です。

 

3次元CADで建築の確認申請を受け付けるシンガポール政府と比べると、日本は遅れています。
シンガポールの確認申請は、6年前から3次元CADでデータ提出となり、24時間受付。
法規はコンピューターで自動チェックです。
シンガポールの自動法規チェックシステム CORNET[PDF]


確認審査機関の建築主事と向かい合って、人と人とのかけひきをしている日本より、ずっと進んでいます。
日本が、1人当たりのGDPでシンガポールに抜かれた理由が、確認申請1つでもわかるような気がします。

 

話がずれてしまいました。
とにかく、構造計算を行うプログラムと、図面化するためのプログラムが別々であることが多いため、そこには人が介入しなくてはならず、今回のようなミスが生じることがあるのです。

図面~構造計算~プレカットの指示までを一貫できる3次元CADが現在ありますので、そのようなCADを使えば、このような単純ミスは起きなかったでしょう。


建物の調査が終わった後、2年前に引渡しが終わった、品質チェックご依頼者の物件に立ち寄りました。
外での立ち話だけでしたが、「安心して住んでいます」という言葉が嬉しかったです。


オマケ
実は、基礎伏図と、土台伏図の間に、ホールダウン金物を除いた不整合がもう1箇所あります。どこでしょう?ヒントはアンカーボルト。

住宅の履歴と、住宅の設備にこだわった家の、設備寿命後

2009年02月01日

横浜で、スーさんと安彦さんと、中古物件の一戸建て建物調査へ。

 

オーダーフォームには、「換気システムが導入されているため、換気システムに詳しい方希望」とあったため、どんな物件なのかと思っていました。

 

物件は、築10年超。
ご依頼者が購入され、どこをメンテナンスしたら良いのか?というご依頼です。

 

床下は、高いところで80cm。これはとても立派。
基礎断熱にしており、土台も乾燥しています。(個人的には床断熱工法よりも基礎断熱工法に大きなメリットを感じています。)
床下には何やら大きな装置が。ムムム、換気装置はこれか。ちょっと難しそうなので後回し。

 

 床下には、基礎のひび割れがありました。
しかし、ここでおっ!と思ったのが、前の住人の方が記入していた、ひび割れの計測年月日。

ひび割れの端部に、計測年月日が書かれています。 

 

ひび割れだけでは、いつに入ったものなのか分かりませんが、これならバッチリ!

 10年以上前からひび割れは伸びていませんので、これは大丈夫。
床下には、床下の木材含水率や、湿度を記録したシールも貼ってありました。


ご依頼者の手元の資料には、建築中の写真もありました。
住宅の履歴が残っていると、調査も楽です。

 

次に小屋裏。
2階にある換気装置のスイッチを入れると、小屋裏からウィーンという音がします。


小屋裏には、「これか、換気装置は」という、とても大掛かりな換気装置。
150mmと50mmのダクトが、小屋裏の7割以上を占めている印象です。
最近の一戸建てに入っている全館空調よりも大掛かり。

 

 換気装置には、熱交換器がいくつか。
いずれも、合板で箱を作ったお手製。合板の固定はビス。

 

熱交換器の手前には、予備のフィルターもあります。紙製のフィルタであることから、全熱交換です。このフィルター、1つ3~4万円ほどするということ。


しかし、数十本のビスを外さないと交換できません。
このような熱交換器が複数あるので、メンテナンスの手間もコストも大変そうです。

 

換気装置の奥を見てみると、合板に囲まれたエアコンが!
これで、全館空調するつもりだったのでしょうか。
でも、残念ながら、物件の面積と性能に対してエアコンの能力が小さすぎます。

 

調査を進めていくにつれて、前の所有者の住まいへのこだわりがわかります。
家には、温度計測用の配線が30箇所近く配置されていました。データを集めていたのかも知れません。

 

しかし、「この家は温かくならない」と悩んでいた感じが伝わってきます。

 

シングルガラスを強化するための、二重サッシ。
自分で貼ったと思われる、基礎部分の断熱材。
追加されたエアコンなどです。

 

