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標準仕様の変更

2008年11月01日
晴天

午前中、地鎮祭へ。

土地選び、施工業者さんを選ぶ段階からのご依頼です。
晴天の中、めでたく地鎮祭となりました。 こちらの設計者は、過去の品質チェックご依頼の設計者と同じ方。久しぶりにお会いしました。


この物件ではご依頼者に対して、設計段階でのアドバイスも行っています。

その中に、給排水関係の交換に関するアドバイスをしました。


 すると地鎮祭の前に設計者の方から、

「(この給排水管仕様の方が良いので)来春からこの仕様が標準になるよう、社内的に進めています

というお話を聞きました。

いや~、嬉しいですね。

私が、工事の最初から最後まで見られるのは、年間でせいぜい30~40棟でしょう。

しかし、私たちのアドバイスにより建物の標準仕様を施工業者さんが変えてくれれば、年間数百棟程度は珍しくなく、数千棟に対して品質、耐震性、耐久性などの。向上が見込めます。

 

これまで、雑誌の取材等を通じて、4年ほど前は120mmが一般的だった基礎の立ち上がりの幅が150mmに各社グレードアップしたり、面材耐力壁を標準採用とした会社があったりしました。

サッシの仕様も徐々に各社上がっている印象です。


私たちがチェックなどで関わることのできない物件においても、私たちの情報発信・アドバイスなどで、施工側の仕様が上がるというのは本当に嬉しいことだと思ってます。

 

オマケ
この日の別の現場において、給排水関係の交換に関する話を現場監督さんとしていたところ、「30年後のことまで考える必要があるんでしょうか」と言われました。
この温度差は・・・。

基礎コンクリート打設立ち会い

基礎コンクリート打設

地鎮祭の後、電車で東に60km移動し、品質チェックの基礎コンクリート打設立ち会いへ。


地鎮祭の後、駅まで走ってギリギリでした。


コンクリートの打設は1時間半ほどで大きな問題なく終わり。


今度は、35kmほど西に戻って、別の品質チェックの現場で基礎の配筋検査。


やはり、今日は電車で良かった。こちらも時間ギリギリ。
車だったら間に合わなかったかも。


今月は着工数が多いので、日程の確保が大変になりそうです。

エコヌクール。ヒートポンプ式暖冷房システム。床暖房や床下暖房に

2008年11月06日

下の写真は、完成間近の一戸建て品質チェックの物件で撮影したもの。
さて、これは何でしょうか?
左側のものは、エアコンの室外機のようです。

三菱電機 エコヌクールピコ ヒートポンプ温水器

そもそも、ブログのエントリータイトルでバレバレのような気もしますが、これは、三菱電機のエコヌクールという商品。

空気の熱でお湯をつくり、床暖房や床下暖房、パネルヒーターの熱源として使うものです。

原理は、普通のエアコンと全く同じ。
違うのは、エアコンは温かい風を室内に送るのに対し、エコヌクールは温水を送り出すということです。

 

システムの簡単な説明を。
まず、室外機によって、空気中の熱を奪って熱交換器に移動させます。

エコヌクールの仕組み


専門的になりますが、この時の冷媒は普通のエアコンと同じR410Aです。CO2冷媒ではありません。(用途的にCO2冷媒は不向き)


熱交換器は、写真にあるように発泡スチロールの中。
少しでも放熱ロスを少なくするために、断熱材に包まれている訳です。

エコヌクールの熱交換器

熱交換器を通った温水は、下側に設けられている配管から出てきます。

エコヌクールの温水取り出し

専門的に言うと、配管の取り出しはR3/4。
架橋ポリであれば、20Aで取り出し。

配管の方式は、開放型と密閉型が選べますので、パネルヒーターもOK。


エコヌクールの標準では、今回のケースのように、熱交換器のすぐ下にヘッダーと熱動弁を配置します。
放熱ロスを1ワットでも減らしたい場合には、熱交換器をヘッダーごと建物の中に入れてしまえば、放熱ロスは 室外機 ←→ 熱交換機の配管部分のみとなります。


温水温度は最高で55℃です。
(エコヌクールピコのみ、60℃という設定があります。)
床暖房としては十分な温度。パネルヒーターにはやや低めの温度ですが、建物の断熱性能が出ていれば、大丈夫。



建築に関わっている人でもあまり知らない商品ですので、専門家向けにやや難しく書いていますが、結局何が凄いのか?

