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在来工法は、日本の風土に合っているのか?

2006年06月02日

家選びをするとき、それぞれの工法の短所・長所を比較している雑誌やホームページを見ることがあるかもしれません。

検索サイトで検索すると、そのようなページも簡単に見つかるでしょう。

在来工法(軸組工法)での長所において、以下のようなことが書かれていることを目にすることがあります。

 「日本の風土に合っている」

しかし、これに関して私は疑問です

最初に気をつけなければいけないのは、現在一戸建てで使われている在来工法(軸組工法)と、昔からのお寺や神社に使われている軸組工法(伝統工法)は、似てはいるものの、構造のメカニズムとしては別物だということです。

例えてみるなら、車という分類は一緒だけど、大衆車と、特殊用途に使う特殊車両のように、その種類が構造的に全く異なるということです。

昔からのお寺や神社に使われている軸組工法(伝統工法)は、柱と梁がとても大きく、すき間だらけです。

私が学生のとき、京都のあるとても大きなお寺(現在、大規模改修中)に、耐震診断のための調査に行きました。
常時微動(じょうじびどう)計測という、目には見えない非常に小さな揺れを計測するため、調査は夜です。

ちなみに、常時微動計測では、遠くで雷が鳴ったり、地下鉄が走ったり、大きなクラクションが鳴ったりする振動でも、建物が揺れていることがわかります。
計測の画面を見ているとなかなか面白いものでした。

調査の時期は12月。何もしなくても寒いのですが、建物の小屋裏に入ると、なぜかもっと寒いのです。

小屋裏からは、隙間間から月明かりが見えました。ここから、冷たい風がビュンビュンと吹き込んできました。
このとき、「本当に昔の建物はすき間だらけなのだな」 と実感したものです。

これに対して、最近の住宅では、在来工法(軸組工法)を採用していても、和室のない家が全く珍しくありません。
そのため、柱が家の中から見えないこともよくあります。
外側も、サイディングなどに囲われ、柱が見えないのがほとんどです。
結果として、「意図せず」気密性が上がっています。(高性能住宅・省エネ住宅にするためには、「意図して」気密性を高める必要がありますが。)

「風土に合っている」という定義は何か分かりませんが、その建物の寿命が長いということなら、昔のお寺や神社のような伝統建築は風土に合っていると思います。

しかし、在来工法(軸組工法)が半数以上を占める日本の一戸建ての寿命は約26年。

日本の風土といっても、日本の地域によって気候は大きく違います。
北海道と沖縄、日本海側と太平洋側でも全然違います。

気候のバリエーションで言えば、国土が日本の25倍あるアメリカの方が変化に富んでいます。
温度と湿度の関係を示す、クリモグラフというグラフを書くと、日本各地のグラフはアメリカのグラフの中にすっぽりと入ってしまうのではないでしょうか。

Blog2006060201そのアメリカでは、木造建物の工法はほとんど全て、ツーバイフォー工法。
住まいの平均寿命も、日本より長い44年。

風土に、「地震が多い」という特徴が含まれるとしたら、大きな地震ごとにバタバタと倒れてしまう在来工法は、本当に風土に合っているのでしょうか。

気候風土に合っているはずの工法の方が、寿命が短いという現実を疑問に思ってしまうのは私だけでしょうか。
「日本の風土に合っている」と簡単に言われても、言っている根拠がないと思ってしまうのです。

住まいの寿命を決めるポイントは、工法だけでないと思います。


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