この物件の熱交換が入った換気システムが上手くいかない理由は、工事中に撮影された写真から分かりました。

そもそも、建物の断熱性能が十分ではなかったのです。

 

建物の省エネ化には換気装置に熱交換を入れるのが重要だと思っている方が多い思いますが、私の中では重要度は下。
サッシ、壁、天井、床などに予算を重点配分して、余った場合に入れる程度で良いと思っています。

 

面倒な話は省きますが、そもそも建物の気密性能が出ていないと、熱交換装置は有効に働きません。
熱交換装置が有効なのは、給気口から入ってきた空気のみ」という本質的な部分です。

 

そのため、C値が5cm2/m2とか、2cm2/m2程度の気密性能では、まだまだ熱交換装置は有効に働きません。ほとんどの空気は、熱交換器を通らずに室内を出入りしているからです。

 

こちらの物件では、壁の断熱は外張り断熱ですが、厚みはわずか25mmのポリスチレンフォームで、性能の高い3種ではなく1種でした。

サッシは、アルミサッシ+シングルガラス。Q値(熱損失係数)は、4を超えていると思います。

 

結果として、熱の逃げる量は、換気によるものよりも、壁やサッシからの方が圧倒的に多く、換気装置にたくさん熱交換を入れても効かなかったのです。

この物件の換気による熱損失は、建物全体の2割にも満たないでしょう。 

 

新築当時、このお手製換気装置には300万以上はかかっていたと思います。。
現在、山武やダイキンのメーカー製全館空調を入れたとしても、こんなにかかりません。

 

新築当時、換気装置に使った費用を、サッシや壁などの断熱材に使っていてくれたら・・・。

 

 問題は調査の後。
まずは使っていない配管やエアコンを小屋裏から撤去。

 

換気装置も単純化できるので、交換したら小屋裏はずっとシンプルに。
 

 

しかし、今ある換気ダクトの、どれが不要でどれが必要なのか、見極めるだけでも大変そうです。

また、うるさいのが来やがった

2009年02月26日

午前中は、都内のツーバイフォーの物件に、新築一戸建ての内覧会(竣工検査)立会いへ。

 ご依頼者とは、着工前に何度かご相談頂いています。その段階で間取りの変更も行い、今の形に近くなっています。

 

現場には、ご依頼者の他、現場監督さんと設計者の方。
外部では駐車場部分の工事が行なわれています。

 

浴室が2階にあるため、1階の点検口から浴室の配管付近を見てみると、石こうボードが壁面に張り上げてない?天井部分で止まっています。
ここは都内の準防火地域。設計図を見ると、耐力壁になっている部分なので、耐火と耐力、どちらの面でもNG。

クロスや天井を剥がして、この部分の石こうボードはやり直しです。

 

廊下ではコンセントがクロスで隠れたままになっている箇所も。
「この間、さくらさんのどなたかの日記に書かれていたケースですね」とご依頼者。よくご存知で。
配線は来ていたので、コンセントプレートを取り付ければOK。

その他では、火災報知器の位置が壁から近すぎるなどの指摘がありました。

 

現場を後にして、南に移動。
工事中の、一戸建て品質チェックの現場に向かいます。

 

現場は、土台敷きの段階。
作業している大工さんをふと見ると、以前の現場でお会いしたことのある、面白い大工さんです。

 

あっ!と思うとあちらも気が付いたようで、顔がニタ~~ っと。

 

そして、「また、うるさいのが来やがった」と、笑いながら言いました。

 

「寂しがるといけないので、たまには見ておかないと」

 と反論(?)

「寂しくなんかねぇよ」

と大工さん。
この辺りの掛け合いは慣れたもの?

 

2年前にお会いした時に56歳だったこの大工さん。再来年還暦ですか。
一番下のお子さんは当時6歳だったので、今はまだ8歳。

この大工さんが2年前に悩まれていた、子供部屋の件。次回行ったときに聞いてみたいと思います。

いろいろ面白いことを言ってくる大工さんですが、以前の現場でも工事には問題なかったので、頼りにしてます!

