いくつか面白そうなものがありましたので、簡単にコメントしてみたいと思います。
●ハイブリッドソーラーヒートポンプ空調給湯システムと超省エネルギー住宅の開発
(概要)空気集熱と水集熱とを併用するハイブリッドソーラーシステムと日射不足時や除湿冷房時に排熱を回収するヒートポンプを組み合わせ、統合型空調給湯システムを開発し、一般に手の届く費用対効果の高い超省エネルギー住宅を実現する。
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建物の躯体に関する概要は載っていませんでした。
日本は、浴槽に入る文化があるため、給湯に要するエネルギーが、欧米よりも大きくなっています。
そのため、省エネのためには給湯部分のエネルギーを削減するのが効果的。
以前、矢崎総業が太陽熱温水器とエコキュートを組み合わせた商品を発表しました。
今回のこの採択課題も、これに類するものだと思います。
カギとなるのは、導入のコストをいかに下げられるかではないでしょうか。
●潜熱蓄熱材と高熱効率床材を用いたヒートポンプ式床冷暖房システムに関する技術開発
(概要)省エネルギーの観点から床暖房の熱源としてヒートポンプが普及しつつあるが、温水のみならず容易に冷水も作ることが
でき、この冷水を使用することで夏期にも快適な温熱環境を作り出せると考えられる。
本開発は高熱効率床材、潜熱蓄熱材、ヒートポンプを用いた省エネルギーで安全且つ快適な床冷暖房システムの技術確立を目的とする。
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メルマガやブログでも書いている、ヒートポンプ温水熱源の原理はエアコンと同じ。
そのため、温水だけでなく、冷水も作れます。
このような商品で代表的な、三菱電機のエコヌクールの冷水温度は 7℃。
とても冷たい冷水で、ファンコイルに通すことによって十分冷房ができる温度です。
床暖房と、床冷房を両立させる場合、ポイントとなるのは冷房時の結露。
7℃の冷水を通すと、結露で床面がビショビショになって、使い物になりません。
かといって、結露しない冷水温度では、高温多湿の外気を除湿することができませんので、相対的に湿度が高くなります。
ここをいかにクリアするかがポイントでしょう。
除湿を、他の機器で行うというのであれば比較的簡単だと思います。
●個別送風ファンを用いた次世代省エネ型建築・全館空調システムに関する技術開発
(概要)高気密・高断熱住宅の冷暖房負荷の変動特性に適した換気空調システムがいまだ開発されていない。
本開発では量販型の高効率エアコン1台と低電力消費DCモータを用いた個別送風機を構成要素とした省エネルギーで快適性の高い次世代建築・全館換気空調システムを開発する
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建物の省エネルギー性を高めていくと、個別エアコンの能力が高すぎるという問題に当たります。
個別の壁掛けエアコンの能力は、最も小さいもので 2.2kW。
普通の部屋の大きさでは、建物の省エネ性を高めると、この能力では余ってしまいます。
最も小さな2.2kWの壁掛けエアコンを、3LDKの間取りの各部屋に配置したとすると、安全率が 200%を軽くこえてしまうことも珍しくありません。
建物の省エネ性を高めると、冷暖房負荷としては、エアコン1台で、家中をまかなうことも可能になるからです。
全館空調を採用しても良いのですが、初期コストがどうしても高くなります。また、能力も大きめなものが主流です。
また、全館空調の効率(COP)は、個別エアコンと比べると低くなっています。
全館空調のCOPは、400%弱ほど。これに対して個別 エアコンは、600%を超えています。
一次エネルギーという指標で比べると、エネルギー消費は全館空調が不利になります。
また、全館空調には、最近の壁掛けエアコンで付いている再熱除湿機能や、お掃除機能などがなく、機能面でも遅れています。
製造側からすると、台数が出ない全館空調よりも、圧倒的に多い個別の壁掛けエアコンを売った方が利益が上がります。
全館空調の効率や機能向上は時間がかかるでしょう。
長くなりましたが、建物の省エネルギー性を高めていくと
・個別空調を各部屋に配置すると、能力が余り過ぎてしまう。
・全館空調のエネルギー効率は、個別エアコンよりも悪い
という問題が生じるということです。
だったら、効率の高い個別エアコンと、24時間換気を組み合わせれば良いと考えるのが普通ですが、なかなかそのような商品はありません。
建物の断熱性能を突き詰めていくと、暖房負荷は限りなく小さくなり、日本の場合は夏の除湿(潜熱対策)が重要となります。
効率の高い個別エアコンを利用するというのは、現状で良い方法だと思います。
今回のこの提案は、これを実現するようなものだと思いますが、目の付け所が良いのではないでしょうか。