« 2005年09月 | メイン | 2005年11月 »

HOME > 2005年10月 アーカイブ

« 2005年09月 | 2005年10月 | 2005年11月 »

断熱材の種類1 グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー

2005年10月03日

★断熱材のいろいろ
 今回からは、断熱材の種類を紹介したいと思います。

◆ほとんどの断熱材は、空気の断熱性能以下◆
実は、空気の断熱性能というのはとても高く、それを上回る断熱材はほとんどありません。
世の中に出回っている断熱材の多くは、「空気が動かないこと」で断熱性能を得ているのがほとんどです。
まずはこの基本を知っておきましょう。

◆断熱材には、「繊維系」と「発泡プラスチック系」の2つがある◆
断熱材を大きく分けると、

 ・繊維系断熱材
 ・発泡プラスチック系

の2つがあります。
住宅に使われる面積シェアでいうと、繊維系断熱材が、70%前後を占めているようです。

◆繊維系断熱材の種類◆
繊維系断熱材としてよく使われるものには、以下のものがあります。

 ・グラスウール
 ・ロックウール
 ・セルロースファイバー

今回は、このうち、グラスウールとロックウールについてお話しします。

◆グラスウールの原料はガラス◆
日本において、断熱材として最も使われているグラスウールの原料はガラスです。
ガラスを溶かして、お菓子の「わたあめ」のよにしたのが、グラスウールです。

グラスウールは、その繊維の中に空気を閉じ込め、空気が動かないことによって、断熱性能を発揮します。

その為、

 ・取り付け時に、大きなすき間ができる
 ・グラスウールの中を風が通り抜ける

などということがあると、断熱性能が大きく落ちてしまいます。

原料がガラスであることと、製造方法が簡単であることから、価格がとても安い断熱材です。

◆グラスウールは、重さによって性能が違う◆
グラスウールは重さによって性能が違います。
重さが重たいほど断熱性能は高くなります。

繊維を細くして、密度を高くすると、中の空気が動きにくくなるためです。

重さは、1m角当たりの重さで表され、

 ・10kg
 ・16kg
 ・24kg
 ・32kg
 ・48kg

のような製品が一般的です。

実際に触った感じでは、10kgのグラスウールはぺらぺらです。
24kgや、32kgとなるとかなりしっかりしていて、断熱材を立てることができるほどです。

私がヨーロッパに行ったとき、ホームセンターや建材屋さんで断熱材を見てきましたが、日本で売られている10kgのグラスウールのようにぺらぺらな物は見ませんでした。

◆10kgのグラスウールを提案してくる建築屋さんは、勉強不足◆

関東では、壁に10kgのグラスウールの断熱材が標準になっているところがたくさんあります。

しかし、

 ・もともとの断熱性能が低いこと
 ・ぺらぺらのため、施工現場での状態が悪いことが多い
 ・施工状態が悪いと、さらに断熱性能が低くなる

ことから、冬に暖かい家にすることは困難です。

ちなみに、10kgのグラスウールを16kgに変更したとしても、その価格差は1m四方当たり数百円で大きな額にはなりません。

もしあなたが、冬に暖かく夏に涼しい家にしたいのなら、10kgのグラスウールを提案してくる業者さんは、家づくりのパートナーとしては不適切です。
この選択だけでも、断熱や防湿に関する知識がわかります。

グラスウールを使うのであれば、最低でも16kgのものを選ぶのが良いでしょう。

◆ロックウールの原料は石や、鉄鋼スラグ◆
ロックウールは、グラスウールと性能・価格はほぼ同じですが、原料に違いがあり、石や鉄鋼スラグが使われています。

日本ではあまり使われませんが、ヨーロッパではグラスウールより使われていることが多いようです。

断熱材の種類2 ロックウール

2005年10月07日

◆ヨーロッパの断熱材事情◆
私がヨーロッパに行ったとき撮影した写真を、いくつか載せてみまます。
いずれも、ロックウールに関するものです。

ウィーンのホームセンターで見かけた断熱材

これは、オーストリア・ウィーン市内の普通のホームセンターの中にあった、断熱材コーナー。
日本では、ホームセンターに断熱材自体が置いてないこともあります。大きなホームセンターに行っても、バリエーションが少ないのがほとんどではないでしょうか。
ウィーンでは、様々な種類の断熱材を簡単に買うことができます。

オーストリア・グラーツで見た建材売り場

これは、オーストリアのグラーツという街にあった、建材売り場の様子です。写真はほんの一部を写したもので、断熱材、工具、樹脂サッシ、レンガ、屋根などさまざまなものが売ってあります。
山積みしてあるピンク色のものは、発泡系の断熱材です。

ロックウール断熱材

これは、断熱材コーナーの一部です。ここはロックウール断熱材が並んでいます。

ハンブルグの建築現場で見た断熱材

これは、ドイツ・ハンブルグの工事現場で見た断熱材です。ロックウールが使われています。当然ながら、外断熱として使用していました。
写真を見るだけでも断熱材に重みがあり、しっかりしているように見えないでしょうか?

