断熱の方法 充填断熱工法 ホールダウン金物など、金物への影響
今日は、学術的になりますが、日本建築学会の全国大会で発表された論文から、金物の影響に関するものを。
「木は断熱性能がある」といって、見過ごされることが多い、金物部分の熱橋に関するものです。
日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸) 2002年 8月 pp325-326
木造軸組の断熱工法における構造用金物等の影響
(財)建材試験センター 中央試験所 藤本哲夫、黒木勝一
この研究では、袋入りおよび裸のグラスウールを使ったとき、ホールダウン金物や羽子板ボルトと呼ばれる金物に結露などが生じないかを調べたものです。
問題点の検討として挙げられているのは以下の通り(原文のまま)
(1)
仕口金物でも、羽子板ボルトのようなあまりかさばらないものは問題とならないが、ホールダウン金物のようにかさばるものは、その部分にきちんと断熱材を充填することが難しく、熱的弱点となりやすい。
今回の実験では、床下空間の温度は実際の床断熱の場合よりも高くなっている。これを考慮すると、壁内への湿気の侵入があれば、金物部分やその周囲部分での結露が懸念される。
(2)
北海道以外では、施工性から袋入り断熱材が使われることが多いが、外気側の穴あきフィルムは穴以外の部分での透湿抵抗が大きく、GW内部に湿気が侵入した場合、その部分で結露を起こしやすいと考えられる。
実験でも裸品では結露の発生は見られず、袋入りの断熱材だけに結露が発生している。これは、防湿層を別張りしても同様の結果となっており、何らかの原因でグラスウール内に湿気が侵入した場合結露の危険性が高い。製品JIS規格でも外気側フィルムの透湿度の規定はなく、検討が必要であろう。
(3)
通常、柱-間柱間隔は390mm程度であるが、GW製品としては430mm幅のものが多い。このため、施工要領等では幅を柱間隔に合わせて40mm程度の幅詰めをするように指導しているが、実際の現場で幅詰めを行っている所はさほど多くはないと予想される。
このため、図2で示したような空隙ができる可能性がある。これにより断熱性能が大きく低下するとは思われないが、場合によっては不具合となることも考えられる。
(3)に書かれているように、確かに実際の現場でグラスウールをしっかり幅詰めしている現場は多くありません。
最近は、幅方向に伸び縮みするグラスウールがありますので、そのようなグラスウールを使うことで、簡単にしっかり施工することができるでしょう。
結露に関して、一般的な金物は錆び止め処理といっても簡単なものしか行われていないのがほとんどです。安全側の対策としては、問題点の検討としても書かれているように、丁寧に裸のグラスウールを詰めて、防湿層をその上に取り付けるか、外張り断熱併用で壁内の温度を上げることが考えられるでしょう。










