木部は熱橋か否か。階間部の断熱補強
建物の断熱のことを調べていくと、木材の部分が熱橋(サーマルブリッジ、ヒートブリッジ)なのか、そうでないのか判断が分かれている場合があると思います。
木材は、コンクリートや鉄と比べると熱を伝えません。
しかし、断熱材と比べると、3~4倍の熱を通してしまいます。
建物のQ値(熱損失係数)が次世代省エネ基準ギリギリをウロウロしているレベルでは、木部の熱橋というのは大したものではありません。
しかし、建物全体の省エネ性を高めていくほど、木部の熱橋というのは無視できなくなります。
例えばダイエットのとき、おなかの贅肉がたくさんある時には、二の腕などの贅肉は気にならないでしょう。
しかし、おなかの贅肉が無くなったときには、他の部分が気になってくると思います。
建物の省エネもダイエットと同じ。
いかに、無駄なものを減らせるかということですので、性能を上げるほど細かな部分まで気になってきます。
先日の断熱材吹き付けの現場では、1階と2階の間に、断熱材が吹きつけられていました。
1階と2階の間、2階と3階の間などの空間を、「階間部」といいます。
この作業者の方は、階間部の断熱補強のため、写真の位置に断熱材を吹きつけています。階間部は一般的に木部だけとなり、断熱上の弱点になるためです。
考えてみると、一般的なグラスウール、ロックウール、セルロースファイバーなどの繊維系断熱材による充填断熱では、階間部の断熱補強はできません。
このような場合には、板状の断熱材を内側から貼り付けるか、木部の間に挟みこむ施工になります。(現実的にほとんど行なわれません)
断熱施工の依頼の際、階間部の断熱補強は特にお願いしていません。
しかし、こちらの断熱施工業者さんは良く分かっていますので、何も言わなくても施工して頂きました。さすが、断熱の専門業者さんです。
以前このブログで取り上げた、熱損失係数(Q値)・暖房エネルギー計算プログラムのQPEXでも、階間部の検討項目があります。
建物の熱損失係数Q値が1.0を切るような建物は、ほとんどが充填断熱と外張り断熱(付加断熱)の併用です。
これは、建物の性能を高めていくと、木部の熱橋を防ぐための施工が必要になるためで、その方法の1つとして外張り断熱が採用されます。
長くなりましたが、
「建物の性能が低いレベルでは木部は熱橋というほどでもないが、建物の性能が高くなるほど、木部の熱橋は無視できなくなる」
と言えると思います。



