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免震とは?

2006年12月01日

免震とは、建物を地面から浮かせたり、ゴムを入れたりして、建物と地面を絶縁する方法です。
阪神淡路大震災以後、広く採用されるようになりました。

免震の効果は大変高く、一定以上の大きさの地震が来ても、建物そのものの揺れを大幅に低減できます。

新潟県中越地震においても、免震装置を採用した小千谷総合病院の介護老人保健施設は、構造体への被害が無かったとされています。

私は学生の時に、免震や制振装置の実大実験を行なったことがあります。

振動実験の装置を使って、地震の大きな揺れを何百回と見ていると、(実験の時、震度という基準は使いませんが)震度4~5くらいの小さな揺れには慣れてしまい、大きな揺れを入力する時の建物の壊れ方が楽しみになってきたりします。

「柱が折れた!」とか、
「大きな音がしたから、ひび割れを確認しなくては」
「結構被害を受けたけど、あと1回いけるかな?」
「レーザー距離計、壊れなくて良かった。危うくぶつかるところだった」
などととなるわけです。

ちなみに、実験で一番楽しみだったのが、最後の日に行なわれる破壊実験(壊れるまで試験体を揺らすこと)でした。

しかし、免震の実験はあまり面白くありませんでした。
新しく開発された非常によく効く免震装置だったのですが、一定以上の地震を入力しても、上の建物の揺れがあまり変わらないのです。

つまり、震度2~3レベルを入れても、震度7レベルを入れても、建物がほとんど揺れないという意味で同じだったのです。

その効果を目の当たりにして、免震の効果は凄いものだと思いました。

 

制振と免震は、どちらがいいのか?

2006年12月04日

 制振と免震は、どちらがいいのか?

敷地に余裕がある場合、私は免震の方が良いと思います。

免震は、地震の入力そのものを減らすことができますが、制振は地震による揺れを小さくするだけのものだからです。

(制振は揺れが小さくなるものの、揺れは生じる。また、効果があるのは、制振装置を入れた場所よりも上の範囲のみ)

免震は震度7を震度3~4にしてくれるが、制振は震度7を震度7にしかできない

という言い方をされる方もいます。

あるハウスメーカーは、制振を採用したことで「免震」の先へというCMを行なっていましたが、敷地条件に余裕がある場合、私はそのようには思いません。

効果的な免震を選ぶ基準  『4秒免震』

2006年12月08日

「高断熱住宅」といっても、その性能には大きなばらつきがあるように、免震装置にも性能にはばらつきがあります。
しっかりしているものもあれば、そうでないものもあるのです。

では、その免震装置の違いを、どのように見分ければ良いのでしょうか?

その免震装置が、本当に優れた性能を持っているかどうかの判断の1つに、『4秒免震』という言葉があります。
『4秒免震』であれば、免震装置としては、理想的なものが採用されているといえます。

地震を時間で考える

2006年12月11日

一般的に地震の大きさは、震度6、震度7のように表されます。
ちなみにこれらの言い方は誤りで、正確には「震度階」といい、震度階6、震度階7が正解です。

しかし、地震や免震、制振に本当に詳しい人は、震度で地震の特徴を言いません。
周期」や「加速度」など、時間的な単位でいいます。

地震というのは、細かいガタガタとした揺れや、ゆ~っくりとした揺れが複雑に組み合わさっています。

地盤の弱い場所では、ゆっくりとした揺れ方の波が大きくなり、硬い地盤の場所では細かい揺れ方の波が大きくなります。

その組み合わせの程度や中身は、地震が起きた場所などによって違います。

次のURLの一番下の画像をご覧ください。

気象庁:フーリエスペクトルと加速度応答スペクトル
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/kyoshin/kaisetsu/outou.htm

これは、過去に起きた主な地震において、建物がどの周期(地震波の揺れ方)において大きな力を受けるかを示したものです。

図の中で、青色の線は鳥取県西部地震のものですが、最も高い部分は周期が 0.4秒くらいのところにあります。縦軸の加速度応答は、2000を超えています。

これに対し、緑色の宮城県北部の地震では、最も高い部分は周期が0.3秒くらいのところにあります。

地震だけでなく、建物にも揺れやすい周期というものがあり、これを「固有周期」といいます。

木造住宅の場合、一般的には 0.1 ~ 0.5秒の範囲です。
古い建物や社寺建築の場合には、1.0秒前後になります。

ちなみに、
 ・筋かいをたくさん入れる
 ・金物をしっかり取り付ける

など、建物を強くする作り方というのは、周期的に見ると細かく揺れるようにする作業で、周期が短くなります。

耐震補強は、建物を細かく揺れるようにするための工事」だと言っても良いでしょう。

逆に、弱い建物や耐震性が低い建物というのは、周期的にみると、ゆっくり揺れる建物だということです。

地震の周期と建物の周期が合うと、揺れが大きくなる

2006年12月15日

地震の周期と建物の周期が合うと、揺れが大きくなり、これを「共振(きょうしん)」といいます。

例えば先のグラフの例で、鳥取県西部地震の場合には、固有周期が0.4秒くらいの建物が共振を起こしやすく、被害が大きくなります。

前回のグラフをご覧下さい。

 気象庁:フーリエスペクトルと加速度応答スペクトル
 http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/kyoshin/kaisetsu/outou.htm

