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なぜ、ビールはガラス瓶かアルミに入っているのか? 透湿性を考える

2008年01月11日

ビールは、ガラス瓶かアルミ缶に入って販売されています。
お茶やジュースのように、ペットボトルに入って販売されていません。

これは、何故でしょうか?

答えは、ガラスと金属以外の物質は、水蒸気を通してしまうから です。

コーラやお茶を違い、新鮮さをアピールしていることが多いビール。
私は、コーラやお茶で、「作ってから3日以内に出荷!」という広告は見たことがありませんし、ワインのように数十年貯蔵したビールというのも聞きません。
新鮮さが大切で、中のガスが抜けてしまうと、味が落ちてしまいまうビールですから、水蒸気が入ってしまうのは問題があります。

「ペットボトルのようなビニールであれば、水蒸気は通さないんじゃないの?」と思われる方が多いかも知れませんが、それは間違い。
微量ながら、ビニールは水蒸気を通します。

身の回りを見てみると、湿気に弱いものには、ガラスや金属が使われていることに気が付くかも知れません。

例えばポテトチップス。
一見ビニールですが、内側には金属であるアルミがコーティングされています。
アルミは水蒸気を通さないので、中のポテトチップスが湿気にくくなります。
ポテトチップス以外でも、湿気に弱い商品は、アルミ袋に入れられて販売されていることが多いですね。

保存食である缶詰、瓶詰めは、いずれも水蒸気を通しにくい鉄と、ガラスを使っています。
ガラス瓶のフタにも、金属が使ってあることが多いですね。


ゴム風船とアルミ風船では、アルミ風船の方が長持ちします。
これは、ゴム風船の場合、中に入っているヘリウムの大きさが、ゴムの膜よりも小さいため、その隙間からすり抜けてしまうためです。
従って、ゴム風船の口をきつく縛ってもあまり効果がありません。ゴムの膜全体からヘリウムが抜けていますから。
アルミ風船の場合、接合部分とヘリウムを入れる口部分がしっかりしていれば、アルミ箔部分からは抜けていかないので、長持ちするのです。

この時期、窓に生じる結露。
結露が生じやすいのは、アルミサッシの枠部分とガラス部分です。
いずれも、水蒸気を通さない物質なので水蒸気が行き止まりになり、結露してしまいます。(温度低下の問題もありますが)

ガラスやアルミサッシが無かった時代の建物のように、水蒸気を通しやすい和紙で作られた障子を外部に使えば、結露しません。水蒸気が和紙の隙間を通り抜けてしまうからです。ただし、凄く寒いでしょうけど。

最初に書いたペットボトル入りのビール。実は既に実現可能な商品です。
そのためには、特殊なペットボトルを採用する必要があり、具体的にはガラスの成分をペットボトルに含ませることで実現しています。つまり、結局はガラスの防湿性に頼っている訳です。

ちなみに、ペットボトル入りのビールは、環境保護の問題からお蔵入りになりました。
リサイクルの優等生であるビール瓶ですから、エネルギーを多く必要とするペットボトル入りビールは、今の時代に合わないと私も思います。

水蒸気の透湿性を、建物で考えてみます。

基礎の防湿シート 最近の一戸建てでは、基礎の底面に防湿シートを敷くことが多くなりました。
多くはビニールシートで、厚みは 0.1mm ~ 0.2mm。

一見すると、水蒸気を通しませんが、完全に通さないと考えるのは危険。
わずかながらでも通すと理解しましょう。ビニールシートで防湿する場合、その厚みが厚いほど水蒸気が通りにくいため、床下の防湿シートは、0.1mmよりも 0.2mmの方が有利です。

壁や天井の断熱に使われるグラスウールやロックウールは、ビニール袋に覆われているものが多く使われています。
そして、断熱材を取り付けるときには、そのビニールを柱の上で留めて、連続させる必要があります。これは、水蒸気が壁の中に入らないようにするためです。

「水蒸気を入れないためなら、アルミ蒸着のシートを使えば良いのではないか?」と思った方は賢い。
実際に、そのような商品があります。(例:アルミ蒸着された防湿気密シート
アルミ蒸着の防湿気密シート 鉄骨造であるダイワハウスや積水ハウスでは、壁の断熱材に湿気を入れないための防湿シートに、アルミ蒸着の商品を使っています。

普通のビニールシートよりもアルミ蒸着シートは値段が高いですが、壁内結露の可能性を減らすために採用しているのでしょう。


床暖房を採用した家では、定期的にパイプの中の循環水を継ぎ足す必要があります。(自動で補給するタイプもあります)
床暖房では、樹脂管が使われることが多いですが、樹脂管から徐々に水蒸気となった水が抜けてしまうためです。

エアコンの冷媒管に樹脂管でなく銅管を使うのは、 この理由もあります。
銅管も金属ですので、水蒸気を通しません。

「水蒸気」という観点から、アルミやガラスが使われている商品を見直してみると、いろいろな発見があるかも知れませんね。


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