« 2008年02月 | メイン | 2008年04月 »

HOME > 2008年03月 アーカイブ

« 2008年02月 | 2008年03月 | 2008年04月 »

地頭力はこう鍛える 東洋経済での、ちょっとしたショック

2008年03月04日

これから始まる品質チェックの図面を製本するため、製本屋さんへ行った帰りのこと。
さくら事務所に近い本屋さんの店頭に、「地頭力」はこう鍛える というタイトルの東洋経済が置いてありました。

地頭力を鍛える 中身を見ると、『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』という本を抜粋したような感じです。
先月にこの本を読んでいた私。
書籍には書かれていない例題が載っており、帰りの電車の中で読むため、迷うことなく東洋経済を手にして事務所に戻りました。

事務所に戻ると、机の上には買ったのと全く同じ東洋経済。
地頭力はこう鍛える 「メディア掲載のページにアップロードお願いします」という感じで置かれています。 (メディア掲載のページの画像のスキャンとアップロードは私がする事が多いのです)

東洋経済の中に挟まれた付箋部分を開くと、そこには長嶋さんの顔写真が。
雑誌に記事が掲載されると、サンプル誌が送られてくるのですが、まさにそのサンプル誌だったのです。

また、やってしまいました。

東洋経済やダイヤモンド、プレジデントなどの雑誌を私が本屋で買ってきた後に、同じものが事務所に届いているケースというのは、過去に2度や3度ではないのです。うーむ。

しかし、帰りの電車の中で、(自分で買った)東洋経済を読みましたが、面白い内容が多かったので良かったです。

今回の東洋経済の記事の元となっている、『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』についての感想です。

私は本の中で、
 「プロ」は「絶対的座標」を持っている
という点に、妙に納得しました。

建物の調査において、物件が「良い」「悪い」と判断できるのは、「平均」を知っており、その程度の座標が頭の中にイメージ出来るからです。

私の場合、建物の物件仕様を見たときに、頭の中でQ値(熱損失係数)とC値(すき間相当面積)の2軸で、無意識のうちに省エネの観点でのプロットを行っています。

これには問題もあります。個々のこれまでの経験によって、絶対軸の大きさが違うことです。
省エネ住宅に関わったり学んだりすることが無ければ、高い省エネ住宅の座標軸はその人の中に無いため、評価が出来ないのです。

内覧会のチェックでも同じです。
インターネットを探すと、内覧会のチェックシートなどは手に入るかも知れませんが、それだけで一般の人がプロと同じチェックをするのは難しいでしょう。絶対軸が無いか、あったとしても幅が狭いためです。

座標軸を作るのは経験だと思いますが、「良い物」を見て座標軸の軸の長さそのものを長くする必要があると、本を読んで思いました。

オマケ
Amazonで本を買うときに、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というのが出てきます。
先の、地頭力の本を買うとき、その表示に出ていた『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』という本も買いましたが、こちらも面白かったです。

アンカーボルトの樹脂製支持具

2008年03月07日

品質チェックの配筋検査へ

過去に何件も現場を見たことのある業者さん。
配筋を見るとちょっとこれまでと違うところが。

アンカーボルトの樹脂製支持具 それがこの写真。

これまでこちらの業者さんは、アンカーボルトを留めているのは金属製のものでしたが、この現場は樹脂製。
去年の夏頃にこのブログで取り上げたような商品(多分、同じもの)。
業者さんに聞いてみると、今年からこれに変わったのだとか。
施工も高さの調整もしやすいことから、職人さんには好評のようです。

「アンカーボルトを、精度の出にくい鉄筋に固定するのは良くない」と思われる人もいるかも知れません。「精度の出しやすい型枠に固定すべきだ」と。

しかし、こちらの業者さんの主筋は、D16であることが多く、D13に比べて通りの精度が出やすくなっています。
過去の物件でも、アンカーボルトが大きくずれていたことは無いので、慣れている職人さんであれば、これでも良いかと思います。