ドイツで使われている断熱材の断面

ロックウールの断面を横から見たものです。日本の建築現場でよく見られる断熱材よりも、ずっとしっかりしており、密度が高いことがお分かりいただけると思います。
こうしてみてみると、日本で使われることの多い、1立方メートル当たり、10kgの密度のグラスウールが、いかにスカスカなのかが分かります。

このページに写っている写真の中に、ISOVERと書かれた断熱材があります。
この断熱材のホームページが面白いのでご紹介します。

まずは、以下のページにアクセスしてみてください。

ページが表示されると、上のメニューの左側に、「För PRIVATE」があるので、そこをクリック。

すると、左側のメニューに、「ISOVER Produkte」 というのが出てきます。

ISOVER Produkte のすぐ下に、「Holzbau/Dachausbau」というの がありますので、そこをクリックします。

すると、右側に施工している様子の写真が出てくると思います。
屋根や壁の断熱材を施工している様子です。好きな写真を選んでクリックして下さい。写真が大きくなり、断熱材の詳しい性能もでてきます。
女性が作業をしている写真もありますが、日本ではまず見かけない風景ですね。

このサイトには、それぞれの断熱材の詳しい性能が載っているカタログもダウンロードできます。
興味のある方はぜひどうぞ。

一戸建ての展開図

2005年10月08日

ご依頼者立会いのもと、一戸建て品質チェックのコンセント位置などの取り付け確認へ。
現場には、業者さんが2人。
石こうボードが全面に張られていますが、クロスの工事はこれからです。
その壁面を見ると、各部屋ごとに右の写真のような図面が張ってあります。

一戸建ての展開図 この図面は、展開図(てんかいず)と言います。

展開図とは、室内の中央に立って壁を見たとき、それぞれの壁にあるコンセントやドアや収納がどのように見えるのか、位置関係を示したものです。



一戸建てで展開図が書かれているというのは、少数派です。全ての部屋の展開図が準備されていることは、かなりまれなのではないでしょうか。



施工業者さんも、「いや~、展開図あると、工事がラクっすよ」なんて言っていました。
たくさんの業者さんが入る家作りですから、誰にでも分かる図面が準備されているというのはいいですね!

また行きたい国、フィンランド。

2005年10月09日

鈴鹿で行われたF1グランプリで、フィンランド人のキミ・ライッコネンが優勝しました。
F1をあまりじっくり見ることは無いのですが、結果だけは見ています。日本のチームも出ていますしね。

フィンランドは、私が興味を持っている国。
面積は日本とほぼ同じですが、人口は約520万人と、東京都の半分以下。
しかし、その人口の割に各界で活躍されている人が多いような気がします。

 

F1ドライバーでは、先ほどのキミ・ライッコネンの他に、ミカ・ハッキネンが有名。F1で総合優勝を2回達成しています。WRCラリーでも、フィンランドから、強いドライバーがたくさん出ています。

ウィンタースポーツでは、スキージャンプのヤンネ・アホネンは、ワールドカップで現在2期連続で総合優勝と、圧倒的な強さ。アホネンは、普段は笑顔をほとんど見せない、超クールな人として知られています。

余談ですが、私がフィンランドに行ったとき、ワールドカップスキーのジャンプがテレビで放送されており、その日は葛西紀明選手が優勝しました。

すると、テレビを見ていた現地の中学生の子供は、

「アホネンは決して笑わないけど、原田はいつも笑っているね」

と一言。
ジャンプの原田選手の笑顔はフィンランドでも有名でした。

 

スキーのフリースタイルではソルトレイク冬季オリンピックで金メダルを取ったヤンネ・ラハテラがいます。モーグルのワールドカップでは、フィンランド勢が表彰台を独占し、「世界最強」と言われたこともありました。

パソコンの世界では、Linuxを開発した、リーナス・トーバルズが有名ですね。
建築の世界では、アルヴァ・アアルトが有名です。
アアルトは、イッタラのサヴォイシリーズでも知られています。

 

経済面では、2001年 ~ 2004年までの4年間、国際経済競争力が世界一です。日本ではあまり売れていないようですが、携帯電話端末の会社であるノキア(NOKIA)は世界トップシェアです。

個人的にいろいろと思い入れがあるフィンランドは、日本から最も近いヨーロッパ。
また行く機会があったら、ヘルシンキから高速船で2時間弱の距離にあるエストニアを始めとする、バルト3国に行きたいと思っています。

断熱材の種類3 グラスウール・ロックウール。日本の低密度グラスウール

2005年10月10日

◆家作り・メンテナンスに参加しよう◆

前回ご紹介した、http://www.isover.at/ のページの中には、女性が断熱材を施工している写真もありますが、まず断熱材の厚みに驚かれるのではないでしょうか。
屋根に断熱している写真では、厚みが軽く20cmはありそうです。

建築に詳しい方なら、断熱材(ロックウール)が袋に入っていないことにも驚かれるかも知れません。
実は、袋入りのグラスウールやロックウールは海外では一般的ではありません。袋入りの断熱材では本当にしっかりとした断熱の施工というのは難しいからです。
(日本でも、しっかりとした省エネ住宅を作っている業者さんは、袋入りではなく裸のグラスウール・ロックウールを使います。)

ちなみに、袋入りグラスウールにおいて、結露防止のために必要な部分は室内側のビニールシートだけです。
裏側のビニールは無くてもかまいません。実際、裏側のビニールには、水蒸気を抜くための小さな穴が空いています。

ホームセンターの写真では、断熱材がたくさん売ってあるのがお分かりいただけると思います。実際、いろいろな種類の断熱材が置いてありました。

日本のホームセンターでも大きなところだと断熱材が売ってありますが、種類は少なく、グラスウールの場合でも10kgという軽くて密度の小さいものがほとんどです。前回写真を載せたような、密度の高い断熱材が日本のホームセンターで売ってあるということは極めてまれでしょう。

オーストリアのホームセンターで、断熱材がたくさん売ってあるのは、一般の人が自宅の断熱施工やメンテナンス行う機会が日本と比べてずっと多いからです。これは、オーストリアだけでなく、ドイツやヨーロッパ各国で同様です。

日本では、家の手入れとなると業者さんにまかせっきりというパターンが多いですが、日本でも自分の家は自分でメンテナンスするというな方が増えてくるといいですね。
家も長持ちしますし、愛着もわくでしょう。

日本とフランスの中間?

