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ナイスアイデア!スラブオンのアンカーボルトの固定方法

2009年10月03日

軽井沢で配筋検査。

 

1階または地下1階が鉄筋コンクリート造で、その上に木造が乗るときがあります。

 

この時、コンクリートのスラブ(床盤)に、木造の土台用のアンカーボルトを鉄筋の上に配置します。

 

口で言うのは簡単ですが、現場でこのアンカーボルトを精度良く施工するのはなかなか難しいものです。

 

床の鉄筋への固定が難しく、コロッとアンカーボルトが傾いたり、沈み込んだり、コンクリート流し込みの作業中にずれたりしてしまうからです。

 

そこでこの現場では、現場監督さんなどがアイデアを出し合い、オリジナルの固定方法を考え出しました。

スラブオンのアンカーボルト それがこの写真。

鉄筋を床の配筋間隔よりも少し広めの四角に加工。
これにより、スラブ配筋から落ちることなく、任意の位置にアンカーボルトを配置できます。

 

その後、四角に加工された鉄筋に、治具でアンカーボルトを固定。
段取り筋(構造的には不要だが、施工上必要な鉄筋)だけでアンカーボルトを固定すると、大抵倒れてしまいますが、四角に加工された鉄筋のおかげで、アンカーボルトが倒れることもありません。

 

なかなかのアイデアです。
同時に検査を行った、構造設計者と感心してました。

 

次回、どこかでスラブオンのアンカーボルトが必要な現場があったら提案してみたいと思います。

コンクリートの打設計画

2009年10月05日

 朝1から軽井沢でコンクリート打設の立ち会い。

 

コンクリートの予定使用量は約60立法メートルで、浴槽300杯分くらい。

 

コンクリート打設 前回の打ち合わせの際、ポンプ車のホースの長さなどを確認した上で、施工者側に打設計画の変更を提案しました。本日その通りに施工して頂いています。

 

このコンクリート打設計画変更により、施工者側の予定よりも打設回数が1回減りました。

打設回数を減らすことで打ち継ぎが減り、工期は短くなり、施工コストも下がります。

 

工事中の現場チェックや各種アドバイスのご依頼は通常建築主から。しかし、施工や品質、性能が良くなるのであれば、現場判断で施工者側にアドバイスするのは良くあります。

 

打設計画上、当初の計画より作業者の移動量が多くなるのが心配でしたが、特に問題ありませんでした。

 

後は、比較的簡単な部分にどんどんコンクリートを流し込むだけです。

日経トレンディ 2009年11月号 極上中古VS新品 「坪25万円の家」の実力は?

2009年10月06日

日経TRENDY 2009年11月号 現在発売中の日経トレンディ2009年11月号、「買い方・選び方の正解がわかった! 極上中古VS新品」の住宅部分において、さくら事務所が全面協力しています。

 

私は、住宅部分で協力させて頂きました。
比較項目は、さくら事務所のサービス、「一戸建て 工事現場 施工品質チェック」において、着工前の段階で確認しているものを主にしています。

 

実際の確認事項は、今回の取材でも紙面よりもずっと多いのですが、紙面の都合上、代表的な部分だけになっています。
それでも、様々な部分が分かって良いのではないでしょうか。

 

夕方に、今回の特集をご覧になった、中部地方の工務店の社長さんからの電話を受けました。
「値段だけではなく、いろいろな面から多角的に判断してあって面白い。」
ということでした。ありがとうございます!
日経BP社さんに代わってお礼申し上げます。

 

ご覧になっていない方は、書店、コンビニエンスストアなどで、ぜひお買い求め下さい。

長谷工が配筋施工図の自動作成システムを開発

2009年10月07日

長谷工コーポレーションは、構造計算データを使ってパソコンで配筋施工図を自動作成する「配筋施工図自動作成システム」を開発した。

これまで、鉄筋の組み手や細かい配筋の納まりの検討については、専門工事会社の職長の知識や経験によるところが大きく、同社では、職長が意匠図や構造図を確認しながら配筋施工図を作成していた。

配筋施工図自動作成システムの導入により、以下のメリットがある。

 1. 配筋施工図等の作成業務を省力化
 2. 早期の施工納まり検討(設計へのフィードバック)
 3. 施工品質の均一化・生産性の向上
 4. 施工ミスの防止

 http://www.haseko.co.jp/hc/news/2009/0728.html

 