コンクリート用のミニポンプ

2008年03月08日

品質チェックのコンクリート打設立ち会い。
朝早くに家を出たのでちょいと眠い。

昨日入っていなかったスリーブを確認。朝早くに設備屋さんが来た様子。

昨日の配筋検査の時から置いてありますが、この現場には見慣れない物が。 それがこのコンクリート用のミニポンプ。
エンジンで動き、コンクリートを送り出します。
一般的にコンクリート打設の際には、ポンプ車を手配します。
しかしこの現場の基礎屋さんは、自前のこのミニポンプがあるので、大抵はポンプ車要らずだとか。

10年前に購入し、価格はポンプ車の10分の1。車じゃないので車検や駐車場代の維持費もあまりかかりません。

最近の一戸建は、
 ・レベルコンクリート(捨てコンクリート)
 ・ベースコンクリート
 ・立ち上がりのコンクリート
と、1現場で3回はコンクリートを流します。

年間に50棟前後は手懸けているという基礎屋さんですので、とっくに償却してますね。

ちなみにこのエンジン式の商品は既に製造されていないため、他の業者さんから「売ってくれ」と言われることが多いそうです。

電気モーター式のはあるけれど、大きな発電機も必要なのでなかなか数が出ないのだとか。

効率から考えると、エンジンで電気を作ってポンプを回すよりも、エンジンでそのままポンプを動かしてしまった方がずっと良いでしょうから、電化させるのも良し悪しですね。

釘の間違い  N釘とNC釘。釘を知らない大工さんが多いという現状

2008年03月11日

品質チェックの土台敷きチェックへ

大工さんと明日の建て方について確認。問題を未然に防ぐため、チェックポイントを大工さんから聞いてきました。

そこで私は、現場に入ったときに気が付いていたことを質問。
それが写真の釘。

これはNC釘あるいは、ロール釘と呼ばれる種類で、構造部分には使わない物だからです。
構造部分にはN釘(鉄丸くぎ)かツーバイ用のCN釘(太め鉄丸くぎ)を使う必要があります。

聞いてみると、2階の24mm合板を留めるために使う予定だとか。残念ながらNGです。
そもそも図面に、2階の床合板と屋根の野地合板にはN釘指定されてます。

この物件は図面段階から見ていますが、構造的な仕様を確認しているときから、細かな懸念がありました。そのため、構造的にあいまいな部分を無くすため、2階建てではありますが、ご依頼者に許容応力度計算による構造計算をお願いし、実行して頂いています。
構造計算を行った場合、NC釘を使うということはまずありません。計算上からも強度が出ないですし、各種の部材の固定はN釘以上が標準のためです。
従って、構造計算を行う=NC釘という選択肢は無くなるということです。

 釘の件を大工さんに指摘すると、

 ・そんな釘(N釘)は見たことも聞いたことも無い
 ・金物屋に75mmの釘というとこれが出てくる
 ・過去の物件でもこれを使っている
 ・元請けの担当者に指摘されたことも無い
 ・この近所では売っていないのではないか?

という返事が。

最近ではホームセンターでもN釘は売ってありますので、単に知らないだけです。

とりあえずこのままでは明日以降の現場がまずいので、現場監督さんに釘の手配を依頼。
しばらくすると返事があり、屋根野地合板用の釘は手配できたが、2階の床用のN75は明後日になりそうとのこと。
先に書いたとおり、最近ではホームセンターに売ってあるので買ってくればいいだけなのに…。近くに大きなホームセンターありますし。

その他、上棟後に使う金物を事前に確認しましたが、どうも金物の使い方に怪しいところがありました。
こちらの業者さん、少し前までは、柱と土台などを留める「かど金物」の釘に、金物用のZN釘ではなく、普通の釘を使っていたとか。この大工さんの言う「普通の釘」は、ZN釘より、N釘よりもさらに細い、NC釘のことですしね。

