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無線ワイヤレス温湿度データロガー おんどとり

2009年07月04日

おんどとり RTR-5W RTR-53A 写真は、温湿度計のデータロガー(データを計測して保存する装置)。

ある物件の床下に配置することになりましたが、設定方法が分からないという施工業者さんの代わりに、私が設定することに。
設定は特にトラブル無く、すぐに終わり。

 

4台ある温湿度計(RTR-53A)で計測されたデータは、無線を使って無線通信ステーション(RTR-5W)に集められます。

 

無線通信ステーションはWebサーバーの機能があるので、家中のパソコンから、いや、ルーターの設定さえすれば世界中からインターネットを通じて計測データを見ることが出来ます。

今回もその設定を行う予定です。

 

ちなみに、計測器4台+無線通信ステーション1台では、だいたい15万円くらい。
個人的な興味として、基礎断熱や屋根断熱の物件は、その温度分布や温湿度の推移、各部の状態を知りたいと思っているので、My温湿度データロガーが欲しいところです。

筋かいが、全部逆向き!?

2009年07月05日

川崎市に、新築一戸建て内覧会立会い(竣工検査立ち会い)へ。
今回は、特殊機材オプションもお申し込み頂いています。

 

調査に一緒に行った、林さんは床下へ、大久保さんは建物精度の確認へ。
私は、特殊機材オプションとして、サーモグラフィカメラを使います。

 

筋交い、筋違いのサーモグラフィによる確認
 

 

温度差で、外壁や壁の中のトラブルが分かるサーモグラフィカメラ。
調査当日は曇りでしたが、意外と良く筋かいが見えます。

筋かいの方向は、図面の記号と同じ。

 

外壁はモルタル塗り。
矩計図(かなばかりず)には、通気胴縁と書かれていましたが、このサーモグラフィの結果を見ると、通気胴縁はありません。
通気胴縁があると、こんなにクッキリと筋かいは出ません。

 

施工業者さんに聞いてみると、やはり通気胴縁はなく、図面表記の間違いでした。

 

サーモグラフィでいろいろと見終わった後、工事の担当者と雑談。

筋かいの位置、図面通りでした
と伝えると、
大丈夫だと思いますよ、工事中見てますし
という答え。

やはり、筋かいの向きは分かりやすいよう、この図面のように直角三角形で書いてあると助かります。記号を見たままに、筋かいを入れるだけですものね。記号の短辺が柱を示していて、こちらが柱頭ですよね。

というような事を言うと、

あれ?記号の尖っている方が、柱頭なのですが・・・。凡例にもそうあります。

という答え。

 

すぐに図面を見直してみると、凡例では以下のように書かれていました。 

筋かいの一般的でない表記

 

あらら、そうすると、現場の施工は、設計図と比べて全て筋かいが逆向きということになってしまいます。

 

筋かいで一般的な表記は、この凡例とは逆。筋かいを正面から見て、見た目のまま記号にすることが多いと思います。

 

筋かいの向きが変わると、金物の強度も変わってしまいます。
現在の金物では、強度が不足する恐れがあるので、構造計算を再びお願いしました。

 

ちなみにこの物件で、片筋かいは約40本。
金物の補強で済むか、片筋かいを全て交換することになるのか。

いずれにしても工事に手間はかかりそうです。

除湿を考える。コンプレッサー式・デシカント・ゼオライト式の除湿機か、再熱除湿式のエアコンか?

2009年07月13日

梅雨から秋の長雨まで、日本では湿気が多い時期があります。
そのときに必要なのが、「除湿

除湿といっても、いろいろな方法があり、何が最適なのか分からないのでいろいろと調べてみました。

除湿の4つの方法

除湿の方法についてですが、冷却方式、吸着方式、吸収方式、圧縮方式の4つに分けられます。
また、それぞれの方式において、複数の方法があります。

除湿の方法


この中で、一般的なものは、冷却方式と吸着方式です。

一般の方が使う除湿の方法は、除湿機とエアコンだけだと思いますので、これをまとめると次のようになります。

 

除湿機とエアコンによる、機器別の除湿方法

 

機器別の除湿方法

 