専門的な内容ですいません。

マンションのような鉄筋コンクリート構造の場合、設計事務所が作成した平面図や立面図だけでは工事はできません。

平面図や立面図、構造図などを元にして「施工図」と呼ばれる図面を作成する必要があるためです。


一般的に施工図は、設計事務所ではなく施工業者が作成します。

今回の記事は、その施工図のうち、配筋部分をパソコンで自動化したというものです。


施工図の作成には、経験が必要とされる部分が多いとされますが、個人的にはパソコンによる自動化で、かなりのことが出来るのではないかと思っています。

今後は図面の作成だけでなく、材料の本数・形状の拾い出しまで可能にする方針のようですが、そこまでのシステムになると、現場としてはかなり助かると思います。

鉄筋の加工場で加工するためのデータまで作成できるようになれば、かなり便利だと思います。

 

最近では、コスト削減のため、中国やベトナム、上海などで安価に施工図を作成してくれる会社が複数あります。
元の図面データをインターネット経由で送ると、施工図にしてくれるというサービスです。
既に大手と呼ばれるゼネコンでも、多く採用されているようです。


施工図の単価だけで比べると、国内作成の施工図は、海外発注の単価にはかないません。
そうなると、国内で作成されている施工図の単価というものの、長期的に見て下落傾向になると思います。

ITの普及により、これまで国内で行なわれていた業務が、海外に出て行く形ですが、この流れは止められないと思います。


ちなみに、木造住宅におけるプレカット図の作成も、最近では海外で作成されることがあります。
時代の流れですね。

国土交通省 「平成21年度住宅・建築関連先導技術開発助成事業(2次募集)の採択課題」を決定

2009年10月14日

国土交通省
「平成21年度住宅・建築関連先導技術開発助成事業(2次募集)の採択課題」を決定

 応募件数22件・採択件数16件

 http://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_000101.html

 採択課題の決定について(PDF ファイル)
 http://www.mlit.go.jp/common/000050236.pdf 

 

いくつか面白そうなものがありましたので、簡単にコメントしてみたいと思います。


ハイブリッドソーラーヒートポンプ空調給湯システムと超省エネルギー住宅の開発

(概要)空気集熱と水集熱とを併用するハイブリッドソーラーシステムと日射不足時や除湿冷房時に排熱を回収するヒートポンプを組み合わせ、統合型空調給湯システムを開発し、一般に手の届く費用対効果の高い超省エネルギー住宅を実現する。



建物の躯体に関する概要は載っていませんでした。
日本は、浴槽に入る文化があるため、給湯に要するエネルギーが、欧米よりも大きくなっています。
そのため、省エネのためには給湯部分のエネルギーを削減するのが効果的。


以前、矢崎総業が太陽熱温水器とエコキュートを組み合わせた商品を発表しました。
今回のこの採択課題も、これに類するものだと思います。

カギとなるのは、導入のコストをいかに下げられるかではないでしょうか。



潜熱蓄熱材と高熱効率床材を用いたヒートポンプ式床冷暖房システムに関する技術開発

(概要)省エネルギーの観点から床暖房の熱源としてヒートポンプが普及しつつあるが、温水のみならず容易に冷水も作ることが
でき、この冷水を使用することで夏期にも快適な温熱環境を作り出せると考えられる。

本開発は高熱効率床材、潜熱蓄熱材、ヒートポンプを用いた省エネルギーで安全且つ快適な床冷暖房システムの技術確立を目的とする。



メルマガやブログでも書いている、ヒートポンプ温水熱源の原理はエアコンと同じ。
そのため、温水だけでなく、冷水も作れます。

このような商品で代表的な、三菱電機のエコヌクールの冷水温度は 7℃。
とても冷たい冷水で、ファンコイルに通すことによって十分冷房ができる温度です。

床暖房と、床冷房を両立させる場合、ポイントとなるのは冷房時の結露。

7℃の冷水を通すと、結露で床面がビショビショになって、使い物になりません。
かといって、結露しない冷水温度では、高温多湿の外気を除湿することができませんので、相対的に湿度が高くなります。
ここをいかにクリアするかがポイントでしょう。