それは、ランニングコストです。

温水式の床暖房というと、ガスか?灯油か?などと言われますが、本質的な部分で言えば、「お湯が流れれば、熱源は何でもいい」のです。

だったら、ランニングコストは安いほど良いと思います。

 

ランニングコストは、都市ガスの約3分の1。灯油よりも安い

ランニングコストは、都市ガスの3分の1程度です。
今年は去年よりも灯油が安いですが、それよりもエコヌクールの方が安価です。

 

何も燃やさないので安全

エコヌクールは、都市ガスや灯油のように火を使うことがありません。
そのため、火災の危険はなく、温水の温度も55℃と比較的低温のため、安全です。

 

立ち上がりはどうなの?

床暖房といえば、よく言われるのが立ち上がりに必要な時間。
しかし、私はあまり気にしません。

そもそも、床暖房をメインの暖房とするのであれば、頻繁にオンオフするのではなく、ずっとつけっぱなしが理想。

「それだと暖房費が」
と思われるかも知れませんが、先に述べたようにランニングコストは、一般的な都市ガスと比べて3分の1程度。

逆に言えば、「同じコストでも3倍の時間、暖房できる」のです。
つまり、都市ガスの床暖房で8時間使う予定であれば、同じ費用で24時間暖房が可能となります。

24時間暖房となれば、立ち上がりの時間は関係ありません。

 

寒い地域ではどうなの?

氷点下25℃まで使えますので、北海道でも使えます。
ただし、効率は低下します。

エコヌクール 熱源機最大能力特性

上のグラフは、エコヌクールの技術資料によるものです。
ヒートポンプの特性上、外気温度が低下するほど能力が低下してしまいます。

しかし、日本の人口の約8割が住む次世代省エネルギー地域区分IV地域以南では、氷点下になる日は少ないのです。
建築地の外気温を調べ適切な機種を選ぶ他、建物の断熱性能を高めることで十分対処できる範囲だと思います。


また、あまり言われませんが、ヒートポンプ式の暖房能力は、外気温度が7℃のときの性能です。
7℃を上回る外気温度の場合、カタログ値よりも性能が高くなり、省エネ性が増します。

最近の気温のように、最低気温が10℃~20℃程度の場合には、効率がカタログよりも良くなっているはずです。

これは、外気温と燃料の単価に関係がない、灯油・ガスとの大きな違いかも知れません。

 

深夜電力を使った、蓄熱式床暖房と比べてどうなの?

深夜電力を使い、コンクリートに埋め込んだ電熱ヒーターを暖め、床暖房として使う蓄熱式床暖房というものがあります。


深夜電力を使うと、昼間の3分の1の電気代で済みますから、一般的にコストが安くなるとされます。
しかし、深夜が安くなる代わりに、昼間の電気代は高くなります。

(深夜電力は、発電所で深夜に電気を作ると 安くなるのではなく、単なる商売上の安値販売です。) 


ヒートポンプを使った場合、深夜電力のように時間帯に関係なく、電気代は電気ヒーターなどの暖房と比べて、3分の1 ~ 4分の1になります。

深夜電力とヒートポンプを同時に使うと、電気代は9分の1程度になります。
ヒートポンプを使った「エコキュート」のランニングコストが、1ヵ月で1,000円程度とされるのは、この理由のためです。


