朝1で、品川区へ品質チェックの再内覧会&引渡しの立会いへ。
外構はまだ工事中ですが、年内に引渡しが終わり、新居でお正月を迎えられます。
前回の内覧会での指摘事項の是正を確認。
2棟現場だったのですが、もう1軒の現場では、翌日の内覧会を迎える前に清掃+細かな補修作業が行われていました。
引渡しも無事終わり、駅に向かいます。
駅のすぐ近くに、在来工法の建築現場がありました。2棟が同時に進められています。
現場を見てみると、1週間ほど前に見た別の現場のような、問題のある工事が・・・。
まず、建物の角部分。
2階建ての建物ですが、建物にホールダウン金物が1本もありません。
柱は無垢材。金物工法を使い、柱の直下にホールダウン金物が埋め込まれている様子もありませんので、基礎工事の段階からホールダウン金物は無かったのでしょう。
昔の建物はこれでも法的に問題ありませんが、2000年以降の物件では、基準を満たせません。設計段階での違反建築物です。
現在の基準では、平屋建てでもホールダウン金物が必要になります。
建物の四隅を塩と米でお清めする前に、もっとやるべきことがあります。
土台部分では、継手の上部にアンカーボルトが無い箇所がありました。
しかもこの建物、よく見るとプレカットではなく、手刻みです。
近年手刻みは、極めて珍しいですが、費用を安く済ますためでしょう。
手刻みでも、上手であれば良いのですが、この現場はそうでは無いようです。理由は次の写真。
継手の直下に基礎コンクリートがありません。
そのため、アンカーボルトどころか、力を伝えられず、1階の床がたわんでしまいます。
手刻みの段階で、しっかりと基礎伏図と土台伏図(1階床伏図)を照合していればこのようなミスは起きません。また、手刻みの前の、図面の段階でチェックすべき事項です。
建物の筋かいは、3つ割の薄っぺらい筋かい。
現在は、2つ割が普通です。2つ割の厚みは、3つ割の1.5倍。
筋かいの固定は、今日の段階では釘だけで固定されていました。
仮の固定にしてはやや釘が多い感じです。しっかりと金物を使うのでしょうか。このままの状態でないか心配です。
物件は、基礎パッキン工法でしたが、全体的に基礎パッキンの間隔が広すぎます。
これは、継手とアンカーボルトの位置関係のミスのように、設計段階のミスではなく、施工者(大工)の問題です。
基礎パッキンの間隔が広いことはよくありますが、この物件は広すぎです。施工者のレベルが問題です。
実は現場を見ていたとき、内部では2名の大工さんらしき人が作業されていました。1人は高齢の方、もう1人は20代前半らしき若い方。
その高齢の方を見ていると、なぜか分かりませんが、柱の下をノミで欠き込み中・・・。
構造体を削っています。しかし、何の納まりのためにここを欠き込む必要があるのでしょうか。
他にもいろいろと問題のある物件でした。
全体的に素人設計、素人工事と言っても過言ではありません。
現場に、現場看板は無く、施工者も設計者も建築主も分かりません。
仕方ないので大工さんに直接聞いてみました。
物件は、いずれもアパートだということ。駅から1分もかからない場所なので、募集をかけたら集まるでしょう。
しかし、この建物の耐震性は、現在の建築基準法を大きく下回ります。
「建物に1本もホールダウンが無いのはおかしいんじゃないですか?」
と、若い大工さんに聞くと、
「僕もそう思います」
という、驚きの返事が返ってきました。
他の現場では普通に設けられているホールダウン金物が、この物件に無かったことを不思議に思ったのかも知れませんが、そうだったら設計者に確認すべきです。
大工さん達には、この物件が違法建築の可能性が非常に高いことと、構造的な確認を設計者に確認するよう伝えておきました。
現在の法律では、在来工法2階建て程度の規模では、確認申請時に構造のチェックや書類提出の必要がありません。いわゆる、4号特例というものです。
そのため、設計者が無知であれば、このような建物が建ってしまいます。
第三者チェックが入らず、完了検査さえ通れば、確認済証も下りてしまいます。内装が仕上がった段階では、この部分の問題はわかりません。
来年で、ようやく4号特例は廃止される見込みです。
今までサボってきた設計者は慌てるでしょうが、これまで真面目にやってきた業者さんは、何も変わらないと思います。
それにしてもこのような物件に遭うと、テンションが下がります。
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