先日お伺いした、ホームインスペクション(住宅診断・住宅検査・建物調査・建物診断)での出来事。
当日の現場チェックに先立ち、図面を確認していると、図面の段階でいろいろな間違いが。
構造の確認は、まず構造計算書から。
この物件は2階建ての木造住宅ですが、構造計算書がありました。そういえば最近、木造2階建てでも構造計算しているケースが増えています。
その構造計算書に書かれている、耐力壁の配置はこちら
この時点では、特に問題ありません。
図面中の数字の意味は、以下の通りです。
2.0:シングルの筋かい(片筋かい)
2.5:構造用合板 片面張り
4.0:ダブルの筋かい(たすき掛けの筋かい)
5.0:構造用合板両面張り
この構造計算書は、現場で見るということはほとんどありません。大工さんも見ません。現場では、これを平面図に転記して記載していきます。
平面図に転記された後の様子は次の画像。
この平面図では、耐力壁となっている箇所は青く塗られていましたが、上部にあるはずの 2.5倍の耐力壁(構造用合板 片面張り)が無くなっています。
実際の施工では、外側の構造用合板を張らないと、壁面に段差が出来てしまいますので、張ってあると思います。
しかし、耐力壁かそうでないかは、同じ材料であれば釘の間隔などで決まります。大工さんがこの平面図通り施工していれば、釘の間隔などが規定を満たしていない可能性もゼロではありません。
実際の工事では、平面図だけでは家は建ちません。
部材の位置や太さを示した図面が必要です。
今回のケースは、1階での内容ですので、1階の床面の部材が分かる土台伏図という図面を見てみると、以下のようになっていました。
構造計算書・平面図ではダブルの筋かい(たすき掛けの筋かい)となっていた箇所が、土台伏図ではシングルの筋かい(片筋かい)に減ってしまっています。
最近は、筋かいを工場であらかじめ加工してくる(プレカット)ことが多くなっています。今回も土台伏図に筋かいが書いてあるということは、プレカットになっているのでしょう。
ちなみに、調査(インスペクション)の結果は、土台伏図に書かれている筋かいの施工になっていました。
建築基準法に対する耐力の余裕度が、1.02と2%の誤差しか許されない物件でしたので、今回の施工では即アウト。
修繕工事になりますが、かなりの手間がかかりそう。
構造計算~平面図~伏図の一貫プログラムで図面を作成していれば、このようなミスは起きません。
しかし現状では、構造計算、平面図、伏図を書いているプログラムは別々のことがほとんど。
もう少し詳しく言うと、それぞれの図面・書類を作っている人が別々です。
伏図を含めた、プレカットの加工図は、海外で書いていることもあります。(平面図のデータを日本から海外に送り、人件費の安い国でプレカットの図面化して送り返してもらう)
転記ミスの無いよう、十分なチェックが必要ですね。
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