知らない間に仕様がアップ。エアコンスリーブ、ペアガラス、連続型基礎パッキンなど

2009年03月01日

午後から、都内の西側で、分譲住宅の新築一戸建て内覧会立会い(竣工検査立ち会い)に。

 

こちらの施工+売主の業者さんは久しぶり。

 

エアコンスリーブ 建物に入って、すぐに気が付いたのが、エアコンのスリーブ。
あっ!エアコンのスリーブが最初から空けてある!
ということです。

 

私のこのブログには、エアコンスリーブというキーワードでたどり着く方が多くみえますが、防水性、断熱性、気密性を考えると、エアコンのスリーブは最初から空けておくのが理想。
(詳しくは、「エアコンスリーブの先行設置のススメ。気密性・断熱性能・防水性能を得るために。」をご覧下さい)

 

業者さんに聞くと、最近の物件からエアコンのスリーブをあらかじめ空けるようにしたのだとか。スリーブの直径は75mmでこちらも立派!

ダイキンの「うるるとさらら」など、換気機能付き、掃除機能付きのものは、スリーブを通る配管が普通のよりも多いので、65mmの穴では厳しく、75mm以上あるのが理想です。

 

サッシを見ると、サッシの仕様が上がっています。
前は、居室のみペアガラスで、脱衣室や階段はシングルガラスでしたが、今はオールペアガラス。こちらもナイス。

 

しかも1階は、防犯ガラス仕様です。
こちらも、最近仕様を上げたのだとか。

 

余談で、この物件とは関係ありませんが、ローコストで知られるタマホームは、全てLow-Eペアガラスです。何気に、仕様が高いのです。

 

床下を見ると、これまで飛び飛びだった基礎パッキンが、連続型のものに変わっています。これなら、入れ忘れの心配なし!
こちらも、最近仕様を変えたのだとか。ナイスです。
物件数が多くなると、こちらの方が現場管理は楽でしょう。

 

終盤に、石こうボードのビスの間隔を抜粋でチェック。
この物件、ツーバイフォーなので、ビスの間隔は重要。

 

磁石を使って調べてみると・・・、間隔が細かっ!
メジャーを当てなくても、ビスが十分細かく打たれていることがわかります。

 

数年前、こちらの業者さん施工による物件で、ビスの間隔が広いという指摘があり、かなり打ち増ししたことがあります。

 

現在では社内規定で、一般的に100mmの箇所は、75mmに、200mmの箇所は150mmに厳しくしているのだそうです。
なるほど、ビスが細かいはずです。

 

いろいろ見ていても、大きな指摘は無し。
火災警報器の位置が、壁から近い箇所がいくつかあるくらいです。

 

「仕様は上がったのですが、販売の坪単価は据え置きなのが厳しいところです」とおっしゃる業者さん。
確かにそれは分かりますが、このような仕様アップ、施工管理品質のアップは素晴らしいと思いますよ!

デザイン性を重視したので、耐火性を犠牲にしました。

2009年03月16日

先月、準防火地域に建つ、木造3階建ての中古住宅の建物調査(ホームインスペクション)を行ないました。
物件は、築7年目で場所は都内。

 

建物調査(ホームインスペクション)の結果、防火に必要な石こうボードの施工範囲が間違っているという指摘がありました。

 

これに対して、当時、設計と施工を行なった業者の回答が届きました。
そこには、

 

基本的に準耐火構造の仕様にて施工したが、検査済証を取得するよりも、快適性、デザイン性を重視するために、内装の一部に石膏ボードを使用しなかった部分があります。 

 

とありました。

 

検査済証なんて、知ったことじゃない、建物の耐火性よりも、デザインだ! という感じでしょうか。
デザイン性はともかく、石膏ボードを張らないことによって、快適性が重視できるというのは良く分かりませんが。

返答を書いた業者の方も、返答の内容に困ったと思いますが、ここまでキッパリ言われると少し驚きです。

 

驚いたのは、物件を所有する個人の売主さんも同じ。
実は、同じ業者で、新しい物件を建築中だとか。
どなたか、詳しい人に見てもらった方が良いかもしれません。

 

オマケ
ちなみに私は3年前、こちらの業者さんの工事現場をチェック(品質チェックサービス)したことがあります。

そのときの指摘は・・・?↓ http://www.sakurajimusyo.com/diary/ohshita/ost200602.shtml#20060202

筋かいが、全部逆向き!?