2005年10月13日

神尾さん、水永さんと、最近お問い合わせがかなり増えている、建物調査(インスペクション)へ。

 

規模の大きな物件だったため、建物の外で休憩をしていると、1人の外国人の方が近づいてきました。どうやら、調査の専用機材に興味があるようです。


「何をしているの?」と聞かれたので、「建物のインスペクションです」と答えると、すぐに分かっていただけました。フランスの方でしたが、あちらでは建物の調査が一般的のようです。

 

技術系の翻訳をしているということで、日本語はペラペラ。大学では電子工学を専攻していたそうで、専門機材の中でもサーモグラフィカメラに興味津々。
神尾さんが実際にサーモグラフィの操作をすると、
「別に用は無いけど、これ欲しいです。」と一言。(その気持ち、よく分かります。)


その後、話はフランスの建物事情へ。
建物完成後に、面積を増やしたりなどの違反が見つかると建物を取り壊されるとか、レストランのような建物は、年に2回のインスペクションが行われるとか。

外壁についても聞いてみました。



「フランスでは、外壁の規制も厳しそうですね」

「厳しいですよ。色も素材も決まっていて、自由には決められません。」

「日本は緩いですよ。ほとんど決まりがありません」

「そうですね。外壁もバラバラだもんね。日本とフランスの中間くらいのルールだったらいいかもね」

と苦笑い。

これまで、ご依頼者の中にも外国の方はたくさんみえますが、海外の家づくりや街づくり、それに関するルールというものには興味があります。
身近に、海外の住まいについて詳しい方がいたら、日本との違いを聞いてみるのも面白いのではないでしょうか。

断熱材の種類4 セルロースファイバー

2005年10月14日

★繊維系断熱材 -  セルロースファイバー
今回は前回に引き続き、繊維系断熱材の中で、セルロースファイバーという断熱材をご説明したいと思います。

セルロースファイバーは、アメリカで最も使われている断熱材です。

◆セルロースファイバーの原料は古い新聞紙◆
セルロースファイバーの主な原料は古い新聞紙です。
新聞紙の他に、施工性の向上のために接着剤が、防炎・防虫のためにホウ酸が混ぜられています。

見た目はわたのような感じです。
グラスウールやロックウールのように、板状になっていたり、袋に入っているわけではありません。

セルロースファイバーは、グラスウールやロックウールと同じく、「断熱材の中の空気が動かないこと」で断熱性能を得ています。ですから、壁の中に空気の流れがあってはいけません。

◆セルロースファイバーの特徴◆
セルロースファイバーの特徴は以下のような点が挙げられます

 ・原料が古新聞紙のため、環境にやさしい
 ・吸音性が高い
 ・断熱材に、吸放湿性がある

まず第一に、材料が古新聞紙であることから、環境に優しい断熱材です。

次に挙げられるメリットは吸音性です。マンションでは、吸音のために、床や水周りの壁の中にグラスウールを入れることがあります。セルロースファイバーの吸音性は、グラスウールより高くなっています。

断熱材に吸放湿性があるのもメリットです。原料が木質繊維であることから、周囲の環境に合わせて吸放湿するため、冬の結露の心配が減ります。

◆吹き込んだり、吹き付けたりして施工します◆
セルロースファイバーは綿状であるため、断熱材として使用するときは、消防のホースのようなもので、吹き込んだり、吹き付けたりして施工します。
セルロースファイバーの一番のメリットは、吹き込み工法であるため、すき間が出来にくいということではないでしょうか。

一般的に、この吹き込み・吹き付け工事は専門の業者さんが行います。

◆家全体で、断熱材の重みが1トン以上になることも◆
セルロースファイバーを壁に使うときは、1m角で55kg前後の重さのものがよく使われます。
前回、グラスウールのお話をしましたが、グラスウールは10~24kgのものが一般的であることを考えると、かなり重たく、ぎっしりと詰まっていることがお分かりいただけると思います。

そのため、家全体でセルロースファイバーの重みが1トンを超えることも珍しくありません。

工事の費用は、グラスウールと比べると高くなります。

断熱材の種類5 発泡系断熱材(イソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、炭酸カルシウム板、ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォームなど)