ヒートポンプで暖房をする場合、時間帯に関係なく実質的な電気代が安くなりますので、深夜電力はあまり考えなくても良いのではないかと思います。


ヒートポンプの特性を考えれば、気温の下がる深夜よりも、あたたかい昼間に動かした方が効率は上がります。

 

実は、冷房にも使えます

エコヌクールはエアコンと同じ原理なので、冷水を作ることができ、技術的には冷房にも使えます。


ただし、普通の床暖房で冷房することは無理です。
部屋が冷えるほど床面を冷やすのは可能ですが、床面が結露してビショビショになってしまうからです。

床面が結露しないほどに冷やした場合、相対的に室内の湿度が上がってしまいますので、 快適とはいえないかも知れません。


冷房の可能性としてはパネルヒーターがありますが、結露水が出ますので、水の対策が必要です。

 

ヒートポンプの効率は、これからまだまだ上がる

エコジョーズと呼ばれるガスの高効率給湯器の効率は、90%ほど。
既に、エコジョーズの排気温度は50℃程度と低温になっていることや、ガスの燃焼の時には、ガスの持つエネルギーが光や音に変わってしまいますので、これ以上の効率アップは難しいでしょう。
ましてや、効率が100%を超えることはあり得ません。


これに対して、エコヌクールのようなヒートポンプ温水器の効率は、300%~400%程度。外気温が下がって悪くなったとしても、100%は軽く超えます。

温水用のヒートポンプの効率は、理論値では現在の2倍以上に高められますので、600%~800%のような、さらなる省エネ化が期待できます。
少なくとも、10年後の同様の機種は、現在よりも省エネになっています。


まだまだ、効率の向上によるコストの削減が見込めるのがヒートポンプ技術なのです。

ヒートポンプ式温水暖房のデメリットは何?

ヒートポンプ式温水暖房の一番の問題点は、「商品そのものが知られていないこと」かも知れません。 

そもそも、建築の関係者でも、ヒートポンプの基本的原理を理解している人が少ないように思います。


この他、商品の製造元が少ないのがデメリットです。
結果として、競争原理が働かず、価格競争が起きにくいといえます。
ちなみに、楽天市場で調べてみると、エコヌクールの熱源機は、一式で30万円ほど。 


現在、暖房用のヒートポンプ熱源を製造しているのは、私が知る限り以下の通りです。

 ・三菱電機 エコヌクール
 ・ダイキン ホッとエコフロア
 ・長府製作所 温水床暖房付きエアコン

この他、エコキュートに床暖房が付いているのもありますが、能力的には、エコヌクールやホッとエコフロアより小さくなります。


専門的になりますが、この中で密閉型の回路(循環液が空気に触れないためパネルヒーターが使える)を組めるのは、エコヌクールのみです。


原理はエアコンと一緒なのですから、現在、エアコンを製造している会社であれば、ヒートポンプ温水器も作れるはず。
もっと多くの会社が、参入して欲しいものです。個人的には、厳寒地でも強力なヒートポンプエアコンを作っている、日立や富士通ゼネラルに期待します。

 

長くなりましたが、このような商品が出ることで困るのはガス会社でしょう。
ガスの床暖房のメリットのほとんどは、単なる温水床暖房のメリットですので、お湯の温度が同じであれば、結果も同じです。

それでいてランニングコストが安くてオール電化にも出来るのですから、今後、ガス会社は厳しくなりそうです。

次の省エネ基準の方向性は?次世代省エネ基準と比べてどうなるか

2008年11月07日

北海道以外では、お世辞にも他の先進国と比べて厳しいとは言えない、日本の省エネルギー基準。

来年4月に施行されると言われる次世代省エネ基準の改正ですが、意外と(?)厳しくなりそうです。

 

北海道住宅新聞 2008年11月5日号 北海道など、現在のI地域においては、Q値 1.3W/m2・Kという記事が、北海道住宅新聞に掲載されています。

 