それぞれについて、説明を書きます。

 

コンプレッサー式の除湿機

一般名称   コンプレッサー式除湿機 
 別の呼び名  (代替)フロン式
 除湿の方式  冷却方式(結露させる) 
 除湿に必要な熱  冷熱 
 エネルギー効率  80%程度 
 室温の変化  室温が2~4℃上がる↑ 
 

コンプレッサー式の除湿機は、基本原理はエアコンと同じ。
圧縮機を使って冷たい部分を作り、そこに結露させることで除湿させます。

コンプレッサー式の除湿機は「冬季の除湿量が減る」ということがデメリットだとされています。
しかし、気温が低いときは、そもそも空気中の水蒸気も少ないもの。
温度10℃・80%の空気を20℃まで暖めると、湿度は43%まで下がります。
室内の除湿目的であれば、そもそもこの指摘そのものがナンセンスな気がします。

居室においては、10℃を下回る条件というのは、快適性からも良くありません。


コンプレッサー式除湿機のメリットは、比較的除湿量が多いこと。
そして、それなりに省エネです。機械の効率的には、80%前後。

 

デシカント(ゼオライト)式の除湿機

一般名称   デシカント(ゼオライト)式除湿機
 別の呼び名  オールシーズン対応除湿機
 除湿の方式  吸着方式(乾燥剤に吸湿させる) 
 除湿に必要な熱  高温熱
 エネルギー効率  50%程度 
 室温の変化  室温が4~7℃上がる↑ 

 

「オールシーズン対応」などと書かれているのが、デシカント式の除湿機です。ゼオライト式とも言われます。
コンデンス式というのもありますが、価格が高く、作っているメーカーも少ないので、一般的ではありません。


お菓子に入っている乾燥剤の例 デシカント式は、吸着方式の分類となり、お菓子や海苔、お煎餅の中に入っているような「乾燥剤」を使った方法です。
乾燥剤は、一定量の湿気を吸ってしまうと、それ以上吸わなくなってしまいますから、乾燥剤を温めて湿気を飛ばします。
これを、「再生」といいます。

余談ですが、家の床下に炭を入れて除湿を試みる人がいますが、「乾燥させる」という工程がないため、永久的な除湿は不可能です。
床下に入れた炭は、一定量の湿気を吸ったらそれ以上吸えません。当然です。ドラえもんの四次元ポケットでないのですから。

話がずれました。

一般的なデシカント式除湿機の場合、再生のために、80℃以上の温度が必要です。
そのため、デシカント式除湿機の中には電熱ヒーターが入っており、乾燥剤を暖めるのですが、ここがエネルギーを多く使います。

乾燥剤を暖めるために電熱ヒーターを使うことから、室温が高くなります。
また、ゼオライトなどの乾燥剤は、吸湿するときに発熱しますので、これも室温が高くなる原因です。
(煎餅などの袋にシリカゲルと呼ばれる乾燥剤が入っていますが、その表面に「水濡れ厳禁」などとあるのは発熱するためです)

 

夏の時期、「湿気を取りたいから」として締め切った部屋で使おうとしても、部屋が暑くなるデメリットから、まず使えません。

 

デシカント式除湿機のメリットはオールシーズン使えるということ。
しかし、消費電力が大きい割には除湿性能は低め。機械の効率的には、50%前後と、コンプレッサー式を下回ります。

 

エアコンのドライ運転(弱冷房ドライ)

一般名称   ドライ運転
 別の呼び名  弱冷房運転ドライ
 除湿の方式  冷却方式(結露させる) 
 除湿に必要な熱  冷熱 
 エネルギー効率  450%前後 
 室温の変化  室温が下がる↓

 

エアコンの冷房運転というのは、除湿も行っており、かなりの省エネ運転です。温度が下がっても良いという条件であれば、一般向けの除湿機器としては、圧倒的に高いエネルギー効率です。

 


エアコンのドライ運転(弱冷房運転ドライ)は、結露によって除湿を行っています。

本格的な夏ではなく、梅雨の時期など少し暑いときに使うのがエアコンのドライ機能。
実はこれ、単に冷房を弱くして運転しているだけですので、冷たい風がでてきます。
あまり冷たい風を出しすぎると冷房になってしまうため、力をセーブしているのがエアコンのドライです。

