EU、住宅「CO2ゼロ」義務付け 2021年以降の新築、オフィスも
|
欧州連合(EU)は2021年以降に新築する住宅やオフィスビルなどについて原則として、二酸化炭素(CO2)を実質的に排出しない「エコ建築物」とするよう義務付ける規制を導入する。 |
日経で紹介された記事ですが、あまり話題になっていない印象があります。
しかしながら、記事の中身は衝撃的。
日本の住宅は省エネではとても遅れていますが、日本が現状のままだと、今後さらに遅れることが確定的になりました。
CO2をゼロにするためには、太陽光発電だけでは足りず、建物そのものの保温性、断熱性を高める必要があります。
日本の住宅の、最も新しい省エネ基準と、EUが数年のうちに義務化する省エネ基準では、3倍の性能差があります。
(もちろん、EU基準の方が厳しい)
はっきり言って、日本の基準はザルです。
日本の大手ハウスメーカーと呼ばれる会社で、EU基準を満たせるような性能を普段から手がけているところはありません。
鉄骨で外張り断熱を行なっているところも、南極で建物を建てたところも、普段手がけている住宅は、EU基準に全然届きません。
ある程度名前が通っている会社で、建物の省エネ性能が優れているのは、北海道セキスイハイムの「シェダン」と、一条工務店の「i-cube」くらいかもではないでしょうか。
シェダン
http://www.hokkaido-heim.com/lineup/chezdan_index.html
i-cube
http://www.ichijo.co.jp/news/i-cube/
今、大手ハウスメーカーが提案する省エネ住宅において問題があるのは、建物そのものの性能アップではなく、太陽光発電やコージェネなど、設備面で省エネを考えているところだと思います。
設備による省エネは重要ですが、建物にとって本質的なものではなく、寿命はせいぜい20年前後。
建物の寿命よりも短いものです。
建物の省エネ設備を抜いた、建物の本質的な性能だけで比較した場合、大手ハウスメーカーの最新の実験棟よりも高い性能の住宅が、一部の工務店、設計事務所、建築家によって手がけられています。
この辺り、研究部門を持つハウスメーカーは、もう少し危機感を持った方が良いのではないかと思います。
今回のようなCO2ゼロ住宅を、設備による省エネに極力頼らないで手がけると、東京でも外壁面の断熱材は、200mm前後必要になると思います。
この場合、断熱方法は、充填断熱でも外張り断熱でもなく、そのどちらも使わないといけません。
建物の省エネを進めていくと、充填断熱か?外張り断熱か?という議論そのものがナンセンスです。
考えるまでもなく、その両方になります。
先の、「シェダン」と「i-cube」は、どちらも充填断熱と外張り断熱の併用です。
日本の住宅も、EUのように「CO2ゼロ」が義務付けられたらどうなるのでしょうか。
現実的には、設計も施工も、そのようなノウハウを身につけている人は極めて少ないため、実務レベルですぐには難しいと思います。
建築に関わる人の意識を変えるためには、建築主側が強く要求することが必要でしょう。
良い住まいは設計者や施工者が作るのではなく、良い建築主が作ると思っています。


朝から始まったコンクリート打設。