2009年07月05日

川崎市に、新築一戸建て内覧会立会い(竣工検査立ち会い)へ。
今回は、特殊機材オプションもお申し込み頂いています。

 

調査に一緒に行った、林さんは床下へ、大久保さんは建物精度の確認へ。
私は、特殊機材オプションとして、サーモグラフィカメラを使います。

 

筋交い、筋違いのサーモグラフィによる確認
 

 

温度差で、外壁や壁の中のトラブルが分かるサーモグラフィカメラ。
調査当日は曇りでしたが、意外と良く筋かいが見えます。

筋かいの方向は、図面の記号と同じ。

 

外壁はモルタル塗り。
矩計図(かなばかりず)には、通気胴縁と書かれていましたが、このサーモグラフィの結果を見ると、通気胴縁はありません。
通気胴縁があると、こんなにクッキリと筋かいは出ません。

 

施工業者さんに聞いてみると、やはり通気胴縁はなく、図面表記の間違いでした。

 

サーモグラフィでいろいろと見終わった後、工事の担当者と雑談。

筋かいの位置、図面通りでした
と伝えると、
大丈夫だと思いますよ、工事中見てますし
という答え。

やはり、筋かいの向きは分かりやすいよう、この図面のように直角三角形で書いてあると助かります。記号を見たままに、筋かいを入れるだけですものね。記号の短辺が柱を示していて、こちらが柱頭ですよね。

というような事を言うと、

あれ?記号の尖っている方が、柱頭なのですが・・・。凡例にもそうあります。

という答え。

 

すぐに図面を見直してみると、凡例では以下のように書かれていました。 

筋かいの一般的でない表記

 

あらら、そうすると、現場の施工は、設計図と比べて全て筋かいが逆向きということになってしまいます。

 

筋かいで一般的な表記は、この凡例とは逆。筋かいを正面から見て、見た目のまま記号にすることが多いと思います。

 

筋かいの向きが変わると、金物の強度も変わってしまいます。
現在の金物では、強度が不足する恐れがあるので、構造計算を再びお願いしました。

 

ちなみにこの物件で、片筋かいは約40本。
金物の補強で済むか、片筋かいを全て交換することになるのか。

いずれにしても工事に手間はかかりそうです。

性能が高くなっている分譲住宅

2009年08月09日

東京は三鷹市で、分譲住宅の新築一戸建て内覧会(竣工検査)立会いへ。

 

物件で、業者さんから詳細な図面を受け取り。
基礎伏せ図や、構造に関する図面など、いずれも見やすい。
良い現場には、良い図面が必要。

 

建築に関する一般書籍には、「現場かキレイか?」などがチェックポイントになっていることが多いですが、個人的には現場の清掃よりも、図面がどれだけ書けているかが重要だと思っています。

 

詳細な図面を見ると、関東周辺の分譲住宅としては、断熱に関する仕様が高い。
業者さんにお聞きすると、「今年4月から次世代省エネ基準に対応させました」ということ。
素晴らしいと思います。

 

正直なところ、聞いた事のない売主さんでしたが、個人的な評価は大幅にアップ。

 

建物のチェックの結果、全体的に仕上がりは良く、指摘は軽微なものばかり。

こんな業者さんが増えるといいですね。

鉄骨系住宅の配筋検査

2009年08月21日

午後からは急遽、一戸建ての配筋検査へ

 

配筋検査 この鉄骨系ハウスメーカーの配筋検査は久しぶり。

 

スリーブ周りの補強筋の入れ方が以前とは変わっていました。
前の仕様の方が補強筋を入れやすいような。

 

全体の配筋としては、相変わらず綺麗な仕事で、仕様もしっかりしています。
やっぱり鉄骨系メーカーの基礎の仕様や精度は、木造の基礎と比べると全然違います。

 

コンクリートの繋ぎ目が出ない1回打ちを標準にしていることからも、職人さん達のレベルの高さが分かります。

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