 

例えるなら、

 

食べ物(湿気)がたくさんあるバイキングで、
「太ってしまうから(寒くなってしまうから)」
という理由で、食べるのをセーブしているようなものです。


実は、もっとたくさん食べられる(湿気を除去できる)のですが、あえて止めているのです。

 

エアコンのドライ運転や、冷房運転では、湿度は成り行きです。
エアコンのリモコンを思い出して下さい。一般的に温度(℃)の設定はありますが、湿度(%)の設定は無いでしょう。


最近のエアコンは、10年くらい前のエアコンの、2~3倍省エネになっています。
これは、吹き出し口の温度を昔よりも温かくしているからです。
昔のエアコンは、吹き出し口が結露するくらい冷たい風を出していましたが、今はそのようなことはありません。

 

最近、エアコンの省エネ化のため、吹き出し温度を温かくする反面、結露の量が減るために除湿機能が低下してしまうという問題が出てきました。
つまり、昔のように冷房をしても湿度が下がらないのです。

 

省エネ化による除湿量の低下と、湿度コントロールを実現する機能として、最近のエアコンの上位機種には、次に示す「再熱除湿機能」が付いています

 

再熱除湿式のエアコン

一般名称   再熱除湿ドライ
 別の呼び名  寒くならない除湿、さらら除湿、カラッと除湿、フルシーズン除湿
 除湿の方式  冷却方式(結露させる) 
 除湿に必要な熱  冷熱温熱の両方 
 エネルギー効率  150%前後 
 室温の変化  変わらない →

 

再熱除湿とは、エアコンのドライ運転と同様に、結露によって除湿しています。

普通のドライ運転と違うのは、冷たい風を室内に送り込まないよう、外気であたためてから室内に空気を吹き出すことです。
そのため、部屋が寒くならないのに、除湿をすることが出来ます。

 

例えるなら、

食べ物(湿気)がたくさんあるバイキングで、
「太ってもいいから(寒くなってもいいから)たくさん食べてしまおう。後で、スポーツジムに行って、運動して痩せるから(あたためるから)いいわ」
という感じでしょうか。

 

再熱除湿では、普通の冷房やドライ運転と比べて、3倍程度の電気代がかかります。
この電気代のアップを、「空気を暖めているから」と説明しているサイトなどがありますが、間違いです。

 

吹き出し空気を暖めるための熱は、室外機から排出される熱を移動させているだけですので、発熱のための電気代はかかっていません。
これだけで、電気代は3倍にはなりません。

 

電気代がかかる理由は、
「結露の量を増やすために、冷媒の温度を低くしているから」です。
また、熱交換器の面積が、再熱除湿中は半分になってしまうことも、原因の1つです。

 

再熱除湿の除湿量は後で示すように、かなり多いです。
電気代は、エアコンの冷房運転と比べるとかかるものの、除湿機と比べたらずっと高効率。
機械の効率としては、150%程度になります。

梅雨の時期になると、エアコンのドライは電気代を使うかどうか?という記事が新聞などに載ります。

 

確かに、再熱除湿機能のついたエアコンは、一般的な弱運転ドライよりも電気代を使います。

しかしそれでも、除湿機と比べたらずっと高効率です。

なお、再熱除湿機能がついたエアコンのリモコンには、湿度(%)設定ができるものが多いです。
逆に言うと、湿度(%)設定ができるエアコンには、再熱除湿機能が付いています。

 

主なエアコン製造元のうち、再熱除湿機能が搭載されている機種は以下の通りです。

●日立
 Xシリーズ
 Sシリーズ
 Eシリーズ
 (M、Lシリーズは再熱除湿なし)

●ダイキン
 Rシリーズ
 Sシリーズ
 Pシリーズ
(C、Nシリーズは再熱除湿なし)

●富士通ゼネラル
 Zシリーズ
 Sシリーズ
(R、Jシリーズは再熱除湿なし)

●三菱電機
 ZXVシリーズ
 JXVシリーズ
 (BXV、AXV、SVシリーズは再熱除湿なし)

