外張り断熱工法のメリット。結露が起きにくい
◇2. 結露が起きにくい
断熱材が外にあることから、柱や間柱、梁なども全て室内と同じ環境になるため、結露の恐れがぐっと低くなります。
これは、実際に計算してみると、その効果がすぐ分かります。
値段が高く、耐久性も高い木材を使ったとしても、結露によって木材の含水率が高くなってしまうと、耐久性や強度が低下してしまいます。
耐久性を高めるために、結露が生じないというのは、外張り断熱でも、充填断熱でも、内断熱であっても、絶対条件でしょう。
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◇2. 結露が起きにくい
断熱材が外にあることから、柱や間柱、梁なども全て室内と同じ環境になるため、結露の恐れがぐっと低くなります。
これは、実際に計算してみると、その効果がすぐ分かります。
値段が高く、耐久性も高い木材を使ったとしても、結露によって木材の含水率が高くなってしまうと、耐久性や強度が低下してしまいます。
耐久性を高めるために、結露が生じないというのは、外張り断熱でも、充填断熱でも、内断熱であっても、絶対条件でしょう。
◇3. 熱橋(ねっきょう)が少ない
木による断熱性から、「熱橋がない」と言われることがある木造の建物ですが、今日の建物では金物が多く使われ、室内外を貫通する金物も多くあります。
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厳密には、この部分が熱橋になるといえます。
羽子板ボルトは、室内外を貫通するため、熱を伝えてしまいます。
まだ計算したケースを見たことがありませんが、建物全体で考えると、羽子板ボルト・アンカーボルトなどの金物による熱損失は、小さくないのではないでしょうか。
室内外を貫通する金物は、木造在来工法に多く使われます。
ツーバイフォー(枠組壁工法)では、室内外を貫通する金物は基本的にありませんので、木造軸組工法より熱橋部位は少ないといえます。
充填断熱工法において、この熱橋部分を断熱補強するケースはまれです。
外張り断熱工法では、これらの金物は全て部屋の中なので、熱橋にはなりません。
従って、熱的には安全側となります。
【熱橋(ねっきょう)】用語解説
「熱橋」とは、断熱材の内と外において、熱を伝える橋のような部位を指します。
先の例では、羽子板ボルトが熱橋になります。断熱材の厚みを厚くすると、断熱性があるとされている「木」でさえも、熱橋となります。
熱橋が多いと、断熱材を多く入れたとしても、全体として建物の断熱性能が低くなります。また、条件によっては、結露の問題も出てきます。
熱橋をヒートブリッジと呼ばれるときがありますが、これは「温かい」熱という意味を含んでいますので、結露の問題となるような「冷たい」熱を意味するときには不適切です。
温かい熱と冷たい熱の両方を示すときには、「サーマルブリッジ」が正解です。
外断熱 VS 内断熱? その1
最近では、本や雑誌、ウェブ上などで一戸建ての外断熱(外張り断熱)と充填断熱の比較を見ることが多くなりました。
○鉄筋コンクリート(RC)では
鉄筋コンクリート造の場合、外断熱と内断熱で、断熱性能をより高くできる(省エネできる)のは、外断熱工法です。
内断熱工法では、断熱材を厚くするほど、部屋の中が狭くなってしまうので、実用的ではありません。
つまり、鉄筋コンクリート(RC)の場合、高断熱=外断熱工法であるということが言いやすいといえます。(中には、断熱材の厚みが薄く、高断熱になっていない外断熱工法もありますが・・・。)
これについては、過去のブログのバックナンバーをご覧ください。
○鉄骨造では
鉄骨造の場合、鉄は熱を伝えやすいので、本来は外断熱(外張り断熱)でないと問題があります。つまり、原則は外断熱(外張り断熱)となり、充填断熱が変則的な工法です。
鉄骨の柱同士の間に断熱材を入れる方法(充填断熱)では、鉄の部分から熱が自由に出入りできてしまうからです。
ある鉄骨造のハウスメーカーが、外断熱と内断熱を組み合わせた工法で、次世代省エネルギー基準を大きく上回る商品を発表しました(ただし、北海道限定です)
鉄骨でこの性能を出すのはなかなか大変です。
内断熱(充填断熱)だけではかなり難しく、外断熱(外張り断熱)との併用が必要です。
○木造では
木造では、「丁寧に」施工すれば充填断熱でも外張り断熱(外断熱)でもかまいません。
ただし、過去のブログに載せたように、木造の建物で充填断熱を採用するときには、耐震金物が熱橋になりますので、その部分の対策は必要でしょう。また、充填断熱の場合、施工者に丁寧さが強く求められます。
コストパフォーマンスでいうと、価格が安い種類の断熱材を使える、充填断熱が有利です。
断熱性能についてですが、関東周辺でパワービルダーと呼ばれる建売業者が建てている建物(壁・天井:グラスウール10kg、100mm厚)より、外側に発泡プラスチック系断熱材(厚み 50mm)を張ったほうが、施工上の問題や空気の流れの問題から、実質的な性能は上です。
そもそも、壁・天井:グラスウール10kg、100mm厚では次世代省エネルギー基準には足りません。特に天井の厚みが不足しています。これからの時代には、根本的に性能不足な仕様だといえます。
木造の外断熱(外張り断熱)では、35mm ~ 50mmの断熱材を張っていることが多いと思います。
次世代省エネレベルであれば、これでも大丈夫ですが、さらにその上の国際的な省エネ基準や、今後厳しくなる一方の省エネ基準を満たそうと思うと、この厚みでは実力不足です。
