▼断熱材の厚みだけを単純に比べるのは、ナンセンス▼
ときどき、断熱材の厚みだけを単純に比較して、充填断熱工法が良い、外張り断熱が悪いといわれていることがあります。
しかし、断熱材の厚みだけを単純に比較するのはナンセンスです。
なぜなら充填断熱では、断熱材以外の部分に断熱性能を期待している部分があるからです。
断熱性能は、トータルとして考えなければなりません。
| 充填断熱 | 外張り断熱 |
|---|---|
![]() グラスウール 16kg・100mm厚 |
![]() フェノールフォーム 35mm厚 |
| 厚みだけなら充填断熱が厚いが、 全体の断熱性能(熱抵抗値)で見てみると・・・ | |
場所によって、 断熱性能がバラバラ |
![]() 断熱性能は一定。 柱部分はプラス効果 |
| 一定厚みに換算してみると・・・ | |
断熱材の厚みは、100mmと35mmで約3倍違いますが、全体としての断熱性能はどちらもほぼ同じです。
今回の例では、外張り断熱の方が若干断熱性能が高くなりました。
このように、断熱性能は単純に断熱材の厚みだけでは決まらず、全体としての評価が重要です。
ちなみに、断熱材にすき間があった場合、外張り断熱は柱の断熱性能がありますが、充填断熱の場合には何もなく、無断熱の状態になってしまいます。そのため、充填断熱では丁寧な施工が求められます。
充填断熱工法では、柱の部分に断熱性能を期待しています。
外張り断熱では、柱の部分はあくまでもオマケの部分です。
柱があれば、より安全側の施工になります。
次世代省エネルギー基準に基づく、建物の熱損失の計算では、上のイラストで示したように、柱の部分(熱橋部)と断熱材の部分を分けて計算しなくてはなりません。
「構造を強くするために、柱や梁を太くする」場合、充填断熱では、木部が増えるので、建物の断熱性能は低くなります。
外張り断熱の場合は逆に、断熱性能が高くなります。
このように、同じ構造でも断熱材の位置によって、構造部の熱的な扱いが変わります。
断熱材の厚みだけを単純に比べることが、いかにナンセンスなことか、お分かりいただけたでしょうか。
| 今回の計算の仮定条件 | |||
| 部材 | 太さ(mm) | 厚み(mm) | 熱伝導率(W/mk) |
| 柱 | 120mm | 120mm | 0.150 |
| 間柱 | 30mm | 120mm | 0.150 |
| グラスウール 16k | - | 100mm | 0.045 |
| フェノールフォーム | - | 35mm | 0.020 |
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