●パナソニック
 Xシリーズ
 Vシリーズ
 Rシリーズ
 (SX、EX、F、Hシリーズは再熱除湿なし)

●東芝
 PDRシリーズ
 PDシリーズ
 (PDX、PV、PDRNシリーズは再熱除湿なし)

●シャープ
 Y-SXシリーズ
 W-SVシリーズ
 (Y-SV、Y-SC、W-SEシリーズは再熱除湿なし)

 

 

デシカント式のエアコン

一般名称   DESICA(デシカ)
 別の呼び名  水配管レス調湿外気処理機
 除湿の方式  吸着方式(乾燥剤に吸湿させる)
 除湿に必要な熱  40℃程度の中温熱
 エネルギー効率  350%~420%前後 
 室温の変化  室温(顕熱)は別の機器で調整


ダイキン デシカDESICA ダイキンから出ているDESICA(デシカ)と呼ばれる機種は、一般向けではなくビル向けの設備ですが、除湿について画期的な商品です。

 

方式としては、商品名から分かるようにデシカント式の装置です。 
しかし、乾燥剤の再生温度が、一般的な80℃以上の半分となる40℃と低温。

 

日本の夏の外気が30℃後半になることを考えると、40℃で再生できるというのはこれが限界。
これ以下にすると、外気37℃~38℃程度の場合に除湿ではなく、湿度を放出してしまうからです。

 

再生にはヒーターを使わず、ヒートポンプ技術を使っています。
そのため、低ランニングコスト。
エネルギー効率は350%~420%ほどで、デシカント式除湿機と比べたら、6倍程度の高効率です。

40℃程度の熱源であれば、夏季の太陽熱温水器でも十分すぎる温度ですから、「太陽熱で除湿」ということも技術的には可能でしょう。 

 

現在はビル用かつ受注生産品のデシカですが、一般エアコン向けの商品が開発されたら、除湿の効率が高くなりそうです。  なんとかなりませんか?ダイキンさん。

 

除湿機とエアコンの、除湿能力の比較

除湿機とエアコンの、除湿能力の比較をしてみます。

 

それぞれ、比較した機種は以下の通りです。
価格.comのランキングで人気があり、Webサイト上で情報が細かく載っている機種を元に選んでいます。その他の細かい理由はありません。

 再熱除湿エアコン:日立 RAS-X40Y2
 コンプレッサー式除湿機:CORONA CD-Hi185
 ゼオライト式除湿機 :三菱 MJ-Z70DX

 

まずは1日当たりの除湿量の比較です。
エアコンとコンプレッサー式除湿機の除湿能力は、室温27℃・湿度60%のものですが、ゼオライト式(デシカント式)除湿機の除湿能力は、(他社でも)室温20℃・湿度60%での条件と、基準が異なっています。

 

ゼオライト式(デシカント式)除湿機は、発熱量が多いので、27℃の環境で使うことはないということでしょうか。(室温が30℃を超えてしまうため)

 

この計測条件の違いから、ゼオライト式(デシカント式)除湿機と他の機種を直接比較するのは無理がありますが、参考まで。

1日当たりの除湿量の比較

これを見ると分かりますが、エアコンの除湿能力は除湿機よりも圧倒的です。

除湿を考えるなら、普通の除湿機よりも再熱除湿機能が付いたエアコンが有利です。

 

しかしこのグラフには消費電力がありませんので、消費電力で除湿量を割ると以下のグラフになります。

 

消費電力1W当たりの除湿量[mL]

これを見ても、再熱除湿エアコンが、一般向けの除湿装置としては最も高効率であることが分かります。

エアコンよりも除湿機の方が消費電力が低いと思われていますが、除湿機は効率も低いため、単位電力当たりの除湿量も悪いのです。

 

ちなみに、先に出たDESICA(デシカ)や、普通のエアコンの冷房運転は、再熱除湿のさらに 2.3倍以上の効率ですから、普通の除湿機とは、比較にならないくらいの高効率です。

 