建物の省エネをどんどん進めていくと、外断熱(外張り断熱)だけでは性能不足、充填断熱でも性能不足になり、最終的にたどり着くところは、充填断熱+外断熱(外張り断熱)の併用になるのは間違いないでしょう。
▼図面を超える断熱性能が、実際の建物で出ることはない▼
当然のお話ですが、図面以上の性能が実際の建物で出ることはありません。
断熱については、図面の性能が最大で、現場の施工状態で簡単に低下します。
特に、10kg程度の安く、軽いグラスウールでは施工によるバラツキが大きいため、図面通りの性能を出すのは簡単ではありません。
私は、建築中の建物を見る機会が多いのですが、10kの袋入りグラスウールを使った充填断熱の物件で、断熱材の性能を100%を出せるような施工は"かなり"まれです。
やはり、充填断熱でしっかりと施工しようと思ったら、最低でもグラスウールの密度は16kg以上で、袋に入っていない、裸のグラスウールで施工するのが原則でしょう。
▼外張り断熱(外断熱)は施工がカンタン▼
外張り断熱では、一般的に板状の断熱材をつかうため、施工が簡単で、図面に近い性能を出すことができます。
また、外から張ってあるため、中に入ることなく断熱材のすき間簡単に見つけることもできます。
すき間の確認なら、一般の人でもできます。
木造の外張り断熱の断熱材は、一般的に柱の上につなぎ目がきます。
そのため、もし断熱材同士にすき間があった場合にも、柱に使われる木の断熱性能があります。
このように、施工が簡単で、図面通りの性能が出しやすいメリットが強いのが木造における外張り断熱(外断熱)です。
施工のミスによる断熱性能の低下も低いといえます。
▼外張り断熱では性能が出ない?▼
外張り断熱は、充填断熱に比べて性能が出ないといわれることがあります。
外張り断熱に使われる断熱材の価格は、充填断熱で使われるグラスウールのような繊維系断熱材と比べると高価です。
そのため、同じ費用で比べるとコスト的には充填断熱が有利です。
しかし、性能が出ないわけではありません。
以前、さくら事務所にご依頼いただいたある方は、ご自宅を外張り断熱工法で建てられていました。
非常に勉強されていた方で、私が知っている一般の方では1~2番目位に詳しかったと思います。
ちなみに、外壁にはフェノールフォーム断熱材の66mm厚のものを使っていました。
その物件の断熱性能は、数値で表すと Q値という1.4W/m2Kという数字になります。
この数値は、小さいほど省エネルギー性能に優れます。
これは、次世代省エネ基準を十分クリアする数値で、関東地域の基準の約2倍の性能です。
このように、外張り断熱では性能が出ないわけではありません。
充填断熱に比べて性能が出ないといわれるのは、厚み3cm前後の断熱材で外張り断熱を行っている業者さんのように、絶対的な厚みが薄い場合です。
ポリスチレンフォームの3cm程度では、やはり高断熱と呼ぶには弱すぎます。
フェノールフォーム断熱材であれば、3.5cmの厚みでも、ポリスチレンフォーム50mm相当になるので、ボチボチといったところでしょうか。
要は、施工業者の設計力と施工力です。
▼断熱材の厚みだけを単純に比べるのは、ナンセンス▼
ときどき、断熱材の厚みだけを単純に比較して、充填断熱工法が良い、外張り断熱が悪いといわれていることがあります。
しかし、断熱材の厚みだけを単純に比較するのはナンセンスです。
なぜなら充填断熱では、断熱材以外の部分に断熱性能を期待している部分があるからです。
断熱性能は、トータルとして考えなければなりません。
| 充填断熱 | 外張り断熱 |
|---|---|
![]() グラスウール 16kg・100mm厚 |
![]() フェノールフォーム 35mm厚 |
| 厚みだけなら充填断熱が厚いが、 全体の断熱性能(熱抵抗値)で見てみると・・・ | |
場所によって、 断熱性能がバラバラ |
![]() 断熱性能は一定。 柱部分はプラス効果 |
| 一定厚みに換算してみると・・・ | |
断熱材の厚みは、100mmと35mmで約3倍違いますが、全体としての断熱性能はどちらもほぼ同じです。
今回の例では、外張り断熱の方が若干断熱性能が高くなりました。
このように、断熱性能は単純に断熱材の厚みだけでは決まらず、全体としての評価が重要です。
ちなみに、断熱材にすき間があった場合、外張り断熱は柱の断熱性能がありますが、充填断熱の場合には何もなく、無断熱の状態になってしまいます。そのため、充填断熱では丁寧な施工が求められます。
充填断熱工法では、柱の部分に断熱性能を期待しています。
外張り断熱では、柱の部分はあくまでもオマケの部分です。
柱があれば、より安全側の施工になります。
次世代省エネルギー基準に基づく、建物の熱損失の計算では、上のイラストで示したように、柱の部分(熱橋部)と断熱材の部分を分けて計算しなくてはなりません。
「構造を強くするために、柱や梁を太くする」場合、充填断熱では、木部が増えるので、建物の断熱性能は低くなります。
外張り断熱の場合は逆に、断熱性能が高くなります。
このように、同じ構造でも断熱材の位置によって、構造部の熱的な扱いが変わります。
断熱材の厚みだけを単純に比べることが、いかにナンセンスなことか、お分かりいただけたでしょうか。
| 今回の計算の仮定条件 | |||
| 部材 | 太さ(mm) | 厚み(mm) | 熱伝導率(W/mk) |
| 柱 | 120mm | 120mm | 0.150 |
| 間柱 | 30mm | 120mm | 0.150 |
| グラスウール 16k | - | 100mm | 0.045 |
| フェノールフォーム | - | 35mm | 0.020 |
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