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面材を張って、雑壁の効果を大幅にアップ

2006年09月01日

●簡単に耐震性を増すことが出来る方法
現在、新しい住まいを設計している段階、あるいは建売物件をご検討されている方で、耐震性が高い建物を求めている場合には、建物外周に、構造用合板やダイライトなどの面材(めんざい)が張ってあるかどうかを確認しましょう。

建物外周に構造用合板やダイライトなどの面材(めんざい)を張ると、それらは筋かいと同等(以上)の働きがあり、大幅に耐震性を高めることができます。

在来工法で建物外周に構造用合板を張った例
在来工法で建物外周に構造用合板を張った例

●面材を張って、雑壁の効果を大幅にアップ
建物外周に構造用合板などを張ることが有効なのは、これらが筋かいと同等(以上)の働きをするだけではなく、雑壁の強さと量が大きく増えることにも関係があります。

筋かいだけで耐震性を得ている建物では、窓の上や下の雑壁部分を外から見ると、空洞になっているだけです。空洞ですから、耐震性は得られません。
しかし、構造用合板などの面材を外から張ると、この部分でも耐震性を増すことができるのです。
小さな部分でもコツコツと耐震性を稼ぐことで、筋かいだけで耐震性を得ている建物と比べると、雑壁の効果を、2倍以上にすることもできます。

雑壁効果

面材を張って、屋根部分の強度もアップ

2006年09月04日

2階建ての建物を、筋かい(筋交い)だけで耐震性を得る場合、1階と2階の筋かいの量には、建築基準法上の決まりがあります。

しかし、2階から上の屋根部分には規定がありません。
そのため、屋根の強度に関しては、あいまいになっており、場合によっては強度が不足する場合もあります。

しかし、面材を張っている物件では、2階から屋根にかけても全て張ることが一般的ですから、この部分の強度も確保することができます。

2階から屋根部分
面材を張った場合には、2階~小屋裏の強度が確保できる。
しかし、筋かいのみの場合、2階~小屋裏の強度が不足することも。

断熱材の施工を考えると、筋かい(筋交い)は不利

2006年09月08日

木造の建物の場合、建物の外側には、筋かいが配置されることがありますが、筋かいがあると断熱材を入れるのが難しくなります。
とくに、Xの形で筋かいを2本入れる、たすき掛け筋かいの場合には、断熱材をしっかり入れるのはとても難しくなります。

筋交いがダブルで入っていると断熱材が入れにくい
筋かいがダブルで入っている例。
このような箇所があるとグラスウールのような断熱材はとても入れにくい。

セルロースファイバーや発泡ウレタンなど、隅々まで行き渡る断熱材を使っておらず、建物の外周部にたすき掛けの筋かいを複数配置する設計を行なっていたら、その業者さんの断熱に関する知識・技術は少ないと思っても良いでしょう。

セルロースファイバー
筋かいがダブルで入っていたとしても、
セルロースファイバーや発泡ウレタンであれば、隅々まで断熱材が行き渡る。

 

ツーバイは断熱施工が楽
ツーバイフォーの場合、もともと筋かいが無いので断熱材を入れやすい。
在来でも、外周部の筋かいを止めて、面材で強度を確保すれば同じ。

筋かいが入っている壁と全く入っていない壁。
どちらが断熱材を入れやすいかは、専門家でなくとも分かると思います。

「オマケ」の構造用合板が、必ずしも耐震性が高くならない理由

2006年09月11日

ときどき、

「筋交い(筋かい)だけで耐震性を確保して、さらに外側に構造用合板を張っているから、耐震性が高い!」

という設計者、業者さんがいますが、これは全てのケースで当てはまる訳ではありません。

これはナゼでしょうか。答えは、金物にあります。

●壁が強くなればなるほど、金物も強くなる
阪神淡路大震災以後、木造の研究が進み、その研究結果をもとに、2000年に建築基準法が変わりました。
具体的には、建設省告示第1460号(平成12年6月1日施行)がその規定です。

このときに大きく変わったのは軸組工法(在来工法)で、ホールダウン金物や各部の金物の使用が明確になり、金物の使用量も大幅に増えました。

金物の選定の時の基本的なルールとして、壁が強くなるほど、金物の強度も強くなります。

これは、自動車を改造するとき、エンジンを強いものに交換した時には、それに対応できるようにブレーキやタイヤなども、より強いものに交換する必要があるのと似ているでしょう。

