マンションでは多く利用されている、住宅性能表示制度。
大手売主であれば、ほとんどがこの制度を利用しています。
これに対して、一戸建てでは住宅性能表示制度の利用率は低く、新築の2割程度だとされます。
上記URLの中にある、住宅の属性を見てみると、一戸建ての工法のうち、56%はプレハブ工法。
プレハブ工法 = 大手ハウスメーカーですかので、住宅性能表示制度を利用している人の多くは、大手ハウスメーカーで建てた方だと言えるでしょう。
実際の現場でも、大手ハウスメーカーで住まいを建てられる方の方が、住宅性能表示制度を利用しています。
残念ながら、中小工務店・建設会社では、住宅性能表示制度そのものの存在をよく分かっていないことがよくあります。
特に差が出るのは、耐震性能の目安である、耐震等級でしょう。
現在、大手ハウスメーカーの施工であれば、一戸建ての耐震等級は、最高ランクである「耐震等級 3」が標準。
特に考えたり、設計段階で指導しなくても、耐震等級は 3です。
これに対して、中小工務店・建設会社では、耐震等級は 1がほとんど。
この差は大きいです。
中小工務店・建設会社のカタログやホームページを見ると、耐震面に
・ベタ基礎を採用、鉄筋の太さはオール13mm
・建物外周に、面材(構造用合板、ダイライト)を使用
・2階の床には、24mmの剛床を採用
などと、「部分的な」仕様について書かれていることは多いものの、耐震等級について書かれていることは少数ではないでしょうか。
しかし、住まいの性能アップは、自動車の性能アップと同じ。
個々の部品の性能が良くても、トータルが悪ければ、結果としては悪いのです。
住まいの耐震性については、個々の仕様ではなく、全体の耐震性を把握することが重要だと思います。
ここで、住宅性能表示制度を利用するための費用(20~30万円)を回収する方法について。
耐震等級 3を得ると、地震保険が 30%割引になります。
(耐震等級 1は、10%割引)
そのため、この割引差を考慮すると、長い目で見た場合にお得になることが多いです。30年程度のローンの場合、ローンを支払い終える前までに、元が取れることが多いのではないでしょうか。
(地震保険は、建てる地域によって保険料が異なりますので、保険金額が高い地域ほど有利です。)
地震保険の割引は、建物だけでなく家財にも適用されます。
地震で被害を受けたとき、建物に損傷を受けなくても、テレビや食器などが被害を受ける可能性がありますが、その費用についても耐震等級 3を住宅性能表示制度で得ておけば、割引になるということです。
詳細な金額などについては、設計段階で確認する必要があると思います。
ちなみに、さくら事務所の設計段階の打ち合わせでは、このような地震保険や火災保険についても、アドバイスしています。
建築時の初期費用だけでなく、ランニングコストにも注意が必要だということです。
ここで、地震保険の割引について思っていることをひとつ。
被害発生確率で考えると、震度 7の地震の揺れで倒壊する確率は、
等級 1の建物では 28%
等級 2の建物では 7.9%
等級 3の建物では 3.5%
だそうです。
参考:2008年 3月11日の私のブログ
http://t-ohshita.com/2008/20080311-2300.html
ちなみに、揺れを少し小さくして震度 6強の揺れで倒壊する確率は、
等級 1の建物では 1.300%
等級 2の建物では 0.110%(等級1の 12分の1)
等級 3の建物では 0.021%(等級1の 65分の1)
になります。
震度 7で比べると、耐震等級 1と耐震等級 3では、倒壊の確率は約 8分の 1。
これに対して、地震保険の割引は、10% と 30%で 3倍の違い。
保険料算出の難しい式や理屈は分かりませんが、耐震等級 3の割引率は、もっと高くても良いのでは!?