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箱根の現場チェック

2008年10月01日

箱根で建築中の、品質チェック物件。

勾配天井の開放感が気持ちいい。
ツーバイでは屋根で水平強度を確保するので、このようなのは簡単。

これに対して 一般的な在来工法では、屋根で水平強度を取るという発想ではないので、角部分には火打ちが入るのが普通。
在来工法でも、屋根だけツーバイの作り方にすれば、勾配屋根にしても火打ちを省けます。

物件では、半地下部分の換気の取り方が少し懸念。
湿度が高い場所では、下手に床下換気口を設けるより、密閉して乾燥空気を回したほうが、床下は年間を通して乾燥します。

床下換気口は、床下環境改善のための、単なる「手段」のひとつであり、それを設けるのが「目的」ではないのですが、目的と手段が逆になっていることが少なくありません。

ツーバイフォーの吹き抜け

2008年10月04日

品質チェックの現場に、ツーバイフォーのフレーミング立ち会いへ

写真は吹き抜け部分。
ツーバイフォーは基本的に通し柱に相当するものはありませんが、吹き抜けがあると別。

風に耐えるため、通し柱の形にして、サイズもツーバイシックス(140mm)以上にします。


構造用合板の釘の間隔、 50mm

免震装置が入っている、このツーバイフォーの一戸建て物件。

耐震性を高めるために、外周部の構造用合板を留める釘の間隔が50mmになっています。
工場で釘を打っているので、間隔もめり込みの程度も綺麗。

免震装置が入っているのに、上物の耐震仕様もこのように立派。
地震で大きく壊れる姿を想像できません。

売主さん、気合い入ってるなぁ。


構造計算書は良かったものの・・・。シンガポールの電子確認申請、自動法規チェックシステム CORNET

2008年10月05日

横浜へ、一戸建ての、ホームインスペクション(住宅診断・住宅検査・建物調査・建物診断)に。
現場の近くで、2年前に引渡しが終わっている、一戸建て品質チェックの物件があり、懐かしく思いました。

今回は、私を指名して頂きました。最近、指名の業務が多いような気がします。ありがとうございます。日程が合えば喜んで伺います。
(基本的に私の日程は、一戸建て品質チェックのサービスご依頼者優先なのです。)


物件は、混構造の3階建て。
確認申請書に添付されている構造計算書を軽くチェック。フムフム。
品確法で言うと、耐震等級2相当かな。


続いて基礎伏図と土台伏図を確認。


すると、アレッ?と思う箇所が。

それが次の写真。
構造計算書の、柱脚の引張り力のページはこのようになっていました。

構造計算書


これだけでは間違いが分かりません。
次に、基礎伏図。
基礎伏図
 
私はこれで、アララ・・・。と気が付きました。
次に、基礎の上に載る、土台伏図。
土台伏図
 

図面の不整合に気が付きましたでしょうか?

答えはこちら

構造計算書と、基礎伏図、土台伏図の不整合

構造計算書で、「15kN(約1.5トン)に耐える金物が必要ですよ」となっていますが、基礎伏図には、15kNに耐えるための、太さ16mmのアンカーボルトが指示されていません。

それに伴い、土台伏図でも、15kNの金物の代わりに、10kNの金物が指示されています。
これでは、構造計算書に沿っていませんので、計算通りの耐力は出ません。

 

ちなみに、この物件は、完了検査を受け、検査済証も取っています。
しかし、基礎伏図と土台伏図と、現場のチェックでは、気が付かないミスでしょう。
私も、その書類だけでの現場チェックだったら気が付いていないかもしれません。
構造計算書と、実際の施工図面を確認しないとわからない問題です。

是正の方法はいくつかありますが、今回のチェックで最も大きな指摘でした。

 

さて、このミスはなぜ起きたのでしょうか?
実はこのミス、パソコンのアプリケーションソフトの構成上、起きやすいものです。


構造計算は、専用のプログラムにて行います。
今回の場合、構造計算を行ったのは、KIZUKURIというソフトです。
非常にメジャーなソフトですが、筋かいの左右(地震力・風圧力の左右)を考えなかったりするところは、少し遅れているソフトです。


そして基礎伏図や土台伏図は、構造計算とは別のソフト(CAD)で行うのが普通です。
大抵は、フリーの、Jw_cadという2次元のソフトです。

現在、金型や自動車など、機械に関する業界では、有料の3次元 CADが多くなっていますが、建築業界では未だに2次元かつフリーのソフトが主流です。

 

3次元CADで建築の確認申請を受け付けるシンガポール政府と比べると、日本は遅れています。
シンガポールの確認申請は、6年前から3次元CADでデータ提出となり、24時間受付。
法規はコンピューターで自動チェックです。
シンガポールの自動法規チェックシステム CORNET[PDF]


確認審査機関の建築主事と向かい合って、人と人とのかけひきをしている日本より、ずっと進んでいます。
日本が、1人当たりのGDPでシンガポールに抜かれた理由が、確認申請1つでもわかるような気がします。

 

