土曜日は、午前中の打合せを終えた後、学生時代の恩師である鈴木祥之先生の退職記念祝賀会のため、京都へ。
会場である京都大学百周年時計台記念館に到着すると、最初は記念の講演会。
これまでの鈴木先生の研究の歴史や、最新の研究が分かりました。
鈴木先生は、阪神淡路大震災を契機として木造関係の研究を行われており、現在では伝統建築の研究者として有名です。
少なくとも、伝統建築を学ぶ人で知らない人はいません。
木造の世界で鈴木先生は 2人みえるため、私たちは祥之先生と呼んでいました。
私が先生の下で学ばせて頂いたのは、1999年~2001年の 3年間。
そのため、それ以前の先生の研究についてはあまり知りませんでしたが、阪神淡路大震災より前の研究は、とても難解でした。
建築というより、数学者のような分野です。私の頭では理解出来そうにありません。
記念講演会の後は祝賀会。会場は、まるで同窓会のよう。
先生方や、先輩後輩、技官さんに、実験を手伝って下さった職人さんなど、懐かしい人達にたくさん会いました。
「緊急地震速報システムを支える人」で書いた後輩にも会いました。
先日の、緊急地震速報が遅れたというニュースについて聞いてみると、今、解析をしている最中だとか。
非常に優秀な彼女ですから、何とかしてくれるでしょう。
学生時代に研究で一緒だったある先生とお話した際、
「あの頃の実験が、一番楽しかったね」
と言われました。
確かに楽しかったです。実験は大変で、私は今よりも体重が10kgほど少なかったですが。
私が関わった1999年の実験は、伝統木造の振動実験として日本初。
当時は現在と違って、伝統工法の耐震メカニズムが分かっていなかった段階。
計測の方法については、手探りの状態で、試行錯誤しながら行っていました。
実験のノウハウを身に付けるに伴い、初年度は63箇所だった計測箇所は、2年後に約 3倍になっていました。(ちなみに、当初の63箇所の計測箇所というのは、当時の計測システムの最大チャンネル数であった64チャンネルに予備を1つ持たせただけのギリギリの数です。)
それぞれの計測器からは、1秒間に100個のデータが取得されますので、トータルのデータ数は膨大になります。
鈴木先生は、実験方法や計測方法がとても巧みで、他の研究者が行っている振動実験と比べても、実験そのものが上手いと思います。
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| 振動実験の計測器の様子。測りたい箇所が増える度に、計測器は増えるばかり。 計測器の選び方や、測り方もノウハウの1つ。 |
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木構造の研究者というのは全国的にとても少なく、大学の建築学科においても教える人が居ないという理由から、木構造のカリキュラムが無いということは珍しくありません。
木造の建物が多く、古い伝統建築がたくさんある日本ですが、木造の研究というのは細々と行われているのが現状で、とても狭い世界です。
京都には、伝統建築がたくさんありますが、鈴木先生の退職により、京都の大学には木構造の研究者が居なくなってしまいました。
今後は滋賀の立命館大学で研究を続けるということです。学生で、木造の勉強がしたい人は、立命館に行くのがいいかも知れません(?)
長くなりましたが、鈴木先生の下で木造を学ぶことが出来たのは、私にとって大きな財産です。
鈴木先生が伝統木造の研究を行っていなかったら、日本の伝統木造はまだまだ分からないところばかりで、伝統建築の耐震改修もすることが出来なかったことでしょう。
日々の建物のチェックでも、先生に誉められるような調査を目指すばかりです。
PS
行きも帰りも新幹線はN700系でしたが、違いはよく分かりませんでした。
普段から乗っていないからなのか、鈍感だからなのか。


