今回は、構法からちょっと話を脱線して、日本の木造の研究の歴史について。
「木造の建物がこれほど多い日本だから、木造の研究も進んでいるのではないか?」
と思う人がほとんどだと思いますが、実は全然違うのです。
日本建築学会という団体があります。
会員数は、約3万6千人。建設業に従事している人は、日本全国で約600万人ですから、全体の1%にもなりません。
しかし、歴史があり研究色が強い団体あることから、様々な基準や仕様がこの建築学会によって決められています。
日本における建築界の頭脳といってもいいかも知れません。
会員の多くは教育機関の研究者やゼネコンの研究者、設計事務所、官公庁の人たちです。
その日本建築学会が、今から46年前の昭和34年(1959年)に、「木造の研究をしない」としました。
建築学会が研究をしないと言ったら、研究者は発表する場がないため、当然ながら研究も行われません。
研究がされなかった結果、日本の木造建物は、あいまいな部分が多いまま歩んできました。
つまり、勘と経験だけが頼りの期間がずっと続いてきて、理論的な裏づけがなかったのです。
今から、10年前の阪神淡路大震災では、木造の建物がたくさん壊れました。
しかし、阪神淡路大震災が起きたとき、関西以西に木造を専門としている研究者は居なかったとされています。
建築の世界で構造を研究している人であれば、あれだけの大きな被害を受けたのは何故なのか、研究しようと思うのは、特別なことではありません。
その為、阪神淡路大震災を転機として、各分野の研究者が木造の研究を行うようになりました。
これは、ほんの数年前の出来事です。
最近では、急速に研究が進み、構造計算に関わる分野でも飛躍的な進歩を遂げています。
法律面でも、2000年に建築基準法が変わり、在来工法(軸組構法)の金物の基準は大幅に厳しくなりました。
しかし、実際の現場を見ていると研究の世界と現場では、まだまだ格差があるように思います。2000年の法改正を知らない業界関係者もまだまだいるというお寒い状況です。
日本における、木造建築の研究の歴史について、もう少し詳しく知りたい方は、私の過去の日記をどうぞ。
日本における、木造建築の研究の歴史
http://t-ohshita.com/2004/12/20041219-1200.html
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