この物件は私が今後のチェックで問題の無いように是正してもらいますが、これまでの引き渡し物件は大丈夫なのでしょうか。年間に3桁引き渡しているという事でしたが。

ちなみに釘の種類の間違いは、在来工法しか作ったことの無い大工さんによくあることです。言わば在来オンリーの大工さんに特有の問題。

ツーバイでは、今回の問題になった釘そのものを構造部分で使わないので、まず問題ありません。

間違えてはいけない釘なのに、無駄に種類があるという現状。
最近の釘打ち機は、N釘でもCN釘でも、NC釘でも打てます。

同じ長さでの太さは、CN釘N釘NC釘ですので、

N釘を製造禁止にして、構造部分はツーバイ、在来を問わずCN釘を厳守!

という業界統一ルールにしてしまえば、日本全国でこのような事故・ミスを減らせると思うのですが、どうでしょう。
釘の種類が減るので、製造・管理も容易です。


オマケ
wikipediaの、釘の項目
誰が書いたのか知りませんが、

警告:鉄丸くぎ(N釘)や2×4用太め鉄丸くぎ(CN釘)を使わなければならない箇所に、ロール釘(NC50釘・PNF2150釘・MN21-50釘・MNF21-50釘・MN25-65釘・MNF25-65釘・MN31-75釘・MNF31-75釘など)を誤使用している例が多く見受けられます。このような違法建築物・欠陥住宅は、耐震性能が著しく低下しますので、釘の選定には十分ご注意ください

というコメントがあり、ナイスです!

震度7の地震の揺れで倒壊する確率。耐震等級1:28%、耐震等級2:7.9%、耐震等級3:3.5%(2階建て木造建物)

建物の耐震性の高さを比べる基準に、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)があります。

耐震等級には、等級1、等級2、等級3の3段階があります。

品確法では、それぞれ、以下のように説明されています。

  • 等級 1の建物は,極めて稀に発生する地震の力に対して,崩壊,倒壊等しないとされる耐力をもつ。
  • 等級 2の建物は,極めて稀に発生する地震の力の 1.25倍の力に対して,崩壊,倒壊等しないとされる耐力をもつ。
  • 等級 3の建物は,極めて稀に発生する地震の力の 1.50倍の力に対して,崩壊,倒壊等しないとされる耐力をもつ。

なかなか伝えにい内容です。
実際、耐震等級3って、どのくらいの耐震性?と聞かれても、言いづらいです。「極めて稀に」という期間もはっきりしません。
建築の関係者であれば、それぞれ層せん断力係数C0が、0.20、0.25、0.30と言えば伝わるかも知れませんが、普通の人は分かりません。

そんな中、全然別の探し物をしていたとき、良い論文を見つけました。

日本地震工学会論文集 第7巻第6号
 被害発生確率を用いた耐震等級の説明の有効性[PDFファイル]

ちなみに、日本地震工学会は、2001年発足の比較的新しい学会。(私は、過去に1回、全文査読論文があるだけで、あまり関わりは無いのですが・・・。)
この論文によると、それぞれの耐震等級の説明は以下の通り。なお、2階建て木造建物の場合です。

震度 7の地震の揺れで倒壊する確率は,
 等級 1の建物では 28%
 等級 2の建物では 7.9%
 等級 3の建物では 3.5%
です。

うーん、これは分かりやすい。
建築基準法ぎりぎりの場合、正しく作っていたとしても、3割は倒壊してしまう可能性があるということ。

ちなみに、等級1とは建築基準法をクリアする程度の耐震性です。
マンションはほとんどが、耐震等級1。良くて耐震等級2。

一戸建ては、大手ハウスメーカーであれば、標準で耐震等級3です。マンションよりも、一戸建ての方が、耐震性の高い物件が多いのが実情。
ご参考まで。


オマケリンク
 ・木造住宅実験、耐震基準内でも倒壊? 産学研究会
 ・「耐震格差」が広がるプレハブとマンション

正しい釘(N釘)が入ってました

2008年03月13日

先日の、危うく間違った釘で施工されそうになっていた物件。

N75釘

現場には正しい釘が入ってました。

大工さんの話によると、金物屋さんは、

「(間違った釘でも)そんなに変わらない」

と言っていたとか。

どこの金物屋だ!無責任な!

