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筋交い(筋かい)の方向が分からない図面を書く設計者は、構造に疎い

2006年04月10日

建物調査(インスペクション)のオプションサービスである、耐震診断を行うため、いろいろな設計者の図面を見ています。

図面を見ていてとても気になるのが筋かいの記号。
筋かいの記号は、△、▲、 筋かい記号筋かい記号 のようなものが一般的です。
記号は、法律で定められている訳ではないので、各社バラバラ。
平面図上では、以下のように書かれています。

筋かい記号 筋かい記号 筋かい記号 筋かい記号


ここで問題なのが、 筋かい記号 のように、筋かいを取り付ける「位置」だけが書いてあるパターン。


筋かい記号 左のイラストのように、たすきがけ(交差で入れる)の場合には、問題ないのですが、▲が1つだけの場合には、筋かいが右上がりなのか右下がりなのか分かりません。

平面立面
筋かい記号

筋かいの方向はどっち?
筋交い
筋違い
筋かい記号 たすき掛け筋違い

同じ筋かいの記号でも、 筋かい記号 の場合には、筋交いを取り付ける方向が分かります。

平面立面
筋かい記号 筋交い
筋かい記号 筋違い
筋かい記号 たすき掛け筋違い

それでは、何故、筋かいの方向が分からなくてはいけないのでしょうか?
理由は以下のようなものです。

 ・施工者によって、筋かいを入れる方向が異なる可能性となる
  (= 1つ図面から、複数の解釈が出来てしまう。)
 ・筋かいの方向により、金物の種類と位置が違ってしまう

筋かいの方向性 筋かいには、方向性があります。
右のような筋かいの入れ方をしたとき、からの力に100耐えられるとすると、からの力には、50くらいしか耐えることができません。

筋かいの方向が書かれていない場合、家をつくる大工さんによって、筋かいを入れる方向が変わる可能性があり、耐震性能が設計通りとならない可能性があります。

もっと問題なのは、金物の種類と位置が違ってしまうことです。
2000年に大きく変わった建築基準法により、金物の規定が厳しくなりました。金物の位置と種類を計算するときには、筋かいの方向を考慮する必要があります。

そのため、その計算を行ったときの筋かいの方向と、実際の建物の筋かいの方向が違っていると、耐震性が低下してしまう可能性があるのです。

長くなりましたが、お奨めの筋かい記号は、▲ではなく、 筋かい記号 のように、筋かいの方向が分かるものです。
厳しい言い方をすれば、筋かいの方向で金物の種類が変わる可能性があり、方向性がある材料であるにも関わらず、▲ の記号で片筋かいを表している場合には、構造面での配慮が甘いと思います。

もっと言ってしまえば、面材を使えば筋かいなど使わなくても、建物は十分強度が出るのです。
在来工法最大手のハウスメーカーでも、鉄骨も金物工法も行う日本最大のハウスメーカーでも、既に筋かいは使っていません。
面材を使えば、筋かいなど不要です。


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