2005年10月17日

★発泡系断熱材
これまでは、グラスウールやロックウールのような繊維系断熱材について書きました。

今回からは発泡プラスチック系断熱材についてです。

◆発泡系断熱材の種類◆
発泡プラスチック系断熱材で主なものは、以下の種類です。

 ・ポリスチレンフォーム(ビーズ法・押出し法)
 ・硬質ウレタンフォーム
 ・ポリエチレンフォーム
 ・発泡ガラス
 ・炭酸カルシウム板
 ・フェノールフォーム

何だか、カタカナばかりで覚えにくいですね。

◆ポリスチレンフォームには、2種類ある◆
発泡プラスチック系の断熱材としてよく使われるポリスチレンフォームには、製造方法の違いで大きく

  ・ビーズ法
  ・押出し法

の2種類があります。

◆ビーズ法ポリスチレンフォーム◆
ビーズ法ポリスチレンフォームには、様々な別称があります。
最も一般的なものは、発泡スチロールという名称でしょう。

他にも、
 ・発泡スチレン樹脂
 ・発泡ポリスチレン
 ・フォームスチレン
 ・ポリスチレンフォーム
とも呼ばれます。

略称として、EPS(イー・ピー・エス)と呼ばれますので覚えておきましょう。
「Expanded Poly-Styrene」の頭文字を取ったものです。

ビーズ法ポリスチレンフォームは、建築材料としては断熱材だけでなく、畳の芯材としても使われています。

【特色 - ビーズ法ポリスチレンフォーム】
 ・湿気を通しにくい
 ・軽い
 ・水に強い
 ・色々な形状にすることができる
 ・生産が簡単

発泡プラスチック系断熱材は、繊維系断熱材と比べて水に強く、湿気を通しにくいという性質を持っています。
ビーズ法ポリスチレンフォームも同様に、水に強く湿気を通しにくい性質です。

金型に充填して作ることから、金型の変更によって色々な形状にすることができます。
石油化学製品であることから、建築に用いられるものには、難燃剤が入っています。

シロアリの害を受けやすいため、基礎断熱に使う場合には対策が必要です。

オーストリア・グラーツの建材売り場にあったEPS
オーストリア・グラーツで見た建材売り場で見た、ビーズ法ポリスチレンボード
オーストリア・グラーツで見た建材売り場で見た、ビーズ法ポリスチレンボード

オーストリア・グラーツの建材売り場にあった、押出し法ポリスチレンフォーム(EPS)です。
製造元のホームページは、→ http://www.austrotherm.com/

EPSを使った外断熱改修工事の現場(ウィーン市内)
EPSを使った外断熱改修工事の現場(ウィーン市内)
EPSを使った外断熱改修工事の現場(ウィーン市内)

ウィーン市内で見かけた、ビーズ発泡ポリスチレンフォーム(EPS)を使った外断熱改修の現場写真です。優に築50年以上は経っていると思われる建物でした。断熱材の厚みは70mmです。

EPSを貼り終えた箇所を遠くから見た様子
EPSを貼り終えた箇所を遠くから見た様子

断熱材を貼り終えた箇所を遠くからみるとこのようになっています。この後に仕上げ材が施工されます。

北海道・札幌での建物調査(インスペクション)

2005年10月19日

天候・曇り 建物調査(インスペクション)のため、今年6回目の北海道へ。先月は屋久島で今月は北海道。全国での建物調査です。

眠い目をこすりつつ空港に行き、離陸から着陸までは睡眠時間。飛行機は、定時より10分早く到着。


10月の北海道は既に寒く、到着時の外気温は3℃でした。防寒着を持ってきて本当に良かった。

 

荷物を受け取ったら、早速現場へ移動。
現場に着くと大工さん達と現場監督さんが休憩中。
現場監督さんは以前、内覧会の時に見たことあるぞ。
大工さん達や棟梁も見たことある。

 

しばらくすると、ご依頼者が現地に到着。
今日は一緒に構造部分の骨組みチェックです。

 

チェックを始めようとすると監督さんいわく、
「昨日、大工さん達と3人で、1時間かけてチェックしたから大丈夫だと思います」
とのこと。


構造部分はとても大切だから、複数の方でチェックされるというのはいいですね!

チェックをすると、確かにしっかりしている。現場だけでなく、設計上の配慮も。
配管を通すスペースについては、

「工事を始める前に設備屋さんと打ち合せして、図面には書かれていない箇所であっても、構造部分を傷めない箇所にパイプスペースを確保しました。」

ということだ。現場を見るとクローゼットの中など、目立たない位置にパイプスペースが。

 

「将来、配管を交換するときにも、パイプスペースはあった方がいいですよ。余分なところを壊さなくても済みますしね。」
と、監督さんがご依頼者に説明を。うんうん、確かにそうです!


アンカーボルトもしっかりと土台の真上に乗っているし、ちょっとアンカーボルトが短い箇所は、埋め込み式のものを使って適切に対処してあります。

チェックの結果、金物の取りつけ忘れや、少し位置がずれたホールダウン金物、筋かい金物のビスの締め忘れが見つかりました。
いずれも簡単なもので、棟梁は早速金物屋さんに電話。
2時頃には届くということですが、それまで時間があるので近所の蕎麦屋さんへ昼食に。

 

昼食を食べて戻ると、棟梁が近づいてきて一言。
「この近くに美味しいラーメン屋があるんだよ。知ってる?」
って、私、ここ初めてですから!