除湿を、他の機器で行うというのであれば比較的簡単だと思います。



個別送風ファンを用いた次世代省エネ型建築・全館空調システムに関する技術開発

(概要)高気密・高断熱住宅の冷暖房負荷の変動特性に適した換気空調システムがいまだ開発されていない。
本開発では量販型の高効率エアコン1台と低電力消費DCモータを用いた個別送風機を構成要素とした省エネルギーで快適性の高い次世代建築・全館換気空調システムを開発する



建物の省エネルギー性を高めていくと、個別エアコンの能力が高すぎるという問題に当たります。

個別の壁掛けエアコンの能力は、最も小さいもので 2.2kW。
普通の部屋の大きさでは、建物の省エネ性を高めると、この能力では余ってしまいます。

最も小さな2.2kWの壁掛けエアコンを、3LDKの間取りの各部屋に配置したとすると、安全率が 200%を軽くこえてしまうことも珍しくありません。

建物の省エネ性を高めると、冷暖房負荷としては、エアコン1台で、家中をまかなうことも可能になるからです。

 


全館空調を採用しても良いのですが、初期コストがどうしても高くなります。また、能力も大きめなものが主流です。

また、全館空調の効率(COP)は、個別エアコンと比べると低くなっています。
全館空調のCOPは、400%弱ほど。これに対して個別 エアコンは、600%を超えています。

一次エネルギーという指標で比べると、エネルギー消費は全館空調が不利になります。

 

また、全館空調には、最近の壁掛けエアコンで付いている再熱除湿機能や、お掃除機能などがなく、機能面でも遅れています。


製造側からすると、台数が出ない全館空調よりも、圧倒的に多い個別の壁掛けエアコンを売った方が利益が上がります。
全館空調の効率や機能向上は時間がかかるでしょう。

 


長くなりましたが、建物の省エネルギー性を高めていくと

 ・個別空調を各部屋に配置すると、能力が余り過ぎてしまう。
 ・全館空調のエネルギー効率は、個別エアコンよりも悪い

という問題が生じるということです。


だったら、効率の高い個別エアコンと、24時間換気を組み合わせれば良いと考えるのが普通ですが、なかなかそのような商品はありません。


建物の断熱性能を突き詰めていくと、暖房負荷は限りなく小さくなり、日本の場合は夏の除湿(潜熱対策)が重要となります。
効率の高い個別エアコンを利用するというのは、現状で良い方法だと思います。

今回のこの提案は、これを実現するようなものだと思いますが、目の付け所が良いのではないでしょうか。

三井不動産/「アーバンドック ららぽーと豊洲」が、環境省による「平成21年度 省エネ照明デザインモデル事業」においてモデル事業に選出される

2009年10月21日

 三井不動産/「アーバンドック ららぽーと豊洲」が、環境省による「平成21年度 省エネ照明デザインモデル事業」においてモデル事業に選出される


従来型の照明器具全3,668台のうち771台をLED照明器具に交換。
これにより、照明の消費電力で約194千kWh/年(従来比約80%減)
CO2排出量換算で約74トン/年の削減となる見込み

http://mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2009/1020/

これまでのメルマガ、ブログで何度も出ている照明ネタです。

ららぽーと豊洲は、さくら事務所がある日本橋茅場町から近いショッピングセンター。
私は1度しか行ったことがありませんが・・・。


首都圏でショッピングセンターが多い場所といえば埼玉県が思い浮かびます。
日本で一番大きなショッピングセンター、イオンレイクタウンも埼玉県の越谷市にあります。

 

今回のこのららぽーと豊洲に限らず、最近のショッピングセンターは、エコロジーやCO2削減に積極的であるように感じます。

 

例えばイオンレイクタウンでは、

 ・発電を行うガスコージェネ
 ・非常に高い効率で冷房を行えるターボ冷凍機
 ・オリンピックプール4面分の太陽光発電
 ・断熱効果が高い、壁面緑化タイル
 ・省エネなLED照明
 ・地中熱利用ヒートポンプ

など、最新の省エネ技術がたくさん採用されています。
建物規模が大きいために建築予算も大きく、大規模な設備を取り入れやすい面がありますが、住宅と比べて省エネ技術が高度です。


