« 2006年12月 | メイン | 2007年02月 »

HOME > 2007年01月 アーカイブ

« 2006年12月 | 2007年01月 | 2007年02月 »

イギリスの省エネ基準 その3

2007年01月05日

flag_gbniイギリスの現行基準は、2000年のもの。

イギリスの現行基準は、2000年に制定され、2002年 4月 1日に制定されたものです。
現在、2005年案が提示されているところです。
日本では、1999年以降、基準が変わっていませんから、イギリスは見直しの間隔が短いといえます。

サッシは、Low-Eのペアガラス。窓面積は床面積の25%以内

サッシの熱貫流率という数値が2.2であることから、サッシの性能は、Low-Eペアガラスが必要となるようです。
シングルガラスや、普通のペアガラスではこの性能は出ません。

また、窓の面積の最大広さが決まっており、床面積の25%以内です。
8畳の大きさの部屋だと、2畳の大きさの開口部ということですから、バルコニーに出るための引き違い掃き出しサッシを1つ取り付けるのがギリギリです。
(そもそも、あちらでは引き違いのサッシは使いませんが・・・)

日本では、開口部(サッシ)の大きさは、最小の大きさが決まっており、最大の大きさは決まっていません。
しかし、海外を見てみると、イギリスに限らず、省エネの観点から最大の面積が決められていることの方が多いように思います。
全く正反対の発想ですね。
日本の常識は、海外の常識ではないということです。

イギリスの省エネ基準 その4

2007年01月08日

flag_gbniボイラーの効率も、基準に含まれている

日本の省エネ基準は、建物だけの基準で、暖房装置に関する基準はありません。

しかし、イギリスの省エネ基準では、暖房装置(ボイラー)の効率も考慮するということです。
確かに、建物の省エネ性能が高くても、暖房装置の効率が低くては、全体としては省エネになりませんね。

イギリスの省エネ基準 その5

2007年01月12日

flag_gbni天井はグラスウールで 約 32cmの厚みが必要

 2002年に改正された基準を満たすためには、天井の断熱は、グラスウールを使用したときで、317mmとかなりの厚みが必要です。
日本の基準と比べるとかなり厚いですね。

気密性能試験のときの圧力差は、日本の基準の5倍
住宅の気密性能を測る試験において、建物内外の圧力差が50パスカルとされています。

これは、風速に換算すると、秒速25メートルに相当し、台風のような風が吹いた圧力差になります。
ちなみに、50パスカルの圧力差はカナダや北欧の試験方法でも一般的な値です。

日本では、気密性能試験の際の圧力差は、10パスカルで良いとされています。
10パスカルの圧力は風速で秒速5メートル程で、風速としては日常的なものです。
圧力差が大きいほど、小さなすき間の影響を受けやすくなりますから50パスカルの方が厳しい試験であるといえます。

実は、日本の場合、一般的な家はすき間が多すぎて、50パスカルもの圧力差を生じさせることが難しかったために、このような甘い基準になっています。

50パスカルでの気密測定という条件だけを見ても、イギリスの住宅の気密性能は高いということがわかります。

イギリスの省エネ基準 その6

2007年01月15日

flag_gbniイギリスの省エネ基準は日本の1.5倍。近々2倍になる。

日本で最も新しい次世代省エネ基準と、イギリスの基準を、暖房デグリーデーの同じ地域で比較した場合、イギリスの屋根・天井の基準は、日本の基準の1.5倍の厳しさ。

2005年案で比較すると、2.0倍の違いと、かなり厳しい省エネ基準です。

日本の次世代省エネルギー基準が出来たころは、イギリスの省エネ基準は日本より甘かったのですが、2000年以降は大きく差がついてしまったようです。

 保温性に関する省エネ基準の国別比較(1999年時点の比較)
 http://t-ohshita.com/2005/08/15/post_2.html

私自身、イギリスにおける最新の省エネ基準の厳しさを知った時はすこし衝撃を受けました。
上記のリンクにあるように、1999年当時は、イギリスの省エネ基準は甘く、日本の省エネ基準よりも緩かったからです。
しかし今では、完全に抜かれています。