それに追い討ち(?)をかけるように、現場監督さんが、

「ラーメン屋からもう少し先に行くと、美味しいお寿司屋さんがありますよ。平日でも並んでるくらいの人気です。」

あいたたた。そういうのは、食べる前に教えていただかないと!次回来る時には覚えておこう。

撮影する姿が入っていますが・・・ しばらくすると金物が届き、修繕作業に立会いました。完成後に金物を追加するのは大変ですが、骨組みの段階なら修繕は簡単です。作業はすぐに終わり。


その後は、外壁の下地の確認や、屋根に上って屋根材の確認です。
北海道の屋根は平らになっていて、屋根の真ん中に雪解け水が流れるようになっていることが多いです。融けた水は、配管を通って外に流れていきます。

 

今回は骨組みの確認で、床を組み上げる前でした。
床の精度については、

「うちでも、レーザー買ったので、1000分の 3ミリ以下になるように仕上げます。これまでの物件では、3mの距離で 3mmくらいの精度に納めています」
ということ。


何だか対応が早い。来るたびに良くなってる。
(調査のためにこの会社の物件に一番最初に来て、大きな問題がいろいろ見つかった時には、正直どうしようかと思いましたが・・・。)


チェックの後半に、「現場で何回も会うね」と、棟梁。

「そうですね。たまには顔出さないと、棟梁、寂しがるかと思って」
と私。

「はっはっは」と笑う棟梁。

大工さんや現場監督さんも、やっぱり良い物作りたいですよね。今となっては、一番最初にあった厳しい指摘も良い物を作るために必要だったのかも(?)。
また、現場でお会いしたときは、よろしくお願いしますよ、棟梁!

修理中
笑顔で現場を後にして、駅でお寿司を食べた後に、空港へ。
お土産に、ジンギスカンキャラメルなどを買い、手荷物検査を受けて待合室へ。すると、帰りの飛行機の便が着陸時、エンジンに鳥を巻き込んだために出発が遅れるというアナウンス。

結局30分遅れで機内に乗り込むと次は、地震のために羽田空港が閉鎖していて、離陸が遅れるとの機内放送が。

昼間のチェックは良かったけど、帰りはトラブル続きで、結局1時間遅れて羽田に到着です。
おつかれさまでした。

欠陥住宅は、世代をまたげない

2005年10月20日

神奈川県で、既存一戸建ての建物調査(インスペクション)へ。
見た目は奇麗な物件。外壁が塗りなおしてある様子です。
家には、現在お住まいになられている老夫婦がみえます。

 

土台の高さ調整用の木端 間取りを確認した後、早速床下のチェックへ。
すると、早速おかしなものを・・・。

土台の高さ調整をするために、土台の下に木っ端が敷いてあります。
これでは、建物の重みがかかると、床が沈み込みやすくなります。年数が経つとなおさらです。

この段階で、床の精度が悪いことが予想されたので、ポケットに入れていたトランシーバーで、上にいる神尾さんにその旨を連絡。

 

不適切な施工 床下の全てを見るために、移動を続けると、他にもいろいろな問題が見つかりました。

床下全部を見て、最後にたどりついたのが右の写真の部分。

不具合が多くて、何から指摘していいのか分からないほどです。
コンクリートが壊されている箇所には、切られた鉄筋も見えました。これだけ大きくコンクリートを削っていたら、鉄筋が出てくるのは当然です。



排水の水勾配の取り方も、普通ではあり得ない方法です。勾配を取るために余ったパイプを敷いてあるのは見たことがありません。

 

壁の傾き 床下から上がって、神尾さんに精度を聞いてみると、1階も2階も良くない様子。
レーザーを当てると、レーザーの垂直の線と、壁の立ち上がり部分が大きくずれていることが分かります。



やはり予想通りでした。年数が経つと、さらに悪くなることは考えられますが、良い方向になることは、まず、ないでしょう。

 

当時、設計を行った会社も、施工を行った会社も今はありません。
ご依頼者はまだ引き返すことができるかも知れませんが、現在お住まいの老夫婦のことを考えるとやるせない気持ちになりました。

 

現在は一個人の持ち物であるこの建物も、広い意味では社会全体の資産。
今回の物件も、大きな問題が無ければご依頼者が新たに住み、老夫婦は希望しているシルバー施設に転居するという、社会の流れができたはず。
しかし、建築時のいい加減な工事のために、その流れが切れてしまいました。

 

当時工事をした人たちは、軽い気持ちだったのかも知れません。しかし今、この物件をしっかりと直そうと思ったら、多額の費用がかかります。
それは、工事のときに節約できたお金の、何倍、何十倍もの金額です。

 

家づくりは、手間もお金もかかるもの。
将来同じことが繰り返されないよう、少なくとも現在作っている建物においては、問題のないようにして欲しいと強く思いました。

断熱材の種類6 ポリスチレンフォーム

2005年10月21日

◆押出し法ポリスチレンフォーム◆
押出し法ポリスチレンフォームは、ビーズ法とほぼ同じ材料ですが、発泡剤と整形の方法が異なります。
木造の外張り断熱工法によく使われている材料です。また、基礎断熱や床断熱にも使われます。
表面を触った感じは、ビーズ法よりもツルツルしています。

略称として、EPS(エックス・ピー・エス)と呼ばれます。
eXtruded Poly-Styrene の頭文字の略です。

性質としては、ビーズ法とほぼ同じですが、ビーズ法と比較すると以下のような特色があります。

【特色 - 押出し法ポリスチレンフォーム】
 ・ビーズ法より固い(耐圧力がある)
 ・ビーズ法より断熱性能が高い
 ・ビーズ法より、価格は高め

ビーズ法より固いというメリットを生かし、道路の凍結防止として、土木工事の世界でも使われています。

一戸建てで使うときは、押出し法の方が、ビーズ法と比べて4割程度断熱性能が高いため、押出し法のものを使うのが良いでしょう。

ビーズ法は製造が簡単ですので、小さな工場・会社でも作れます。(つまり、調達しやすい)
押出し法は設備や工場が大きくなりますので、製造しているのは大きな会社が多いといえるでしょう。