LEDの照明は機器代が高かったことから、住宅ではなかなか採用されていませんでしたが、最近出されたシャープのLED照明は比較的安価です。

 シャープのLED照明
 http://www.sharp.co.jp/led_lighting/consumer/

これまでのLED照明のように、交流を直流に変換する機器が不要で、白熱電球のソケットをそのまま使うことができるという便利さ。

 

ホームセンターでは、売り切れている店舗もあるようです。

 

省エネのため、LEDの採用、交換を検討してみてはいかがでしょうか。
照明の雰囲気は、白熱電球と変わらない印象でした。

 

あとは、シャープに追従して、他社も安価なLED照明をたくさん出してくれると良いのですが。

コンクリートの品質をよく知る人

2009年10月23日

神奈川県で、一戸建て 工事現場 施工品質チェックのコンクリート打設立会いへ。

 

現場に到着すると、配筋検査の時には未済だったホールダウン金物用アンカーボルトが取り付けられていました。

埋め込み深さを確認すると、埋め込み深さはギリギリ。
現場監督さんに聞くと、高さの最終調整用のレベラー材を含んだ埋め込み長さとしているとか。

 

これは、よくあるケースなのですが、レベラーとは本来高さ調整だけのもの。付着力はコンクリートよりも弱く、強度も期待できません。
そのため私は、レベラー材を含まない、コンクリートだけの埋め込み深さで、規定の埋め込み深さを確保するようにしています。

 

そのため、この現場も是正。約20mmほど、高さを下げて頂きました。

 

コンクリート品質試験 コンクリート打設時には、品質試験を行いました。
2階建てではコンクリートの品質試験はあまり行われませんが、この施工業者さんは毎回取っているとか。


写真のようなコンクリート品質試験を行うのは、コンクリート技士の資格を持つ、試験専門の会社です。

 

品質試験の結果はOKでした。

試験完了後に、コンクリート技士の方といろいろ雑談。

「○○のプラントのコンクリートはいつも強度が高いから安心」、
「△△のプラントのコンクリートは、いつも強度がギリギリ」
など、さすがにコンクリートの実情を良くご存知です。

JISの認定工場でも、やはり品質にはバラツキがあるようです。

 

東京近辺のコンクリートの相場は現在、1m3で12,000円ほどだとか。

 

「1m3当たり、2トン以上のものを現場まで運んでくれて、12,000円だから、やっぱりコンクリートって材料として見ると安いよね。俺、この業界で20年以上勤めてて、給料も少しずつ上がっているけど、コンクリートの単価が変わらないのは不思議。」

と、コンクリート技士さん。

確かにコンクリートは重たい。
この現場でも、今日のコンクリートの使用量は20トン以上。

宅配便の業者さんに20トン運んでもらったら、送料はかなりかかりそうです。

大工さんのこだわり

2009年10月31日

土台敷きの穴あけ 右の写真は、一戸建て 工事現場 施工品質チェックの現場において、土台敷き立会いで見た、ホールダウン金物用アンカーボルトの穴あけ部分の写真です。

 

何とも無い写真に見えるかも知れませんが、金物と土台に開けられた穴のクリアランス(すき間)が小さいのです。

 

このような土台の穴あけは全て現場加工。
多くの現場では、ハンドドリルを使って土台に穴あけします。
そのため、ドリルの傾きや位置出しの誤差を吸収するという点から、金物よりも少し大きめの穴を空けるのが普通。

 

今回の現場は、その穴が小さく、クリアランスが最小限。
穴あけ精度に自信が無いと、この穴の大きさで施工するのは難しい。

 

ドリルの固定工具 どうやったのか大工さんに聞いてみると、写真のようなドリルの固定工具(ドリルスタンド)を使ったのだとか。

 

ボール盤までの加工精度は出ないでしょうが、手作業で穴あけするより、高い精度が出ます。
これなら納得。

 

ちなみに、このドリルスタンドを使ったのは、今回で2棟目だとか。
前の物件で使ってみて調子が良かったため、今回も使うことにしたそうです。

 

ホールダウン金物に使うアンカーボルトは、基礎コンクリートと柱を直結させるためのものですので、力学的に言うと、土台の穴の大小は建物の強度とは関係ありません。

 

一般の方が見ても、その差が分かりにくい違いで、建物が完成してしまえば全く見えなくなる箇所ではありますが、大工さんのこだわりが感じられました。

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