木造在来工法の金物検査

一般的には上棟後、1週間程後に行う在来工法の金物・構造検査。

しかし、この物件の仕様上、金物が隠れてしまうために上棟の翌日に確認。

構造計算書

図面の転記ミスによるチェックの間違いを防ぐため、構造計算書で確認。
慣れると、こちらの方が読み取りやすかったりしますが。

チェックの結果、全体的に、計算結果の1、2ランク上の金物が取り付けてありました。OK!です。

それにしてもこの現場、職人さん多いな。10人以上居ます・・・。

詳細な図面になるに伴い、減っていく耐力壁!?

2008年03月14日

先日お伺いした、ホームインスペクション(住宅診断・住宅検査・建物調査・建物診断)での出来事。

当日の現場チェックに先立ち、図面を確認していると、図面の段階でいろいろな間違いが。

構造の確認は、まず構造計算書から。
この物件は2階建ての木造住宅ですが、構造計算書がありました。そういえば最近、木造2階建てでも構造計算しているケースが増えています。

その構造計算書に書かれている、耐力壁の配置はこちら

構造計算書

この時点では、特に問題ありません。

図面中の数字の意味は、以下の通りです。
 2.0:シングルの筋かい(片筋かい)
 2.5:構造用合板 片面張り
 4.0:ダブルの筋かい(たすき掛けの筋かい)
 5.0:構造用合板両面張り

この構造計算書は、現場で見るということはほとんどありません。大工さんも見ません。現場では、これを平面図に転記して記載していきます。

平面図に転記された後の様子は次の画像。

平面図

この平面図では、耐力壁となっている箇所は青く塗られていましたが、上部にあるはずの 2.5倍の耐力壁(構造用合板 片面張り)が無くなっています。

実際の施工では、外側の構造用合板を張らないと、壁面に段差が出来てしまいますので、張ってあると思います。
しかし、耐力壁かそうでないかは、同じ材料であれば釘の間隔などで決まります。大工さんがこの平面図通り施工していれば、釘の間隔などが規定を満たしていない可能性もゼロではありません。

実際の工事では、平面図だけでは家は建ちません。
部材の位置や太さを示した図面が必要です。

今回のケースは、1階での内容ですので、1階の床面の部材が分かる土台伏図という図面を見てみると、以下のようになっていました。 

土台伏図

構造計算書・平面図ではダブルの筋かい(たすき掛けの筋かい)となっていた箇所が、土台伏図ではシングルの筋かい(片筋かい)に減ってしまっています。

最近は、筋かいを工場であらかじめ加工してくる(プレカット)ことが多くなっています。今回も土台伏図に筋かいが書いてあるということは、プレカットになっているのでしょう。 

ちなみに、調査(インスペクション)の結果は、土台伏図に書かれている筋かいの施工になっていました。
建築基準法に対する耐力の余裕度が、1.02と2%の誤差しか許されない物件でしたので、今回の施工では即アウト。
修繕工事になりますが、かなりの手間がかかりそう。

構造計算~平面図~伏図の一貫プログラムで図面を作成していれば、このようなミスは起きません。
しかし現状では、構造計算、平面図、伏図を書いているプログラムは別々のことがほとんど。
もう少し詳しく言うと、それぞれの図面・書類を作っている人が別々です。
伏図を含めた、プレカットの加工図は、海外で書いていることもあります。(平面図のデータを日本から海外に送り、人件費の安い国でプレカットの図面化して送り返してもらう)