鉄筋コンクリートの外断熱では、ビーズ法のものが使われていますが、これはモルタルとの接着性が押出し法よりも高く、価格も安いということがあるのではないでしょうか。

これから増えていく、樹脂サッシ。日本の常識は世界の非常識。

2005年10月23日

北海道のサッシは、今はほとんどが樹脂サッシになっているようです。
先日、北海道に行った時に、サッシの値段について聞いてみました。
すると、

「定価ベースだとアルミサッシより樹脂サッシの方が高いんですけど、最近アルミサッシはほとんど出ないので、仕入れの掛け率が悪くなっています。掛け率は樹脂の方が低いので、結果としてほとんど変わらないですね」

とのこと。

 

ガラス部分をペアガラスにしても、枠の部分がアルミだと、寒い時期には枠で結露する可能性があります。
アルミは、樹脂と比べると1000倍くらい熱を通しやすいので、材料だけで見ても結露には不利。

日本ではまだまだアルミサッシが多いのですが、世界の主流は樹脂サッシ

日本で常識のアルミサッシは、海外では非常識なサッシです。

住まいの省エネルギー化、高性能化に従って、樹脂サッシは必ず増えていくと思っています。

断熱材の種類7 発泡系断熱材(イソシアヌレートフォーム、硬質ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、発泡ガラス)

2005年10月24日

◆発泡プラスチック系断熱材の種類◆
 今回は以下の断熱材についてです。

 ・硬質ウレタンフォーム
 ・ポリエチレンフォーム
 ・発泡ガラス

◆硬質ウレタンフォーム◆
ウレタンフォームは、ボード状のものと現場発泡の2種類があります。
発泡剤には以前は特定フロンが使われていましたが、代替フロンに移行しています。水発泡のものもあります。

断熱性能は高いのですが、経年劣化が大きい断熱材のため、長期的に2割前後、断熱性能が低下するとされています。
(ちなみに発泡プラスチック系断熱材の多くは経年により断熱性能が低下します。)

ただし、パネル状に加工してあり、柱の間に組み入れるタイプのものは、経年劣化への対策が施してあるため、現場発泡のものと比べると経年劣化は少なくなっています。

今、日本で建てられている内断熱マンションのほとんどは、現場発泡硬質ウレタンによる吹き付け工法です。施工中は火災の危険があるため、火気厳禁です。

木造でも、硬質ウレタンで吹き付ける工法があります。気密性が高くなるとされていますが、気密性能で比較すると、外張り断熱の方が一般的には上です。

木造における現場発泡 硬質ウレタンフォームの施工例
木造における現場発泡 硬質ウレタンフォームの施工例

木造における、現場発泡 硬質ウレタンフォームの施工例です。柱と柱の間を充填するように吹き付けていきます。
施工後の断熱材に火を近づけると燃えますが、火を離すと勝手に消えます(自己消火性といいます)

▲ウレタン変性 イソシアヌレートフォーム▲
硬質ウレタンフォームの仲間の断熱材です。名前が難しいですね。

硬質ウレタンフォームと比べて、耐火性が高く、燃えたときに発生するガスや発煙量が少ないという特徴があります。
不燃材料に指定されています。

イソシアヌレートフォームに、防湿材を貼り付けられたものがよく木造の外張り断熱に使われています。

◆ポリエチレンフォーム(高発泡ポリエチレン)◆
物性は前回のポリスチレンフォームと似ています。

断熱性能としては、
 ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)とほぼ同じ、
 押出し法ポリスチレンフォーム(XPS)と比べるとやや劣る程度です。

この断熱材の一番のメリットは「弾力性がある」こと。
床の下地になる、根太(ねた 又は ねだ)の間に入れたときなど、弾力性によってすき間ができにくくなります。

壁や屋根部分にも入れられますが、床の断熱として使われることが多いようです。

◆発泡ガラス◆
ガラスを炭素で発泡させたものです。
断熱性能は高くありませんが、燃えず、シロアリに強く、湿気を通しにくい材料です。
原料がガラスのため、経年変化もありません。
地下室や基礎の外断熱に向いていますが、畳1枚の大きさで4万円前後するなど、価格が非常に高いためあまり使われません。

表層地盤のゆれやすさ全国マップ

内閣府から、表層地盤のゆれやすさ全国マップが公表されました。

これは、地震のとき、地上に近い部分(表層)の揺れやすさを、色分けして地図にしたものです。
地図を見ると、人口の多い地域は、比較的揺れやすい場所が多いことが分かります。東京都だけを見ても、東と西では大きく違います。

計測震度増分  
1.0 ~ 1.65   ゆれやすい








ゆれにくい
0.8 ~ 1.0  
0.6 ~ 0.8  
0.4 ~ 0.6  
0.2 ~ 0.4  
0.0 ~ 0.2  
-0.95 ~ 0.0  


私が気になったのが、色分けの方法。

この地図では揺れやすさを元に色分けされていますが 0.0 から 1.0までは、0.2刻みになっているのに対し、1.0を超えたら1.65まで一つの区分であるということ。