建築以外の業界では、省エネ性能が世界のトップクラスを走る日本でも、建物の省エネ性能では大きく遅れをとっているのは否めません。

※これらの記事は、月間「建築技術」2005年 8月号を参考にしています。

ドイツの省エネ基準 その1

2007年01月19日

Flag_germany 今回からは、月刊 建築技術 2005年10月号に掲載されている、ドイツの省エネ基準のご紹介です。

●ベルリンの寒さ
ドイツの首都、ベルリンの冬と秋田を比べると、秋田の方が寒くなっています。
しかし夏の時期は、秋田よりもベルリンの方が涼しくなります。

日本は北の方に行くほど寒くなりますが、ドイツは地形の関係から北のほうが暖かく、南の方が寒くなります。

「寒さ」を示す暖房デグリーデー暖房度日)という数値で示すと、ドイツは秋田 ~ 札幌の地域に相当します。

つまり、日本の省エネ地域区分では、1~2地域に該当します。
よって、ドイツとの省エネ比較は、この地域との比較です。

ドイツの省エネ基準 その2

2007年01月22日

flag_germanyドイツでも省エネ基準は強制法

日本の最新の次世代省エネ基準は、強制ではなく任意です。

しかしドイツは、イギリスと同様に強制ですので、新築で建てるときには、最新の基準を必ず満たす必要があります。

省エネ基準の改正は、1984年、1995年、2002年に行われており、最新のものは、2002年。

省エネ基準はイギリスと同様に、建物の断熱だけでなく、暖房装置・給湯装置の効率も考慮されています。
日本の省エネ基準と比較すると、検討する項目が詳細です。

ドイツの省エネ基準 その3

2007年01月26日

flag_germany2002年の最新の基準は、1995年の基準からさらに3割の省エネ化

現在、私のブログに掲載している「保温性に関する省エネ基準の国別比較」のデータは、1999年に作成されたものですので、ドイツの基準はそれ以前の1995年の基準ということになります。

 保温性に関する省エネ基準の国別比較(1999年時点の比較)
 http://t-ohshita.com/2005/08/15/post_2.html

ドイツの1995年と比べると、日本の1999年の最新の省エネ基準は緩いことが分かります。

ドイツの2002年の基準は、1995年と比べてさらに30%の省エネになっていますから、現在はもっと差がついていることになります。

ドイツの省エネ基準 その4

2007年01月29日

flag_germany建物の外皮(≒外壁)面積と体積の比によって、断熱の基準が変わる

ドイツでは、建物の外皮(≒外壁)の面積と体積の比によって、断熱の基準が変わっています。
具体的には、外皮面積 ÷ 建物体積の比率で基準が変わります。

これは、建物の体積が同一の場合でも、外気に面する面積が広いほど、建物のエネルギー消費は増えるためです。

同じ体積でも、外気に面する面積が違う例
Blog2007012901
左と右のイラストは、同じ体積です。
しかし、右のイラストは、左のイラストよりも表面積が約1.2倍になっているので、同じ断熱の仕様で作ったとしても、右のイラストの方が多くのエネルギーを必要とします。

日本の次世代省エネルギー基準を満たすためには、2つの方法があります。

 1. 基準で定められた、壁・床・天井の断熱の仕様で建てる
 2. 家全体の熱の逃げる程度を計算して、基準を満たすようにする

1. は、「北海道では、壁は○○cm以上、床は○○cm以上」などと基準が定めてありますので、それを満たせば計算しなくてOKという方法。

2. は、壁の断熱材の厚みは薄いけど、天井と床とサッシでそれを補っているので、家全体として省エネ性を計算してOKという方法です。

建物の外観が複雑な場合、1.の方法で基準をクリアしていても、2.の方法ではクリアできない可能性があります。

ドイツの基準は、そのようなことを無くすために、外皮面積 ÷ 建物体積の比率によって基準を変えているのではないでしょうか。

« 2006年12月 | 2007年01月 | 2007年02月 »

HOME > 2007年01月 アーカイブ

バックナンバー

About 2007年01月

2007年01月にブログ「ホームインスペクター大下達哉の「建物調査(インスペクション)日記」」に投稿されたすべてのエントリーです。
過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2006年12月です。

次のアーカイブは2007年02月です。

他にも多くのエントリーがあります。
HOMEバックナンバーもご覧下さい。

RSS Atom
さくら事務所へのリンク
かものはしプロジェクト
© Copyright 1999 - 2008 Sakurajimusyo inc. All Rights Reserved.