転記ミスの無いよう、十分なチェックが必要ですね。

外壁の長寿命化。シーリング(コーキング)を止めてしまうという発想。等圧理論。

2008年03月16日

インスペクションなどの報告書の最後にいつも書いている、「建物は、メンテナンスによって寿命が大きく変わります」という一文。

正にその通りで、一戸建てでもマンションでも、10年目に大規模な修繕が必要になることがほとんどです。
シーリングの例  修繕で主要なものは、外壁やサッシ周りのシーリング(コーキング)。
シーリング(コーキング)とは、サイディングなどの外壁のつなぎ目や、サッシ周りにある、やわらかな部分です。

この材料は、方角にもよりますがだいたい10年が寿命の目安。一戸建てでもマンションでも、シーリングの材料は一緒なので寿命も大差ありません。

シーリングが切れてしまうと、雨漏りしやすくなり、建物の耐久性に関わってきます。最近の建物(特にデザイナー系)では、シーリングに頼り切ったものがありますので、要注意です。

それだったら、シーリングをやめてしまえばいい と、私は思ってしまいます。シーリングが無ければ、シーリングの寿命に、建物が左右されません。

例えるなら虫歯の治療のようなものでしょうか。
虫歯になり、歯を1度でも削ってしまうと、一般的には銀歯(アマルガム)やレジンという材料を使うことになりますが、これには寿命があります。そのため、その寿命が来るごとに交換しなくてはなりません。

シーリングを使うということは、これに似ていると思います。シーリングを使ったら、その寿命ごとに交換する必要が出てくるためです。

「シーリングが不要な外壁ってあるの?」と言われそうですが、あります。

オープンジョイントと呼ばれるもので、シーリングの打ち替えが困難な超高層の建物は、ほとんどこれです。

オープンジョイントと同じ意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。

  • 等圧理論
  • 等圧設計
  • two-stage sealing system
  • open rain screen principle

一般的なサイディングを取り付ける時には、胴縁と呼ばれる材料を使って、通気層(Rain Screen)を作ります。これは、壁内結露防止のためですが、等圧理論に近くなるため、雨が入りにくくなるというメリットがあります。

等圧理論は、シーリングを省くためには不可欠な考え方です。

一般的なシーリングを用いた外壁は、雨に対して隙間を完全に無くすことで対処しています。
言わば、力と力の戦いで、格闘技のようなものです。

力同士の戦いですので、シーリングに少しでも弱点となる隙間があると、雨が入ってしまいます。
雨が入る原因の1つ、毛細管現象は、隙間が小さければ小さいほどその力が大きくなるのでやっかいです。

これに対して等圧理論は、外壁の外と中の圧力が等しいので、雨が入ってくる力そのものを無くしてしまいます。
言わば、相手の力をサラリとかわしてしまう合気道のような考え方です。

日本で初めて等圧理論を使った建物は、新宿センタービル(設計:大成建設)だそうです。現在では、超高層に欠かせない設計方法です。

一戸建ての外壁で等圧理論を使ってシーリングレスとなっている外壁はかなり少なく、主なものは樹脂サイディングです。
樹脂サイディングはアメリカや北米でよく使われている外壁ですが、日本ではあまり使われていません。日本製のものもありますが、種類は少なめです。

私が、寒い地域に家を設計したり、投資用のアパートを持つとしたら、多分樹脂サイディングを検討します。都市部では、防火の問題から難しいかも知れません。

「寒い地域に」としたのは、樹脂サイディングでは、一般的な窯業系サイディングのように凍害の心配が無いからです。また、何よりもシーリングに係るメンテナンス費用が要らないのは長期的に見てメリットだと思います。

等圧理論を使った外壁で面倒なのが、施工者への教育でしょう。
なんせ、これまでは「シーリングで隙間を完璧に埋めなくてはいけない」というのが、
「シーリングしなくても良い。隙間を空けろ」と、全く逆なのですから。