ちょっとぼかしすぎのような気がします。



地図は、全都道府県のものが載っていますので、防災意識を高めるために、ご覧になってはいかがでしょうか。

オマケ1
活断層の位置や地震発生確率については、独立行政法人 防災科学技術研究所の、地震ハザードステーションJ-SHISが詳しいです。


オマケ2
兵庫県三木市にある世界最大の振動実験台、E-ディフェンスにて、来月21日に木造住宅の公開実験が行われます。定員が30名と少なめですが、ご興味のある方はどうぞ。(私も来月、こちらに勤務している先輩のご好意に甘えて(強引にお願いして)振動台を見に行く予定です)

配筋検査。スペーサーのミスで、全て建築基準法を満たしていない

2005年10月27日

朝一番に、品質チェックの配筋検査のため、現場へ。天気は雨
朝8時に現場というのは、やっぱり早い。(余裕を見て、家を出たのは6時前)
しかも、現場に着いたのに、時間になってもまだ業者さん来てないぞ~。

しばらくすると業者さんが着いたので、早速配筋検査へ。

 

鉄筋の上に乗ると、時々ベタ基礎の結束線が切れて、ガタン!と鉄筋が落ちてしまう。これは、私の体重が増えたせいなのか、それとも単に結束線の間隔が広いのか。
体重は年始から、1~2kg増えた程度であるので、理由は後者であろうという確信を持ち、結束線の間隔を細かくすることに。

他にも指摘事項はありましたが、コンクリートの打設(流し込み)は、明日の午後なので、それまでに直してもらうように依頼。補助の鉄筋も必要になったので、それも手配してもらうようにお願いしました。


午後からは別の現場の配筋検査へ。現場では、安彦さんと合流。

現場に行くと、何だか人がたくさんいる!格好からすると、基礎屋さんではない。
実際には施工業者さんの、現場担当者2名、設計担当者2名、営業担当者1名の合計5名。こんなにぎやかな配筋検査は初めて。

鉄筋を見ると、地面から鉄筋までの距離を離すためのスペーサーが全て5cmになっている。
しかし、地面から鉄筋までは、建築基準法で6cm以上となっているので、これらは全て交換です。

 

他にも細かな修繕はありましたが、大きなものは無し。
品質チェックでは、配筋の検査が終わると、次はコンクリートの流し込み立会いがあります。
夏と違って、ひび割れの心配はかなり減り、工事の時間も夏より長くて良いので少し安心です。奇麗な基礎コンクリートができますように。

断熱材の種類8 発泡系断熱材(炭酸カルシウム板、フェノールフォーム)

2005年10月28日

★発泡プラスチック系断熱材
今回も前回、前々回に引き続き、発泡プラスチック系断熱材についてです。
断熱材の説明は今回で最後になります。

◆発泡プラスチック系断熱材の種類◆
 今回は以下の断熱材についてです。

 ・炭酸カルシウム板
 ・フェノールフォーム

◆炭酸カルシウム板◆
炭酸カルシウムを発泡させたものです。
燃えにくく、シロアリに強く、湿気を通しにくい性質は発泡ガラスと似ています。
地下室や基礎の外断熱に向いています。

コンクリートとの密着性が高いため、型枠代わりに炭酸カルシウム板を使い、外断熱工法とする方法もあります。

価格は発泡ガラスの半分程度ですが、それでも他の断熱材と比べるとずっと高価です。

◆フェノールフォーム◆
非常に高い断熱性能を持ち、その断熱性能は、空気以上。
建築向けの断熱材の中ではナンバー1の性能です。

例えば、フェノールフォーム50mmの断熱性能は、

 ビーズ法ポリスチレン(EPS)換算で100mm、
 グラスウール 単位重量24kg換算で 95mm
 押出し法ポリスチレン(XPS)換算で 70mmになります。

このように、他の断熱材と比べて必要な厚みが薄くて済みます。
最近人気のある断熱材です。ネオマフォームという商品名のものが良く使われている印象です。

経年劣化が少なく、炎を当てても炭化するだけと火災に強いため不燃材料に指定されています。

▲▽フェノールフォームのデメリット▽▲
デメリットとして、吸水性の高さと濡れたときに酸性を示すことがよく言われます。

確かに吸水性は他の発泡プラスチック系と比べるとやや高いですが、木材よりずっと小さいので、私は大した問題ではないと思います。

私が考える問題は、濡れたときに酸性を示すということです。
フェノールフォームの表面には、表面を守るための面材が貼ってある商品がほとんどですが、横面は露出しています。また、断熱材を切断した時の断面も、断熱材の表面が露出します。

そのため、外張り断熱でフェノールフォームを使うときは、固定のビスに防錆性能の高いものを使う必要があります。
一般的な釘では、水に濡れたときにすぐ錆びてしまうからです。

木造の基礎断熱や、鉄筋コンクリート造の建物の断熱に使われることもありますが、私が設計者であれば使いません。
何らかの条件で濡れてしまうと、断熱材が酸性を示し、コンクリートの中性化を早めてしまう可能性があるからです。

