●軸組構法(在来工法)での継手 大工の手からノミを奪え!
木材の複雑な継手は、日本独自の物だと思っている方が多いのではないでしょうか?
実はそんなことはありません。アメリカにも、ドイツにも、イギリスにも昔の工法では継手があったのです。
しかし、このような継手は手間がかかる割に得られる強度が弱く、施工のばらつきが大きいことから、ずっと昔にやめています。そして、ツーバイフォーに見られるような、金物を使った継手を使うのが一般的です。
日本でも、デメリットの多い、木の継手にこだわることは止めたほうがいいというのは、昔から言われています。
例えば、日本の木造の研究者であった田辺平学は、北丹後地震(1927年)の直後、神戸新聞に「大工の手からノミを奪え」と題して、警告しています。
その中身は、「ノミを使って継手仕口を精巧に作ることに精力を費やしているが、観点を変えて継手仕口に金物を使い、壁に筋かいを入れ、家屋を耐震的にすることを考えるべきだ」というものです。
また、田辺平学は、次のようにも書いています(杉山英男著、地震と木造建築、p181より)
「古来地震や風で、多くの人を殺したのは、極言すればこの”ほぞ差し”のためである」
「大工職の人達に対してお願いしたいことは、一刻も早く、”殺人的構造たるホゾ差し”の仕口に憂き身をやつすこと止めて、これに代わるべき、より安全にして、より進歩した仕口を用いるようにすることであります」
この、「代わるべき」仕口というのは、ツーバイフォーや金物工法のような金物を使ったもののことを指しています。