除湿機とエアコンの、除湿に関するまとめ

除湿機とエアコンの、除湿に関するまとめをすると、以下のようなことが言えます。

  • 一般に「除湿は除湿機」と言われますが、効率・能力、ランニングコストいずれでも、エアコンが除湿機を上回ります。
  • 除湿について聞いたとき、単純に除湿機を薦めてくる建築関係者には注意しましょう。エネルギーについて疎い可能性があります。
  • エアコンは非常に優れた除湿機です。
  • エアコンが設置できる場所については、除湿機よりもエアコンを使って除湿するのが理想です。
  • エアコンのドライ運転が、冷房よりも電気代が高いか安いかは、再熱除湿を使っているかどうかによります。
  • 再熱除湿運転は、除湿として考えると高効率ですが、冷房としてはコストが高くなります。暑い場合には、再熱除湿運転のドライではなく、弱冷房運転のドライが良いでしょう。
  • 洗濯物を室内干しする部屋には、再熱除湿機能が付いたエアコンを選ぶことをオススメします。除湿機よりも早く洗濯物が乾きます。
  • 再熱除湿機能が付いたエアコンは、各社から販売されています。

 

このエントリーの参考資料
 室内環境と湿度 ~効果的な除湿とは~ 九州芸術工科大学 客員教授 北原博幸[PDFファイル]

土台の継手

2009年07月15日

土台継手 板橋区に工事中 品質チェックの土台敷き確認へ。

 

梅雨明けした東京は暑いです。

 

この現場、先週土台敷きをしているのですが、土台の継手の真上にアンカーボルトがきていました。

原因はプレカットの加工指示ミス。

 

そのため、プレカットをやり直し、本日2度目の土台敷きです。

今度は土台継手とアンカーボルトの位置関係はバッチリ!こうでなくっちゃ

夏の時期、屋根の表面は何度?

2009年07月16日

板橋区で建て方の確認をした後、豊島区の現場へ。

 

室内では、家具工事中。
前回の確認事項を見たあと、屋根に上って表面温度を計測してみました。

 

屋根の温度 この時期、最も日射量が多いのは水平面で、1平方メートル当たり 1,000ワット近い熱量を受けます。

 

普通の住宅で水平面に最も近いのは屋根です。
そのため、屋根が暑くなり、屋根の温度は70~80℃くらいになることは珍しくありません。

 

この熱を、お湯を作ったりすることに使えないかと、もったいなく思います。 

 

余談ですが、屋根断熱で外張り断熱とした場合、その断熱材に押出発泡ポリスチレンフォーム(XPS)を使っていることが多いと思います。

 

しかし、押出発泡ポリスチレンフォームの加熱変形温度は、短期80℃、長期70℃が一般的。屋根材と断熱材の間に空間が無い納まりとした場合、長期的に見て大丈夫なんでしょうか。
フェノールフォーム系は、加熱変形温度が100℃を超えていますので、大丈夫だと思いますが。

素朴に疑問に思います。

建物の省エネは、ハイテクではなくローテクで。鎌倉市における日本初のパッシブハウス

2009年07月20日

北海道住宅新聞 2009年7月15日号 パッシブハウス 7月15日号の北海道住宅新聞で、神奈川県鎌倉市で建設されている、日本初のパッシブハウスが取り上げられています。

 

この物件は、日本国内で初めてドイツ基準をクリアした、本物のパッシブハウスとなる予定です。

 

壁の断熱材の厚みは、240mm。
充填断熱+外張り断熱(付加断熱)の併用。
サッシは木製サッシで、内部には断熱材入り。建物がこの位の性能になると、オール樹脂サッシでも性能が足りません。

 


建物の熱損失係数Q値は0.7W/m2
隙間相当面積C値は、0.02cm2/m2と、「1桁間違っているんじゃないのか?」というほどの高い性能です。

 

設計は、女性の建築家・森みわさん。
ドイツとアイルランドに10年間滞在し、現地の設計にも詳しいようです。突如として現れた、世界標準を知った、省エネ住宅の新星という印象です。
書籍『世界基準の「いい家」を建てる』も最近出されたので、すぐに買って読んでみましたが面白かったです。
(書籍の感想の詳細についていつか)

 