話がずれてしまいました。
とにかく、構造計算を行うプログラムと、図面化するためのプログラムが別々であることが多いため、そこには人が介入しなくてはならず、今回のようなミスが生じることがあるのです。

図面~構造計算~プレカットの指示までを一貫できる3次元CADが現在ありますので、そのようなCADを使えば、このような単純ミスは起きなかったでしょう。


建物の調査が終わった後、2年前に引渡しが終わった、品質チェックご依頼者の物件に立ち寄りました。
外での立ち話だけでしたが、「安心して住んでいます」という言葉が嬉しかったです。


オマケ
実は、基礎伏図と、土台伏図の間に、ホールダウン金物を除いた不整合がもう1箇所あります。どこでしょう?ヒントはアンカーボルト。

防水のための、透湿防水シートを留めるタッカーが・・・。

2008年10月07日

千葉県に、一戸建て品質チェックの、防水検査へ。

外壁の面材耐力壁には、MOISS(モイス)という材料が使われています。
真っ白で、外から見ても、室内から見ても綺麗な材料です。


しかし、釘打ちするときなど、ちょっと固い。
釘打ちの機械で打つ分には問題ありませんが、金づちで増し打ちする時に、固さが分かります。


そのちょっと固めのモイスの上には、防水のための透湿防水シートが張られ、タッカーで固定されていました。
タッカーとは、ホチキスのようなものです。


透湿防水シートを留めるタッカー その固定の様子が、右の写真。
おいおい!全然入ってないよ!!

タッカーの形は、マクドナルドか、東京メトロのマークのよう。


タッカーには、足の長さが10mmのものが使われていました。
一般的なものではありますが、モイスの固さにタッカーが負けてしまったようです。

タッカーには、足の長さが短い、8mmや6mmのタイプがありますので、近くのホームセンターで6mmのタイプを買ってきて実験。

すると、6mmのタイプならしっかりと入ることが分かったので、6mmタイプで全て打ち直してもらうことにしました。


前日に、ご依頼者から「タッカーが曲がっている」というご連絡を頂いていましたが、これほど曲がっているとは。
現場に行く前、現場監督さんに電話でタッカーの状況を確認した際、「いつもそんなもんです」と言われましたが、これは普通ではないでしょう。


私が現場に到着する前、施工業者が依頼した第三者チェックが入っていますが、タッカーに関する指摘は無かったそうです。

なんだかなぁ・・・。

雨の中の構造検査

2008年10月14日

雨の中、ツーバイフォーの構造検査。

図面が濡れてしまうと、ペンで書けなくなってしまうので内部から。

物件規模が大きいので、内部だけの確認でも3時間半。

外部は、土台周りの金物が未済なので、隣の棟と合わせて次回です。

明日も雨の予報ですが工事が延びませんように


太いホールダウン金物

2008年10月18日

ツーバイフォーの構造検査へ

写真は22mmの太いホールダウン金物。

免震装置が入ってて、部分的に合板の釘間隔が50mmになってて、さらにこの金物。

災害にとても強い建物です


よく見ると・・・

先のホールダウン金物、よく見ると締め付けるナットが間違ってました。

見づらい写真ですが、上が間違いで下が正解。

ナットの裏表が間違ってるんです。外して締め直しですね


住所がわからないときは、自動販売機を見ましょう

2008年10月20日

一戸建てのホームインスペクションでは、中古・新築問わず、いろいろな場所に行きます。


このとき困るのが、新築の場合の「住所」
マンションであれば、物件規模が大きいので、だいたいの住所が分かっていればたどり着けますが、一戸建てはなかなか難しい。
現場が分からずに、近くをウロウロすることもしばしば。


特に新築の場合、「住居表示」ではなく、「地番」が広告・契約書などに載っていますが、「地番」ではインターネット上の地図などで検索できません。


自動販売機の住居表示例 そこで役に立つのが自動販売機。
自動販売機には、大抵の場合、住所が表示されているからです。


従って、近くに自動販売機がある場合、そこで住所を調べて頂き、
「自動販売機がある場所から、西側に3軒隣です。」
などと教えて頂けると助かります。


建物の調査に限らず、災害や事故の時にも役立ちますので、「自動販売機には、設置場所の住所が書かれている」ことを覚えておくと良いのではないでしょうか。



オマケのリンク
 ・地番・住居表示入門
 ・土地の地番と住居表示 - 教えて!goo

FRP 防水の工事

2008年10月28日
FTP防水

品質チェックで、構造検査の是正確認へ。

現場では各業者さんや売主さんが集まって、工事の打ち合わせ中。


現場の建物に入ると、とても強い匂いが。

すぐに分かりました。
これはバルコニーのFRP防水工事の匂い。

完成後には何の匂いもしませんが、FRP防水の工事はすごく強いシンナーのような匂いがするのです。

匂いがするのは1時間ほどですが、かなり強烈。

職人さんも、マスクなしではできないと話していました。

 

構造の指摘箇所は、直っているところもあれば未済もあり。
工事の打ち合わせのため、現場には30人近くの人がいて、にぎやかです。

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