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欠陥住宅は、世代をまたげない

2005年10月20日

神奈川県で、既存一戸建ての建物調査(インスペクション)へ。
見た目は奇麗な物件。外壁が塗りなおしてある様子です。
家には、現在お住まいになられている老夫婦がみえます。

 

土台の高さ調整用の木端 間取りを確認した後、早速床下のチェックへ。
すると、早速おかしなものを・・・。

土台の高さ調整をするために、土台の下に木っ端が敷いてあります。
これでは、建物の重みがかかると、床が沈み込みやすくなります。年数が経つとなおさらです。

この段階で、床の精度が悪いことが予想されたので、ポケットに入れていたトランシーバーで、上にいる神尾さんにその旨を連絡。

 

不適切な施工 床下の全てを見るために、移動を続けると、他にもいろいろな問題が見つかりました。

床下全部を見て、最後にたどりついたのが右の写真の部分。

不具合が多くて、何から指摘していいのか分からないほどです。
コンクリートが壊されている箇所には、切られた鉄筋も見えました。これだけ大きくコンクリートを削っていたら、鉄筋が出てくるのは当然です。



排水の水勾配の取り方も、普通ではあり得ない方法です。勾配を取るために余ったパイプを敷いてあるのは見たことがありません。

 

壁の傾き 床下から上がって、神尾さんに精度を聞いてみると、1階も2階も良くない様子。
レーザーを当てると、レーザーの垂直の線と、壁の立ち上がり部分が大きくずれていることが分かります。



やはり予想通りでした。年数が経つと、さらに悪くなることは考えられますが、良い方向になることは、まず、ないでしょう。

 

当時、設計を行った会社も、施工を行った会社も今はありません。
ご依頼者はまだ引き返すことができるかも知れませんが、現在お住まいの老夫婦のことを考えるとやるせない気持ちになりました。

 

現在は一個人の持ち物であるこの建物も、広い意味では社会全体の資産。
今回の物件も、大きな問題が無ければご依頼者が新たに住み、老夫婦は希望しているシルバー施設に転居するという、社会の流れができたはず。
しかし、建築時のいい加減な工事のために、その流れが切れてしまいました。

 

当時工事をした人たちは、軽い気持ちだったのかも知れません。しかし今、この物件をしっかりと直そうと思ったら、多額の費用がかかります。
それは、工事のときに節約できたお金の、何倍、何十倍もの金額です。

 

家づくりは、手間もお金もかかるもの。
将来同じことが繰り返されないよう、少なくとも現在作っている建物においては、問題のないようにして欲しいと強く思いました。


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