前置きが長くなりましたが、私が全くその通りだと思ったのが、北海道住宅新聞の「編集長の目」というコーナー。
今回のこのパッシブハウスに関して、以下のように書かれています。

北海道住宅新聞 2009年07月15日号からhttp://www.iesu.co.jp/article/2009/07/20090715-1.html


  日本の次世代省エネ基準を筆頭とする省エネ住宅は、Q値などを規定していてもその結果暖冷房消費がどうなるかを明示しない。また温暖地域では、住宅の省エネを高効率給湯設備と太陽光発電などのアクティブ技術(ハイテク)だけで達成しようという考え方に流れつつある


 森さんはそれは違うと考えている。
EUでは暖房燃費を表示しなければ家の貸し借りすらできなくなっている。そして住宅省エネの基本は、断熱構造化(ローテク)であることを忘れてはいけないという主張だ。


全くその通り、と思いました。

 

日本のハウスメーカーの「エコ」住宅を見ると、太陽光発電や高効率給湯器、燃料電池などの採用ばかりが目立ち、建物そのものの高性能化が進んでいません。

 

ローテクにより、建物そのものの性能が上がってしまえば、関東では暖房装置そのものが要らなくなってしまいます。

 

以前、メルマガでも書きましたが、太陽光発電や高効率給湯器、エネファームなど燃料電池の採用は、建築の技術者は何も頑張っていないと思っています。

頑張ったのは、太陽光発電で言えばシャープ、サンヨー、京セラ、三菱電機など、電気業界の技術者。
建築の関係者は、「取り付けただけ」で、技術的なものは荷重の検討くらいでしょう。

 

断熱材を厚くするというのはローテクではありますが、細かく計算するのは大変です。
今回のこのパッシブハウスでも、ドイツの基準をクリアするため、また、建設費用を抑えるため、様々なシュミレーションをしたと書籍に書かれています。

 

冷暖房負荷の計算は当然ながら、近隣の住宅の条件による日射のシュミレーションも行なわれたようです。

 

これに対して現在、関東で一般的な住宅メーカーでは、エアコンの算定は単純に広さだけ。
あるいは「引渡し後にご自由に」という感じで、エアコンの機種選定を含めて居住者任せとなっており、冷暖房負荷の計算のかけらもありません。分譲住宅はほとんどこのケース。

 

今回のこのようなパッシブハウスの建築が行なわれることで、「ローテクによる」建物の省エネが進むことを期待します。

「こんな光熱費はありえない」RC外断熱の居住者から

2009年07月30日

約1年前にお引渡しが終わった、過去のご依頼者からメールを頂きました。

 

外断熱の施工風景 物件は、都内に建つ鉄筋コンクリート(RC)外断熱。
断熱材の厚みは80mm前後(外壁仕上げにより異なる)、サッシはオール樹脂のLow-Eペアガラス。
右の写真は、当時の施工の様子です。

 

こちらの物件は当初、普通の内断熱の建物でしたが、弊社にご相談いただいたことで、(ごり押しで?)外断熱に変更となりました。 

 

メールによると、1年点検を行なった際、設計者にガス・電気代をお伝えすると、ビックリされたとのこと。
「この光熱費はありえない(ほど安い)」
とおっしゃっていたそうです。

 

物件の床面積が普通の一戸建ての4棟分くらいありますので、絶対的な金額だけで見ると普通の一戸建てより高いものの、1平方メートル当たりの光熱費で考えると安め。

100m2の一戸建てに換算すると、電気とガスの光熱費が、8月で10,000円未満、冬の1月で 12,000円未満に収まることになります。
ちなみに現在、暖房はガスの床暖房がメインになっています。設備の更新の際、暖房の熱源をガスからヒートポンプ温水器にすることでもっと安くなるでしょう。

 

外断熱を採用したことで、建築費のアップにはなりましたが、光熱費の削減、建物の耐久性の向上、快適性の向上という面で、大きなメリットになったのではないでしょうか。

 

RC外断熱を採用して頂いたご依頼者、設計者、施工者に感謝します。

エネルギーソリューション&蓄熱フェア'09。ヒートポンプの今後

2009年07月31日

ヒートポンプや電気に関する様々な展示が行なわれた、エネルギーソリューション&蓄熱フェア'09に行ってきました、

展示品には、個人向けの設備としては全く関係のない大規模な設備も。

 

