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木造在来工法の金物選定の間違い。柱が持ち上がる!? ~告示平12建告第1460号 第2号 N値計算~

2009年01月19日

現在、設計打ち合わせ中の、一戸建て品質チェックの物件。
着工前・確認申請前に図面の確認をするため、ご依頼者に図面を送って頂きました。

 

金物の配置図を見て、すぐに間違っていると思ったのが、下の図面。

 

N値計算の間違い

どこが間違っているのか分かるでしょうか。
木造在来工法の設計に関わっている人であれば、分かって当然? 

分からないとマズイかも。
赤く塗った柱のどこかに間違いがあります。

 

物件の設計は、ケンチクカと呼ばれる方。
建物調査がらみの仕事をしていると、どうしても、ケンチクカは苦手になりますが、今回もそんな感じ。
先方のメールの返信では、「告示平12建告第1460号の規定に基づき、接合部の構造方法を決定しています。」とありましたが!?

 

在来軸組工法では2000年以降、告示平12建告第1460号で書かれているように、金物を選ぶ必要があります。これにより、平屋でもホールダウン金物が必要になりました。

 

しかし、2階建て木造住宅において、建築士が確認申請を提出する場合、金物選定の結果は提出の義務はありません。
(一般の方が住宅を建てられる場合、建築士に委任状を書いて、代理申請してもらうのが普通です)
金物選定の結果を提出しなさいと言われる審査機関もあるようですが、少数派です。

「告示に従って計算しなさい、書類も作りなさい。」
「でも、確認審査のとき、書類は出さなくてはいいですよ」

という、変な法律なのです。建築の世界では、4号特例と言われます。 

 

今回、ご依頼者は弊社の品質チェックをご希望のため、着工前に直すことができます。
しかし、ご依頼が無かった場合、このまま何事もなく建築確認を申請し、着工し、完成していたかもしれません。

 

さて、間違いの答えですが、1階の柱脚に取り付けられる、ホールダウン金物が間違っています。
HD10とは、約1トンの力に耐えられる金物と指示されているということです。

 

ホールダウン金物の例 今回の筋かいの配置の場合、1階の柱脚に取り付けられる金物は、告示平12建告第1460号の表から金物を選ぶ場合には、35kNのホールダウン金物。


N値計算で計算した場合でも、25KN(約 2.5トン)の金物が必要になります。

 


ちなみに、今回の物件が平屋建てだとしても、1階の筋かいの配置から金物を求めると、ホールダウン金物は15kNのものが必要になります。

 

従って、10kNの金物では、耐力が足りないのです。
10KNと25kNの金物では、10kN → 15kN → 20kN → 25kNと、3ランクも耐力が違います。

 

この金物選定では、地震の際に柱が持ち上がってしまう恐れがあります。

 

長くなりましたが、2階建ての建物の角部に筋かいがたすき掛けで入っていて、ホールダウン金物が無い、あるいは10kNという小さなものが指示されている場合には、疑う必要があります。

 

ちなみに、今回のように金物の計算が間違っている、あるいは行なっていないという物件を、過去に何度も見ています。
小さな建売業者、小さな不動産屋の建築条件付物件では、特にご注意を。


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