天動説が常識とされる中で、地動説を言っているようなものです。

樹脂サイディングの誤った施工例 何も言わずに施工させたら、隙間にシーリングしてしまうでしょう。

写真は、さくら事務所近くにある、飲食店の外壁。左側の外壁は樹脂サイディングなのですが、隙間部分を「バッチリ」埋めてありました。

「隙間があるから」と、施工した人の気持ちも分からないではないですが・・・。

雨仕舞のしくみ 等圧理論を含め、雨への対策をより知りたい方は、「雨仕舞のしくみ」という本がお奨め。

数式が多く出てきますが、雨仕舞いを凄くロジカルに書かれています。
雨というのは必ずしも上だけから来る訳ではないので、なかなか奥が深いものです。
雨仕舞いに関する本は、これ以外にもたくさん出ていることからも、その奥深さが分かります。

社内検査

2008年03月19日

物件の内覧会立ち合い前に行われる社内検査。

今回は内覧会と再内覧会の期間が短いのであらかじめ社内検査のときにチェックすることに

現場監督さん、社内検査が厳しいとおっしゃっていましたが、玄関の靴の数だけでもそれが分かります。
すごい人数ですね


恩師の退職記念祝賀会

2008年03月23日

家に届いた恩師の退職記念祝賀会の案内状。

学生の頃は、先生の退職まではまだまたあると思っていましたが、時が経つのは早いものです。

学生最後の年には、胃潰瘍になったりして体重が今より12kgほど痩せていた私。
卒業後に会っていない人も多いので、きっと太ったと言われるでしょう。
しかし、先生方や先輩、後輩に会えるのは楽しみです。
そんな訳でこの日は午後から休みます…


上野公園の桜

2008年03月26日

今日はお休み。

上野公園 子供と奥さんと上野公園へ。

写真のとおり、さくらがほぼ満開。
一眼レフで写真をたくさん撮りました。(100枚くらい?子供の写真が多いですが。)

外国人観光客も多く、いろいろな言葉が聞こえてきます。

上野公園の桜

木造在来工法における、外張り断熱の施工注意点。間柱のサイズ。

2008年03月27日
朝1からつくばで構造の確認。

物件は在来工法の外張り断熱仕様。 打ち合わせ段階で、物件の仕様を変更して頂いた点があります。

それは「間柱の幅」。

外張り断熱のビス固定の模式図 ツーバイフォーの場合、間柱に相当するスタッドの幅は38mm。
これに対して在来工法では明確な規定がなく、各社バラバラ。
多くは30mm以下。24mmや27mmも多く使われます。

外張り断熱では、断熱材と胴縁を長さ100mm前後のビスで留めていくのが一般的。

しかし、そのビスは断熱材や胴縁の上から留めるので当然ながら、ビスを打ち込む先の間柱は見えません。

間柱の位置を正確に出して、ビスを打ち込めば精度は上がりますが、それでも、間柱が細い場合には、ビスを打ち外しやすくなります。

間柱のサイズ 現場の施工精度を考慮し、この物件は間柱のサイズを45mmにしてあります。

この幅があればまず大丈夫!

ちなみに間柱を太くしたとしても、外周りだけですので、コストアップは大きくありません。室内の間仕切り壁は、断熱材の範囲外ですので、関係ないのです。
間柱サイズの拡大は、ビスを打ち外して外壁が垂れ下がるリスクを考えれば、コストパフォーマンスは高いと言えます。

間柱以外に欲を言えば、窓台・窓まぐさも45mmあるいは柱幅までサイズアップしておくと断熱材の施工がラクです。ツーバイフォーの場合、窓まぐさが大きいので、心配はありません。