例えばターボ冷凍機。
大規模なビルや、半導体工場など冷房負荷の大きなところで採用される設備です。
最も小さなものでも、定価で 4,000万円とか。
ちなみに世界最大のターボ冷凍機は、みなとみらい21の地域冷暖房に採用されています。

2009.06.01 世界最大の電動ターボ冷凍機を導入し、運転開始[PDF]
 http://www.mm21dhc.co.jp/pdf/090601_fix.pdf


ターボ冷凍機の何が凄いのかというと、その効率。
部分負荷(負荷が小さい場合)のCOPが、20を超える商品まで出ています。
半導体工場の実測において、年間の平均COPが10を達成したところもあるとか。物凄い省エネです。


これらの他、展示品で気になったものは以下のようなものです。

 

ダイキンのDESICA(デシカ)

ダイキン DESICA(デシカ) 以前のエントリー、「除湿を考える。コンプレッサー式・デシカント・ゼオライト式の除湿機か、再熱除湿式のエアコンか?」でも書いた、ダイキンのDESICA(デシカ)

これまでの方法とは違った方法で、効率よく除湿・加湿できる装置です。
給水設備が不要なまま、加湿できます。

エアコンを使っていると、一定の温度になったときに、湿度だけが上がっていく場合があります。
室温が設定温度になると室温を下げる必要がないため、それに伴った除湿ができないために起こる症状です。

しかし、このデシカのような方式であれば、そのような状態を防げるでしょう。

展示ブースでは、ストリーマDESICA(デシカ)という、消臭機能がついた商品も発表されていました。
病院や老人福祉施設で良さそうです。

 

ゼネラルヒートポンプ工業の「湯もでーるマルチ」

ゼネラルヒートポンプ工業 湯もでーるマルチ ゼネラルヒートポンプ工業は、一般住宅ではあまり馴染みがありませんが、様々なヒートポンプ商品を作っている会社です。
以前このブログで取り上げた、軽井沢の星のやでも、こちらの会社のヒートポンプが様々な箇所で使われています。


夏の時期に冷房を使うと、エアコンの室外機からは熱い風が出てきます。

「湯もでーるマルチ」は、この熱を使ってお湯を作るヒートポンプです。
お湯の需要と、冷房の需要がある建物で使えそうです。

 

調理場でお湯が必要で、冷房需要が大きいレストラン、ラーメン屋、うどん屋、そば屋、スーパーなどではどうでしょうか。
冷房だけでなく、お湯を作るエネルギーも効率としてカウントできるので、COPが6.19と高くなり省エネです。

 

矢崎総業の太陽熱集熱器対応型エコキュート

太陽熱集熱器対応型エコキュート yazaki 私の、2009年 7月29日号のメルマガでも取り上げた、この商品。

太陽熱を利用するということは、一次エネルギー消費や、CO2の排出という点から見ると、とても優れた商品です。


エコキュートの電気代が安いという点から、経済的には厳しい商品ではありますが、このような商品を発表・販売する矢崎総業は偉いと思います。

 

家庭用燃料電池 エネファームに 1台140万円もの補助金を出すのであれば、約 5件の家に約30万円ずつこのような商品にお金を出してこれまでのエコキュートとの差額を埋める方が、国全体として一次エネルギーを減らせると思います。

 


日本のヒートポンプ技術は世界一進んでいると言われています。
私自身、COPが4とか言われても、エアコンのCOPが6を超えている今日では、「ふぅん」で終わってしまいますが、世界的に見たらCOP4でも十分に立派です。

私は、長期的に見て100℃以下の熱需要に関しては、化石燃料からヒートポンプに置き換わり、ガスは厨房程度しか残らないと思っていました。

しかし、エネルギーソリューション&蓄熱フェア'09にあった、オール電化厨房を見ていると、厨房さえも危うい感じです。


ガスよりも冷房の熱負荷が小さいという点から、今後は店舗の厨房でも電化が増えていくかも知れません。

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