また、鉄骨造の建物に使用する際も、断熱材と鉄骨の間に合板などを挟み、フェノールフォーム断熱材を直接鉄骨に接触させないような配慮も必要であると思います。

価格はやや高いものの、高い断熱性能と性能の安定性から、良い断熱材だと思います。
ただし、物性としてのリクスは十分把握して、それに対する工学的な判断・対策は不可欠です。

これまで、たくさんの断熱材をご紹介しました。
世の中には、たくさんの断熱材がありますが、どれも一長一短で、完璧なものはありません。

使用場所や目的、予算に合わせて使い分けるのが良いでしょう。

赤外線サーモグラフィカメラで、筋かいを確認

朝一番で昨日行った品質チェックの現場に向かい、配筋修繕を確認した後、既存一戸建ての建物調査(インスペクション)へ。

建物に入ると早速小屋裏に入ります。天気が良かったために、この時期でも小屋裏は暑く、ずっと入っていると汗だくになります。

下の画像は、赤外線サーモグラフィカメラで撮影した画像。
見た目には何も分からない壁でも、赤外線サーモグラフィカメラで見ると、筋かいが入っているのが分かります。

実際の画像 サーモグラフィ画像
実際の画像 熱画像

赤外線サーモグラフィカメラは、室内外の温度差が大きいほどよく写ります。この日は天気が良かったので、しっかりと見えました。

 

ちなみに、さくら事務所が建物調査(インスペクション)で使う機材は、他にもたくさんあります。



コンセントボックスなどを開けるための工具や、トランシーバーなどの小物も合わせると、車の中が荷物でいっぱいになってしまうのが悩みでしょうか。
(特にファイバースコープカメラは、もう少し小さく・軽いといいのですが・・・)

断熱方法 充填断熱工法

2005年10月31日

▼充填断熱工法 (じゅうてんだんねつ こうほう)▼

長かった断熱材のお話も終わり、今回からは断熱の工法についてです。

日本の木造および鉄骨造の建物で最もよく使われる断熱工法が

 充填断熱工法(じゅうてんだんねつ こうほう)です。
 柱間断熱工法(はしらかんだんねつ こうほう)とも呼ばれます。

日本の一戸建てのほとんど全ては、この断熱工法になります。

▼充填断熱工法とは?▼
鉄筋コンクリート造の場合、柱と柱の間には、コンクリートの壁があるのが普通ですが、木造や鉄骨造の場合には、柱と柱の間は一般的に空洞になります。

その空洞の中に、断熱材を詰め込む(充填する)のが、充填断熱工法です。

断熱材には、グラスウールやロックウールのような繊維系断熱材がよく使われます。

▼充填断熱工法のメリット▼
一般的に言われている、充填断熱工法のメリットは以下のようなものです。

 ◇1. 費用が安い
 ◇2. 変わった形状にも対応しやすい
 ◇3. 断熱材の厚みを厚くしやすい

◇1. 費用が安い
これは、工法というよりも使われる断熱材の種類によるものと言えますが、安価な繊維系断熱材がよく使われることにより、断熱に要する費用は安く済みます。

◇2. 変わった形状にも対応しやすい
充填断熱工法で最も使われる繊維系断熱材は曲げることが可能ですので、変わった形状にも対応しやすいとされています。

◇3. 断熱材の厚みを厚くしやすい
一般的な木造住宅の柱の太さは10.5cm~12cmです。
木造住宅での外張り断熱では、その支持方法から厚みに限界があるとされています。
充填断熱工法では、柱などの太さを変えることで、断熱材の厚みを容易に変えることができます。ツーバイフォー工法の場合、幅の広い規格材があるため、在来工法と比べて、より容易に断熱厚みを変更できます。

次回は充填断熱工法のデメリットについてです。
特に、実際の現場での問題点を指摘したいと思います。

鉄筋の問題を、型枠を取り外して是正

朝一番に、品質チェックの型枠確認へ。

基礎の立ち上がり部分の確認です。
現場に行くと、鉄筋を包み込むコンクリートの厚さが不足している箇所がいくつか。早速修繕です。

修繕の様子 幸い、基礎の工事を担当する基礎屋さんは、とても話しやすい方で、修繕にも快く応じてくれます。

型枠を外して鉄筋の位置を修正。


修繕が必要な箇所の中には、鉄筋の位置を直すだけでは対処できないところもあったので、その部分は基礎の幅を広げて対処しました。

 

基礎の工事に限らず、家をつくる工事では、ミスが全く起きない現場というのはまず無いでしょう。問題は、それをどのようにして対処し、直すかということです。

 

オマケ
ハロウィン 今日の、カーナビの音声自動認識のキャラクター。
このキャラクターは、カーナビを使う時刻によって、いろいろ変わるのですが、今日のはびっくりしました。
最初見たときは、カーナビが壊れたのかと思いましたよ。ハロウィンだったのですね。

« 2005年09月 | 2005年10月 | 2005年11月 »

HOME > 2005年10月 アーカイブ

バックナンバー

About 2005年10月

2005年10月にブログ「ホームインスペクター大下達哉の「建物調査(インスペクション)日記」」に投稿されたすべてのエントリーです。
過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2005年09月です。

次のアーカイブは2005年11月です。

他にも多くのエントリーがあります。
HOMEバックナンバーもご覧下さい。

RSS Atom
さくら事務所へのリンク
かものはしプロジェクト
一戸建てってどうよ?【関西限定】
コラム執筆中
© Copyright 2004 - 2009 OHSHITA Tatsuya. All Rights Reserved.