たまたま現場にみえた、断熱材を取り付ける職人さんに間柱のサイズアップのことを伝えると、

「通りでこの現場は間柱が太いのですね。仕事しやすくて助かります。」

とおっしゃっていました。

施工のミスが起きやすい箇所は、設計段階で対処しておくのが無難です。机の上だけでなく、現場の施工誤差、施工のしやすさも考えなければいけないということです。

つくばの後は、習志野、その後に世田谷。間に合うのか!?、自分。

バネルによる合理化

品質チェックの現場における、ツーバイフォーのフレーミングの様子。
工場で作られたパネルを組んでいく方法。
サッシも取り付け済みなので、工期をトータルでみるとかなりの合理化かと。

在来工法でもパネル化された工法がありますが、「柱と柱の間にパネルを入れていく」という発想でいる限り、ここまでの合理化は困難でしょう。柱との取り合いに必要な枠材も、部材のロスですし、高気密化も難しい。
気密確保のために、パネルと柱の間にパッキンを入れる工法もありますが、それは余分な材料が必要になってしまうということ。

現実として、在来のパネル化はツーバイと比べるとずっと少数です。在来のパネル化は、もう少し良い方法があるのではないかと思います。

積雪・寒冷地域の官庁施設が、原則として「外断熱」に。(官庁施設の積雪・寒冷地設計基準及び同要領)

2008年03月28日

個人的に驚いたニュースなので、深夜の更新。

積雪・寒冷地における官公庁の建築設計基準が変わり、4月1日以降に設計する官庁施設の案件では、原則として外断熱工法を採用することになったようです。

詳しい内容についてはこちら

KEN Plats(ユーザー登録が必要です)
 積雪・寒冷地域の官庁施設に設計基準、国交省

国土交通省営繕部 技術指針等
 http://www.hrr.mlit.go.jp/eizen/002sisaku/01tech.html

上記URLの官庁施設の積雪・寒冷地設計基準及び同要領というPDFファイルを見ると、3.2.1 外壁等の説明で、
 「庁舎新営にあたっては、原則として外断熱工法を採用する。」と明記されています。

また、3.2.4 開口部の説明では、
外断熱を採用する場合は、原則としてLow-E ガラスを採用する。」とも書いてあります。一戸建て以外ではシングルガラスがまだ多い今日、サッシの急なレベルアップです。

海外の流れや、今日の省エネルギー化の流れを見ていれば、高断熱化が可能な外断熱への流れは当然だと思います。ようやくといった感もあるものの、今回の設計基準変更は、素直に評価できます。

官公庁の建物だけでなく、商業建築、マンションにも一般化すると良いですね。官公庁の設計を手がける設計者であれば、1回外断熱の設計を行えば、ノウハウが蓄積されるので、それ以後も設計しやすいと思います。

今まで、外断熱に批判的、あるいは勉強してこなかった人達には辛いかも知れませんね。単に断熱材を外に取り付けるだけでは、外断熱の効果は十分に発揮できません。考慮すべきことはいくつもあります。

2008年は、日本における外断熱元年になるかも!?

友人の結婚式

2008年03月30日

静岡市に、大学時代の友人の結婚式へ。

式が始まる前には、静岡に住む予備校時代の友人と7年ぶりに再会。相変わらずでした。

新婦のノリヨシ君は式が始まる前から泣いてました。幸せそうで何よりです。

写真とビデオ、上手く写っているといいのだけど…。


« 2008年02月 | 2008年03月 | 2008年04月 »

HOME > 2008年03月 アーカイブ

プロフィール

大下達哉
大下達哉のプロフィール

バックナンバー

About 2008年03月

2008年03月にブログ「ホームインスペクター大下達哉の「建物調査(インスペクション)日記」」に投稿されたすべてのエントリーです。
過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2008年02月です。

次のアーカイブは2008年04月です。

他にも多くのエントリーがあります。
HOMEバックナンバーもご覧下さい。

RSS Atom
さくら事務所へのリンク
かものはしプロジェクト
一戸建てってどうよ?【関西限定】
コラム執筆中
© Copyright 2004 - 2010 OHSHITA Tatsuya. All Rights Reserved.