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日本の住まいを世界基準の省エネに

2004年09月12日

以前、建物調査(インスペクション)を行った物件の報告の時のお話。
依頼者の方は以前、北米に住まわれていた方でした。

一般的なマンションより、若干断熱に気を配ってある物件でしたが、次世代省エネ基準には達成していない物件でした。

結局依頼者の方は、(他の要因もありましたが)そのマンションの購入を見送りました。日本の省エネ基準は比較的甘いのに、それを達成出来ない物件はいらない ということでした。

日本の省エネ基準のうち、制定が新しい順に3つ書き出すと、以下のようになります。

基準制定年
次世代省エネルギー基準 1999
新省エネルギー基準 1992
旧省エネルギー基準 1980

戸建ての大手ハウスメーカーは、次世代省エネ基準が標準になりつつあります。
しかし、マンションの省エネルギーは、遅れたまま。ほとんどがせいぜい新省エネルギー基準前後。次世代省エネルギー基準を超えられるのは、ほんのわずかです。

では、日本の省エネ基準を各国の断熱基準と比較するとどうなのか、グラフに示します。

保温性に関する省エネ基準の国別比較
保温性に関する省エネ基準の国別比較 住宅の省エネルギー基準の解説より作成
「住宅の省エネルギー基準の解説」より作成

横軸は、暖房負荷を示します。つまり、その地域の寒さです。右に行くほど寒い地域です。
縦軸は断熱性能です。下に行くほど省エネルギー性が高くなります。

関東で作られている多くのマンションの断熱性能は、印の辺りでしょう。

このグラフを見ると、新省エネルギー基準では、他の国の省エネルギー基準(灰色の線)に、とても満たない事が分かります。

それでは、次世代省エネルギー基準(赤色の線)はどうでしょうか。
新省エネルギー基準よりもかなり省エネになっています。
北海道や青森、岩手のように寒い地域では、他の国と肩を並べるくらいです。それでも、ドイツの省エネルギー基準にはまだまだ達しません。環境先進国、ドイツの省エネルギー基準はかなり厳しいと言えます。

フランス南部は、日本の多くの地域と同じような暖房負荷(暖房デグリーデー)ですが、省エネルギー基準は日本よりずっと厳しくなっています。(個人的には、次世代省エネルギー基準でもまだ甘く、フランスの基準より厳しい程度が妥当だと思っています。)

日本の次世代省エネ基準は他の国と比べると、寒い地域を除いて、それほど威張れるような省エネルギー基準ではありません。
しかし、その基準を達成出来ない建物が日本にはまだたくさん建てられています。

ここ数年、日本の各分野では省エネルギーが進んでいます。エアコン、冷蔵庫、テレビ、給湯器、自動車、電車のような分野で、10年前より省エネルギーになっていない商品を探す方が難しいでしょう。

しかし住宅は別で、10年前と比べて家全体で63%、暖房費だけを見ると82%もエネルギー消費が増えているという研究報告もあります。他の産業が省エネルギー・CO2削減に力を入れているのに、建築・住宅産業だけが遅れているといった感じです。

日本は京都議定書において、1990年と比べて-6%のCO削減を約束しましたが、現時点で1999年より8%も増加しています。
住まいの省エネルギーが進まなければ、京都議定書は守れそうにありません。

作る方も、買われる方も、これまで以上に省エネルギーに力を入れなければならないようです。


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