これは、建物でも同じことなのです。

筋かいだけで耐震性を確保して、さらに構造用合板を張った場合には、設計の時よりも実際の壁が強くなります。
壁が強いと、金物も強くするのが基本的なルールなのですが、そこを計算に反映させないと、壁の強さに金物が負けてしまい、「もろい」壊れ方をする恐れがあります。

従って、構造用合板を張る場合には、その強度も含めないと、必ずしも安全とは言えないのです。

金物の計算(N値計算)では、壁の強さをしっかりと計算してもらおう。

2006年09月15日

金物の計算は専門的になりますので、一般的にはパソコンで行います。
この計算を「N値計算(えぬちけいさん)」といいます。

建物の外周に構造用合板を張るのであれば、N値計算のときにその強度もしっかりと計算に入れてもらいましょう。

ちなみに、N値計算はパソコンで行なうと、1秒もかかりません。本当に、あっという間に終わります。

N値計算が終わると、金物の位置を示した図面を作る事がほとんどです。これを一般的に「金物位置図」や「金物配置図」と呼ぶことが多いようです。

2000年の法改正が反映されていない新築物件もまだまだある

2006年09月18日

他の業界の方からすると、信じられないかも知れませんが、2000年の法改正を知らず、その基準を満たしていない新築物件が存在します。

ケースとして多いのは、2000年に厳しくなった金物の仕様を「知らない」ものです。
このような場合、金物の計算(N値計算)の図面を要求しても出てきません。

例えば、私が今年の4月に行った物件もこのケースでした。
 http://www.sakurajimusyo.com/diary/ohshita/ost200604.shtml#20060430

そのような建物は、関係者の意識が低く、安全性も高いとは言えないと思われますので、しっかり計算を行なってもらうか、やめておいた方が無難です。

筋かいの記号で、筋かいの方向がわからない図面には要注意

2006年09月22日

耐力壁に筋かいを使う場合、N値計算のときにはその取り付け方向によって、計算値が変わり、結果として金物の強度が変わってきます。

筋かいの方向がわからない図面
 http://www.sakurajimusyo.com/diary/ohshita/ost200604.shtml#20060410

このような図面を書く設計者には要注意です。
N値計算そのものを知らないか、行っていない可能性があります。
在来工法の図面を見て、筋かいの方向がわからない図面であった場合、少し「怪しい」と思っても問題ないでしょう。

構造用合板や石こうボードなど、面材で強度を確保する場合には、方向性はありませんので問題ありません。

N値計算を行った結果の図面をもらっておこう

2006年09月25日

2000年の法改正に基づいたN値計算を行い、金物の選定を正しく行っていれば、「金物位置図」と呼ばれるものや、平面図に金物の種類と位置を示した図面があるはずです。

新築で家を建てられる方や、建築中の物件をチェックする場合には、この図面をもらっておきましょう。
図面がない場合には、耐震面で要注意だといえます。

木造一戸建ての耐震性を上げるために重要なキーワード

2006年09月29日

木造一戸建ての耐震性を上げるために重要なキーワード
これまでのブログで、木造の一戸建ての耐震性能を上げるためには、筋かいや構造用合板、石こうボードを張った、「耐力壁」が重要であることをお伝えしました。

耐力壁に加え、木造一戸建ての耐震性を上げるために重要なキーワードがあります。

それは、
 
   耐力壁線(たいりょくへきせん)

です。

●耐力壁線とは?
耐力壁線とは、

  ・建物の外壁を結んだ線
  ・建物内部の壁のうち、筋かいや構造用合板などが一定量入った壁

 のことを指します。

例えが難しいですが、商店街をイメージして下さい。

八百屋さんが、街の中にポツンと1軒だけ立っていても集客効果は少ないでしょう。

しかし、ある通りに、八百屋さんや魚屋さん、写真屋さんや薬屋さんなどが並んでいると、集客効果が高まります。
それぞれの力が集まってより高い効果を生むわけです。

これは、一戸建ての耐震性でも同じです。
筋かいが入っている壁が、1箇所だけポツンと部屋に配置してあっても、耐震性は高くなりません。

しかし、筋かいや構造用合板が張ってある壁が連続していると、そこが耐力壁線という、地震に耐えるための1つの通りになるのです。
これは、非常に重要な考え方です。

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