宮城県北部の地震の場合、0.3秒くらいの建物の被害が大きくなると予想されます。

兵庫県南部地震のグラフでは、0.5~1.0秒のところに大きな山があり、比較的古い建物が被害を受けやすかったとグラフから分かります。

フーリエスペクトルと加速度応答スペクトル ~4秒免震~

2006年12月18日

ここで、前々回のグラフにおいて、横軸の4秒のところをご覧下さい。

 気象庁:フーリエスペクトルと加速度応答スペクトル
 http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/kyoshin/kaisetsu/outou.htm

どの地震波においても、山がとても低くなっており、全ての地震波において加速度応答は 500を大きく下回っています。

地震には、様々な揺れ方の波が複雑に組み合わさっていると先にお伝えしましたが、4秒や5秒のゆっくりとした波というのは、グラフでも分かるように、一般的に影響力が小さいのです。

しかし、2秒前後においては、地震波によっては大きな力が残っています。
このグラフでは、鳥取県西部地震では、1.8秒くらいのところにも山があります。

免震装置の中には、2秒程度の周期を目標としているものがあります。
この場合、鳥取県西部地震の1.8秒に近いため、ある程度揺れることが予想されます。

2秒程度の周期となる免震装置の場合、震源から遠く、地盤が柔らかかった場合には、通常の耐震住宅(0.1~0.2秒)よりも揺れる可能性さえあります。

4秒免震』とは、建物の周期が4秒以上にすることが出来る種類のものです。
この種類であれば、大きな地震であっても、倒壊するような大きな被害は受けないといえます。

グラフに載っている地震波に遭ったとしても、ほとんど無被害だったでしょう。

長くなりましたが、免震装置を取り入れている物件を比較する場合には、『4秒免震』かどうかを判断の1つして入れると良いと思います。

イギリスの省エネ基準 その1

2006年12月22日

Flag_gbni 月間「建築技術」という建築の専門誌において、海外の省エネ基準が紹介されています。
面白い記事ですが、専門誌であるため、一般の方はまずご覧にはならないでしょう。

そこで、その記事の一部を抜粋し、箇条書きなどで、できるだけやさしく説明したいと思います。

今回は、2005年 8月号に掲載されている、イギリスの省エネ基準のご紹介です。



イギリスの寒さ
「寒さ」を示す基準として、暖房デグリーデー暖房度日)という数値があります。

これは、暖房用のエネルギーを計算するときに必要なもので、数字が大きければ大きいほど、暖房に必要なエネルギーが多くなります。

国や建築地が違っても、暖房デグリーデーが同じなら、寒さと必要な暖房エネルギーはほぼ同じになります。

暖房デグリーデーは、ロンドンでは、2901。
仙台よりやや大きく、青森より小さい程度です。
ちなみに、東京は 850程度です。

記事によると、イギリスの寒さは日本の福島 ~ 函館に相当します。
つまり、日本の省エネ地域区分では、2~3地域に該当します。
よって、イギリスの省エネ基準と日本の省エネ基準の比較は、2~3地域との比較です。

イギリスの省エネ基準 その2

2006年12月29日

Flag_gbniイギリスでは、建築基準法で省エネを規制(強制法)

日本の最新の次世代省エネ基準は、強制ではなく、任意です。
しかし、イギリスでは強制法ですから、新築の建物は全て、最新の省エネ基準を満たさなくてはいけません。
とても大きな違いです。

ちなみに、イギリスでは 2001年 1月1日より、全ての新築住宅について、住宅のエネルギー効率を示す 「エネルギー・ラベリング」が導入されているそうです。

イギリス環境省 全ての新築住宅に「エネルギー・ラベリング」を導入
 http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=220

ランクは、1~100までと、非常に詳細。

日本の住宅性能表示制度では、省エネの区分は、等級1、2、3の3段階しかありません。
しかも、省エネ基準ごとの区別であり、省エネ基準内のどのレベルなのかは分かりませんから、これも大きな違いです。
100段階もあったら区別がしやすくていいですね。

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