Q値の算出において、熱交換換気装置の有無がどのようになるか分かりませんが、熱交換換気無しでQ値1.3だとすると、厳しい基準です。


よく、「充填断熱か?外張り断熱か?」などと議論されることがありますが、このレベルになると、どちらでもありません。


以前からこのブログなどで書いているように、最終的に建物の省エネを追求していくと、「充填断熱と、外張り断熱の両方」になるからです。


Q値1.3を熱交換装置無しで達成するためには、外壁の断熱材は200mm程度になります。この厚みは、充填断熱、外張り断熱どちらか単体でのクリアは不可能といえるでしょう。


次世代省エネルギー基準において、日本で最も寒い地域であるI地域が厳しくなるのは良いのですが、その他の地域も厳しくならなくては、日本全体で意味がありません。


下のグラフは次世代省エネルギー基準の地域区分と、当時の(市町村合併前の)国勢調査から、地域別の人口割合を示したものです。

次世代省エネ地域区分の人口割合

このように、日本のほとんど(約1億人)は、次世代省エネルギー基準でいう、IV地域に住んでいます。

そのため、人口の4%が住むI地域だけが厳しくなったとしても、日本全体では省エネになりません。


それでは、人口が多いIV地域において、現在予想されている改正後の次世代省エネ基準のQ値はというと、北海道住宅新聞によると、1.9W/m2・K。


現在の、2.7W/m2・Kと比べると3割厳しい値です。

熱交換装置無しでQ値1.9となるのであれば、妥当なラインだと思います。


熱交換無しでQ値1.9にするためには、アルミサッシという選択肢は消えるでしょう。最低でもアルミと樹脂の複合サッシになります。
オール樹脂サッシも一般化しそうです。

ガラスは、Low-Eペアガラスが標準になると思います。
既に大手ハウスメーカーでは、Low-Eペアガラスが標準ですので問題ありません。
居室のみペアガラス(他はシングルガラス)というのは、選択肢に入りません。

 

鉄骨系の大手ハウスメーカーのQ値は、現在のところ、2の前半。
さらなる建物の高断熱化が必要です。

Q値1.9という値は、木造でも鉄骨でも、結構頑張らないと難しい値ですので、本当にこの値に決まるのであれば、歓迎ですね。
私は、最低ラインとして、IV地域でQ値2.0以下にするのが良いと思っていたからです。

 

最終的に、新しい省エネ基準は、どのようになるのか?
「建物の断熱性が低くても、設備が省エネであれば、OK」という、「逃げ」の選択肢は、準備して欲しくないです。

建物そのものの断熱性は、設備に関係ありませんが、設備は10年~20年ほどでダメになってしまいますからね。

図面の山

2008年11月13日

軽井沢で、設計コンペで決まった物件の現場チェックと打ち合わせ


打ち合わせの場所には図面がたくさん。
外は真っ暗で吐く息も白いです。


軽井沢

2008年11月26日

軽井沢で工事中の現場へ


プリンスホテルスキー場は滑走可能で、スキーヤー、スノーボーダーがチラホラ。


天気はいいけど肌寒いです。


設備関係の打ち合わせ

工事の打ち合わせ中。

打ち合わせに参加しているのは、ゼネコンの現場監督さん、設計担当者、設備設計担当者、暖房装置のメーカーさんに、設備屋さん、電気屋さん、浴室のろ過装置屋さん、セキュリティ屋さん。

たくさんの人が打ち合わせに関わってます。
いろいろなアイデアが出てます。
私の提案もたくさん。

というか、暖房も換気も断熱も、ほとんど私の提案だったり…。

設計コンペで決まった物件は、こちらの融通や提案が効くのがメリット。

寒い地域の暖房計画は難しいけど楽しいものです。

それにしても、完成が楽しみな物件です。
設備屋さん、基礎のスリーブが多いので、入れ忘れが無いようにして下さいね!


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